空き家買取はなぜ安い?仲介との価格差と高く売るために確認したいポイント
空き家買取はなぜ安い?仲介との価格差と高く売るために確認したいポイント
空き家を売却しようと不動産会社へ相談したところ、「仲介なら1,500万円前後を目指せる可能性がありますが、買取なら1,000万円です」といったように、大きな価格差を提示されて驚くことがあります。
「同じ家なのに、なぜ買取になると安くなるのか」
「安く買い叩かれているのではないか」
「買取会社によって価格差があるのはなぜか」
「少しでも高く売るには何を確認すればよいのか」
空き家の所有者にとって、買取価格の仕組みは分かりにくいものです。
結論からいうと、不動産買取が仲介で想定される成約価格より低くなりやすい主な理由は、買取会社が購入後に負担するリフォーム・解体・残置物処分・測量・登記・再販売・保有などの費用と、売れ残りや価格下落の事業リスクを購入価格へ織り込むためです。
ただし、「買取価格は市場価格の7割」「必ず仲介より○%安い」という法律上の基準はありません。同じ空き家でも、再販売方法、土地の利用価値、建物状態、地域需要、権利関係、買取会社の得意分野によって価格は変わります。
そのため、高く売るために最初に行うべきことは、買取を断ることでも、すぐ仲介へ出すことでもありません。仲介で売った場合の想定成約価格と、複数社の正式な買取価格を、売主が負担する費用まで含めて比較することです。
この記事では、空き家買取の価格が低くなりやすい理由を「買取会社の原価構造」から分解し、仲介との価格差を見るときの注意点、査定で確認する項目、買取価格を少しでも高めるための方法を解説します。
株式会社Wakka
株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、空き家、相続不動産、古家、中古住宅、土地、農地付き住宅などの売却相談に対応しています。
空き家では、建物の古さだけでなく、相続登記、未登記建物、残置物、農地、境界、接道などが価格へ影響します。株式会社Wakkaでは、最初から「仲介」「買取」の一方だけに決めるのではなく、売却前に必要な費用と手間を整理し、仲介で市場へ出した場合と買取を選んだ場合の手取りを比較することを重視しています。
また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。行政制度を代行するものではありませんが、空き家を放置せず、売却前の問題点を整理し、管理・売却・活用へつなげる不動産実務の立場から相談に対応しています。
株式会社Wakka
住所:〒409-2217 山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
目次
空き家買取はなぜ仲介より安くなりやすい?
1-1. 買取会社は「再販売後の売上」から逆算して購入価格を決める
1-2. 買取価格に「市場価格の何割」という決まりはない買取価格から差し引かれる主な費用とは?
2-1. リフォーム・解体・残置物・測量などの再商品化費用
2-2. 税金・広告・保有期間・売れ残りリスクも価格に影響する仲介価格と買取価格はそのまま比較してはいけない
3-1. 仲介査定額は「その金額で買う約束」ではない
3-2. 比較するのは売却価格ではなく最終手取り空き家の買取価格が特に下がりやすい条件
4-1. 建物より土地・権利・道路の問題が大きい場合
4-2. 再販売までに時間と費用がかかる空き家買取価格を高くするために売主が確認したいこと
5-1. 先に修繕・解体せず「現況価格」と「改善後価格」を比較する
5-2. 買取会社ごとの得意分野と条件をそろえて比較する買取査定で価格以外に確認する項目
6-1. 残置物・測量・登記・契約不適合責任の条件
6-2. 正式価格・決済日・解除条件まで書面で確認する仲介を先に試した方がよい空き家と買取を検討しやすい空き家
7-1. 市場で評価されやすい物件は仲介の余地を残す
7-2. 時間と管理負担が大きい物件は買取の価値も計算するまとめ|「高く売る」は売却額ではなく手取りと条件で判断する
8-1. 仲介・買取を比較する具体的な順番
8-2. 税金・特例まで確認して最終判断する空き家買取はなぜ仲介より安くなりやすい?
1.空き家買取はなぜ仲介より安くなりやすい?
1-1. 買取会社は「再販売後の売上」から逆算して購入価格を決める
空き家買取の価格を理解するには、買取会社が何をして利益を得るのかを考えると分かりやすくなります。
仲介では、不動産会社は売主から物件を預かり、買主を探します。不動産会社自身が物件を購入するわけではなく、売買契約が成立した場合に媒介報酬を受け取るのが基本です。
一方、直接買取では、不動産会社が自社資金などで物件を取得します。その後、建物を修繕して中古住宅として再販売したり、解体して土地として販売したり、場合によっては賃貸物件として運用したりします。
つまり、買取会社から見ると、売主へ支払う買取代金は事業の「仕入れ価格」です。
例えば、再販売できる価格を2,000万円程度と見込んだとしても、2,000万円で買い取れば事業として成り立ちません。そこから、リフォーム、残置物処分、登記、測量、税金、広告、保有中の維持費などを支払い、さらに再販売できないリスクを負います。
そのため、買取会社は「最終的にいくらで売れそうか」から必要な費用とリスクを差し引き、自社が購入できる価格を逆算します。
これが、仲介で一般の買主へ売却する場合の想定価格より、買取価格が低くなりやすい基本的な理由です。
ただし、買取会社が得る利益をすべて「安く買った差額」と考えるのも正確ではありません。購入から再販売までに費用と時間を投下し、価格下落や追加修繕などの不確実性を引き受けるため、そのリスクを含めて事業採算を判断しています。
売主側から見ると、価格差の一部は「不動産会社に利益を取られる金額」ではなく、売主が仲介を選んだ場合には自分で負担する可能性のある費用や、買取会社へ移転するリスクの対価とも考えられます。
1-2. 買取価格に「市場価格の何割」という決まりはない
空き家買取について検索すると、「市場価格の6~8割」「仲介の7割程度」といった表現を見かけることがあります。
しかし、不動産買取価格について、法律上「市場価格の何%で買い取らなければならない」という基準はありません。
また、「市場価格」という言葉自体も使い方に注意が必要です。不動産会社が仲介査定で示す金額は、一般市場へ売り出した場合の成約可能性を予測したものであり、その金額で買主が現れることを保証するものではありません。
一方、買取査定は、買取会社が実際に買主となることを前提にした価格です。ただし、机上査定段階の概算額なのか、現地・権利・法令調査まで終えた正式な購入価格なのかで意味は異なります。
同じ空き家でも、買取会社によって価格差が生じます。
一社は建物を解体して土地として再販売すると考え、別の会社は最低限の改修で中古住宅として販売できると考えるかもしれません。後者の方が建物を評価できれば、より高い価格を提示できる可能性があります。
反対に、土地価格が低い地域で解体費が高い、道路条件が特殊、農地が含まれる、再建築に確認が必要といった物件は、再販売までの不確実性が大きくなり、価格が低くなることがあります。
したがって、買取価格が安いかどうかを判断するときに、「相場の7割を超えているか」だけを見るのは適切ではありません。
その物件について、仲介なら現実的にいくらで成約しそうか、そこまでに何を売主が負担するのか、買取ならどこまで現況のまま引き受けるのか、という条件をそろえて比較する必要があります。
買取価格から差し引かれる主な費用とは?
2-1. リフォーム・解体・残置物・測量などの再商品化費用
買取会社が空き家を取得した後、そのまま再販売できるとは限りません。
中古住宅として販売するなら、屋根・外壁、床、壁、水回り、給湯器、電気設備、建具、シロアリなどの補修が必要になることがあります。住宅としての印象を改善するため、清掃や庭木の伐採を行うこともあります。
建物の状態が悪ければ、解体して土地として販売する方法も考えます。その場合は解体費のほか、家財や廃材の処理、樹木・庭石・物置の撤去などが必要になる可能性があります。
相続した空き家では残置物も大きな費用要因です。家具や家電だけでなく、布団、衣類、食器、本、農機具、倉庫内の物品などが大量に残っていれば、搬出・分別・処分に費用がかかります。
土地については、境界を明確にするための測量、分筆、地積更正などが必要になる場合があります。未登記建物があれば、再販売前に表題登記などを整理するケースもあります。
ここで重要なのは、売主が「買取なら片付け不要」と言われたとき、処分費が本当に無料なのかを確認することです。
多くの場合、買取会社が負担する作業費は事業原価として買取価格へ反映されます。
これは不利という意味ではありません。売主自身が業者を手配して現金を支払い、その後に売却する方法と、買取会社が処分を引き受け、その費用を見込んだ価格で購入する方法の違いです。
比較する際は、処分費そのものだけでなく、手配の手間、現地立会い、処分後も売れない可能性まで考える必要があります。
2-2. 税金・広告・保有期間・売れ残りリスクも価格に影響する
買取会社が負担するのは工事費だけではありません。
不動産を取得すれば、登記関係費用や取得に伴う税負担が発生します。再販売するまで所有すれば、固定資産税等の保有コストも発生します。
販売時には写真撮影、広告、現地管理などの費用も必要です。
さらに、最も見えにくいのが「時間」と「売れ残りリスク」です。
例えば買取会社が1,500万円で購入し、300万円かけてリフォームしたとしても、必ず計画どおりの価格・時期で再販売できるとは限りません。
販売中に市場環境が変わることもあります。追加の雨漏りやシロアリ被害が見つかる可能性もあります。想定より長期間売れなければ、資金が物件に固定されたままになります。
そのため、買取会社は「確実に分かっている工事費」だけでなく、「まだ見えていない費用が発生する可能性」も価格へ織り込みます。
これは特に、築年数が古い空き家や長期間使用されていない建物で大きくなりやすい部分です。
反対に、建物状態が良く、境界・道路・登記も明確で、短期間に再販売できると判断される物件は、会社側の不確実性が小さくなるため、価格差が縮まる可能性があります。
つまり、買取価格を高めるうえで重要なのは、必ずしも売主が高額なリフォームを行うことではありません。
買取会社が「分からないから大きく見込んでいるリスク」を減らせる情報をそろえることも有効です。
例えば、過去の修繕記録、建築確認関係書類、境界確認書、測量図、設備交換履歴、雨漏り修繕履歴などがあれば、査定時に提示します。
仲介価格と買取価格はそのまま比較してはいけない
3-1. 仲介査定額は「その金額で買う約束」ではない
空き家を査定すると、仲介査定額と買取価格の差が大きく見えることがあります。
しかし、この二つは性質が違います。
仲介査定額は、「市場へ売り出した場合、このあたりの価格で成約する可能性がある」という不動産会社の見立てです。不動産会社がその価格を支払うわけではありません。
一方、正式な買取価格は、提示した会社自身が買主になることを前提としています。
そのため、例えば、仲介査定1,800万円、買取1,350万円という提示を受けても、「買取を選ぶと450万円損をする」と直ちに判断することはできません。
仲介では1,800万円で売り出しても、最終的に1,600万円で成約するかもしれません。成約までに価格変更が必要になることもあります。
さらに、仲介で売るために家財処分100万円、修繕80万円、測量60万円が必要なら、売主の実質負担は増えます。
一方、1,350万円の買取が「残置物そのまま、現況、測量不要、短期間決済」という条件なら、見た目の価格差と実際の手取り差は一致しません。
逆に、仲介で大きな追加費用がなく、市場で1,800万円前後の需要が十分期待できる物件なら、価格差が大きな機会損失になる可能性もあります。
だからこそ、仲介と買取を比べるときは「査定額」ではなく「現実的な成約見込み」と「売主負担」を比較します。
3-2. 比較するのは売却価格ではなく最終手取り
売却方法を比較するときは、簡単な手取り表を作ると判断しやすくなります。
仲介の場合は、想定成約価格から、仲介手数料、残置物処分、修繕、測量、解体、売却までの空き家管理費、その他売主負担を差し引きます。
買取の場合は、正式な買取価格から、仲介手数料がある場合の報酬、売主負担とされた残置物処分、測量、登記、解体などを差し引きます。
さらに「時間」も比較します。
仲介で販売期間が長くなれば、その間の固定資産税、保険、草刈り、庭木管理、現地への交通費などが続きます。
もちろん、仲介でも短期間で成約することがありますし、買取でも権利整理や許認可の関係で時間がかかることがあります。そのため、期間を固定数字で決めつけず、物件ごとに見積もります。
例えば、仲介の想定手取りが1,600万円、買取の手取りが1,480万円だったとします。
差額120万円を得るために、売主が半年以上管理を続け、何度か現地へ行き、内覧・価格交渉にも対応する必要があるなら、その120万円をどう評価するかは所有者によって異なります。
一方、「時間はかかっても120万円を取りに行きたい」と考えるなら仲介を選ぶ合理性があります。
重要なのは、買取価格の低さだけで判断するのではなく、「その価格差と引き換えに何を省けるのか」を数字と作業量で確認することです。
直接買取では、買取会社自身が買主となり、売主との間に別の宅建業者が媒介として入らない取引であれば、その買主会社に対する仲介手数料は生じません。ただし、買取会社との間を別の不動産会社が仲介する場合には媒介報酬が発生する可能性があります。
また、価格800万円以下の宅地・建物の媒介では、2024年7月1日から「低廉な空家等」の報酬特例があり、依頼者一方から受けられる上限は30万円に消費税を加えた額です。買取と仲介を比較するときは、誰が買主で、誰が仲介者なのかまで確認してください。
空き家の買取価格が特に下がりやすい条件
4-1. 建物より土地・権利・道路の問題が大きい場合
空き家買取というと、建物の老朽化だけが価格を下げる原因と思われがちですが、実務では土地や権利関係の方が大きな影響を与える場合があります。
例えば、接道条件が不明、私道・第三者所有地を通らないと入れない、境界が不明、越境がある、相続登記が未了、共有者が多い、未登記建物がある、隣接地に農地が含まれる、市街化調整区域で利用条件の確認が必要、といった状態です。
建物のリフォーム費は金額を見積もりやすい一方、権利・道路・許認可の問題は「そもそも解決できるのか」「どのくらい時間がかかるのか」が見えにくいことがあります。
例えば、私道通行の承諾が必要な土地なら、承諾を得られるかどうかで利用価値が変わります。境界問題で隣接所有者との調整が必要なら、測量費だけではなく時間も必要です。
農地が含まれる場合には、買主の利用目的によって農地法上の許可・届出が関係します。
このような物件では、買取会社は「問題解決後の価値」ではなく、「問題を抱えた現時点で引き受けるリスク」を含めて査定します。
そのため、買取価格を上げるために建物を塗装するより、道路・境界・登記の資料を集めて問題の範囲を明確にする方が効果的なケースがあります。
売主自身で解決まで行わなくても、「何が問題で、どこまで確認済みか」を明確にできれば、買取会社が最悪ケースを大きく見込む必要を減らせる可能性があります。
4-2. 再販売までに時間と費用がかかる空き家
買取会社は、購入後に再販売できるまでの時間も査定します。
例えば、大量の残置物がある住宅なら、撤去・清掃を終えるまで販売できません。
建物に雨漏りやシロアリ被害があれば、工事内容を決め、業者を手配し、施工する期間が必要です。
相続登記、未登記建物、境界、分筆などの整理が必要なら、その手続きが終わらなければ再販売しにくい場合もあります。
さらに地方の空き家では、住宅そのものを再生しても、買主層が多くない地域があります。再販売まで長期間を想定するなら、会社側の保有コストや価格変動リスクも大きくなります。
逆に、再販売しやすい条件が整っていれば評価は変わる可能性があります。
例えば、建物は古くても土地の需要が高い、駐車場を確保できる、道路条件が明確、上下水道の状況が分かっている、境界資料がある、といった物件です。
ここで売主が意識したいのは、「古い家だから安い」と一括りにしないことです。
どの項目が買取価格を下げているのかを査定会社へ聞いてください。
「建物解体費として200万円見込んでいる」「境界不明のため測量費を見込んでいる」「残置物処分費を見込んでいる」「再販売価格がこの程度と判断している」など、価格の考え方を確認できれば、改善できる項目と改善しても価格が変わりにくい項目を分けられます。
買取価格を高くするために売主が確認したいこと
5-1. 先に修繕・解体せず「現況価格」と「改善後価格」を比較する
買取価格を上げたいと考えたとき、最初にリフォーム・解体・片付けを行うのは慎重に判断してください。
例えば、売主が200万円かけてリフォームしても、買取価格が200万円以上上がるとは限りません。
なぜなら、買取会社自身が工事業者との取引ルートを持ち、売主より低いコストで改修できる可能性があるからです。
売主が一般価格で300万円かける工事を、買取会社は事業者価格でより低く行えるなら、売主が先に工事する経済的な意味は小さくなります。
解体も同じです。
古い建物だからと先に解体したものの、買取会社は古家付きのままでも購入できたというケースも考えられます。
さらに、建物を解体すると、住宅用地として固定資産税等の特例が適用されていた土地では、翌年度以降の税負担が変わる可能性があります。
また、再建築条件に確認が必要な土地では、解体する前に建替え可能性を調査した方が安全です。
そのため、高く売りたいときは、現在の状態での買取価格、残置物撤去後の価格、必要な修繕後の価格、解体後の土地価格を先に確認します。
そして、「価格上昇額が売主負担費用を上回る可能性がある作業」だけを検討します。
例えば残置物撤去費が50万円で、撤去後の買取価格が100万円上がると具体的に提示されるなら、売主側で撤去する意味があります。
一方、50万円かけても価格が20万円しか変わらないのであれば、現況のまま売った方が手取りは多くなります。
「きれいにすれば高く売れる」という感覚ではなく、費用対効果で判断します。
5-2. 買取会社ごとの得意分野と条件をそろえて比較する
買取価格を上げるためには、複数の会社へ査定を依頼する方法があります。
ただし、単に「一番高い会社」を選ぶだけでは不十分です。
不動産会社には得意分野があります。
中古住宅の再生を得意とする会社、古家を解体して土地販売する会社、賃貸化する会社、事業用地を扱う会社、地方物件を扱う会社などで評価方法が違います。
築古住宅でも、中古住宅として再生できると判断する会社なら建物を評価できるかもしれません。
一方、土地販売を前提にする会社は、建物をすべて解体費として見る可能性があります。
その結果、同じ物件でも価格差が生まれます。
比較するときは条件をそろえます。
一社には「残置物そのまま」、別の会社には「売主撤去」と伝えてしまうと、どちらが高いか判断できません。
査定依頼時に、現況のまま、残置物を含む、測量未実施、修繕しない、引渡希望時期などを同じように伝えてください。
そして提示された価格について、「この金額以外に売主が負担する費用は何ですか」と確認します。
価格が最も高い会社ではなく、「最終手取りが最も高く、契約条件を受け入れられる会社」を選ぶのが基本です。
また、売買を業として行う不動産会社については、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で宅地建物取引業免許の基本情報を確認できます。
会社名、免許番号、契約書に記載される買主法人が一致しているかも確認しておきましょう。
買取査定で価格以外に確認する項目
6-1. 残置物・測量・登記・契約不適合責任の条件
買取査定で見落としやすいのが、「何を売主が行う条件なのか」です。
1,000万円の買取と1,050万円の買取があれば、1,050万円の方が良く見えます。
しかし、1,050万円の会社から、家財撤去100万円、確定測量70万円、建物解体200万円を売主負担で求められれば、手取りは大きく下がります。
一方、1,000万円の会社が残置物・建物を現況のまま引き受け、測量不要なら、結果としてこちらの方が負担は少なくなります。
確認したい項目は、残置物を誰が処分するか、測量を行うか、境界明示を求めるか、未登記建物を誰が整理するか、抵当権抹消など売主側登記費用は何か、固定資産税等をどう精算するか、です。
さらに重要なのが契約不適合責任です。
民法では、引き渡された目的物が種類・品質などについて契約内容に適合しない場合に、買主の追完請求、代金減額、損害賠償、解除などが問題になります。
個人売主と不動産会社との買取契約では、物件状態を価格に反映し、契約不適合責任の範囲を限定する特約や、一定の項目について免責とする契約が使われることがあります。
しかし、「買取なら法律上、自動的に契約不適合責任がなくなる」わけではありません。
どこまで売主が責任を負うかは契約書を確認する必要があります。
また、売主が把握している雨漏り、シロアリ、境界紛争、越境、未登記増築などは、買取会社にも正確に伝えてください。
問題を開示したうえで価格に織り込み、契約書に状態を反映した方が、売却後の紛争を避けやすくなります。
6-2. 正式価格・決済日・解除条件まで書面で確認する
買取査定では「査定額」と「正式な購入価格」を区別してください。
電話やオンラインだけで「1,500万円くらいで買えます」と言われたとしても、現地確認や法令調査後に価格が変わることがあります。
これは必ずしも不適切なことではありません。現地を見なければ雨漏り、接道、境界、残置物量などを判断できないからです。
問題は、概算価格を正式価格だと思って売却先を決めてしまうことです。
最終判断では、正式な買取価格、価格の前提条件、売主負担費用、契約予定日、残代金決済日、手付金、解除条件、違約金を確認します。
特に注意したいのが、契約後に価格を変更できる条件です。
例えば、「調査の結果、会社の判断で価格を変更できる」とだけ書かれているような場合には、どのような条件で変更されるのか確認します。
また、契約後に買主だけが広く解除できる条件が設けられていないかも確認します。
買取の大きなメリットは売却時期を見通しやすいことですが、契約解除条件が広すぎれば、そのメリットが小さくなります。
「いつまでに、いくら入金され、その日までに売主が何をするのか」が具体的になって初めて、仲介との比較ができます。
売却を急いでいる場合ほど、「早く買えます」という説明ではなく、契約書案とスケジュールを確認してください。
仲介を先に試した方がよい空き家と買取を検討しやすい空き家
7-1. 市場で評価されやすい物件は仲介の余地を残す
買取査定を取ったからといって、必ず買取で売る必要はありません。
売却を急いでおらず、一般の買主が利用しやすい物件であれば、仲介で市場に出す余地があります。
例えば、住宅としてそのまま利用できる、道路・境界が比較的明確、駐車スペースがある、大規模修繕が不要、一般の住宅ローンを利用しやすい、周辺で中古住宅需要がある、といった場合です。
こうした物件では、再販売利益を必要とする買取会社ではなく、最終利用者へ直接売れる仲介の価格メリットが出やすくなります。
また、建物は古くても、広い土地、倉庫、庭、農的な暮らしなどを求める買主に評価される可能性があります。
「築40年以上だから価値ゼロ」と決めつけて、最初から解体前提の買取だけで比較する必要はありません。
一方で、仲介で売るなら期間のルールを決めるとよいでしょう。
例えば、「まず3か月販売して反響を見る」「6か月以内に成約しなければ価格変更または買取へ切り替える」というように、所有者自身の期限を決めます。
期限を設けず「いつか高く売れれば」と販売を続けると、管理費や固定資産税、建物劣化による修繕費が増える可能性があります。
仲介を選ぶ場合も、買取価格を控えとして把握しておけば、「価格をいくらまで下げるなら買取へ切り替えた方がよいか」という判断基準になります。
なお、「買取保証」と「直接買取」も区別してください。買取保証は、一定期間は仲介で市場へ販売し、期間内に成約しなかった場合に、あらかじめ定めた条件で不動産会社が買い取る仕組みです。
法律で内容が一律に決まった制度ではなく、対象物件、仲介期間、保証価格、価格変更条件などは各社で異なります。最初から買取会社へ売る直接買取とは、価格の決まり方や売却までの流れが違います。
「一定期間は高値を目指したいが、最終的な売却期限も決めたい」という場合には選択肢になりますが、保証される価格と適用条件を契約前に確認する必要があります。
7-2. 時間と管理負担が大きい物件は買取の価値も計算する
買取を検討しやすいのは、売却価格以外の負担が大きい物件です。
例えば、遠方で管理が難しい、庭木・雑草管理が必要、雨漏りなど劣化が進んでいる、残置物が大量にある、何度も内覧対応できない、相続人間で早期換価を希望している、売却期限が決まっている、といった場合です。
空き家は、持っているだけでも費用がかかります。
毎年の固定資産税、保険、草刈り、庭木剪定、見回り、最低限の修繕などです。
遠方なら交通費も発生します。
さらに、建物の劣化が進めば、半年後・1年後の価値が現在より下がる可能性もあります。
したがって、仲介で200万円高く売れる可能性があったとしても、そのために長期間の管理と追加費用が必要なら、価格差すべてが売主の利益とは限りません。
買取を「安く売る方法」とだけ考えず、「売却までの時間・管理・再販売リスクを買主へ移す方法」と考えると比較しやすくなります。
もちろん、時間を短縮する対価としてどの程度の価格差まで受け入れるかは売主自身が決めることです。
そのためには先に仲介の現実的な成約価格と、買取の正式価格を両方把握しておく必要があります。
まとめ|「高く売る」は売却額ではなく手取りと条件で判断する
8-1. 仲介・買取を比較する具体的な順番
空き家をできるだけ高く売りたい場合、まず現在の状態で仲介査定を受けます。
ここでは「いくらで売り出せるか」だけでなく、「現実的な成約価格帯」「想定する買主」「売却前に必要な作業」を確認します。
次に、同じ現況条件で複数の買取会社から査定を取ります。
残置物、修繕、測量、解体などの条件をそろえて比較してください。
その後、仲介の場合に売主が負担する仲介手数料、片付け、修繕、測量などを見積もります。
買取についても、査定価格以外に売主負担がないか確認します。
ここまで整理したら、仲介の想定手取り、買取の手取り、売却までの期間、管理負担、売却後の責任範囲を比較します。
「高く売る」というと、最も高い金額を提示した相手へ売ることだと思われがちです。
しかし、売主にとって本当に重要なのは、売買価格から必要経費を差し引いた金額と、そこまでにかかる時間・手間です。
例えば、仲介で100万円高いとしても、売却のために80万円の修繕と50万円の残置物処分が必要なら、買取より手取りが少なくなる可能性があります。
反対に、ほとんど費用をかけず仲介で高く売れる物件なら、急いで買取へ出す必要はないでしょう。
そして、提示された買取価格が低いと感じたら、「もっと高くしてください」と交渉する前に、「何を理由にこの価格になっていますか」と聞いてください。
その回答によって、資料をそろえれば評価が変わるのか、残置物を撤去すれば上がるのか、建物ではなく土地の需要が原因なのか、その会社の再販売方法では評価できないのかが見えてきます。
改善できる理由なら対応を検討し、会社の得意分野が合わないだけなら別の会社へ査定を依頼する方が合理的です。
8-2. 税金・特例まで確認して最終判断する
仲介でも買取でも、不動産を売却して利益が生じれば譲渡所得税等を確認します。
土地・建物の譲渡所得は、基本的に売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
相続した空き家の場合は、原則として被相続人の取得費と取得時期を引き継ぎます。
親が購入したときの売買契約書、建築請負契約書、購入手数料の資料などが残っていれば、安易に処分しないでください。
取得費が分からない場合には、一定の場合、売却代金の5%相当額を概算取得費として計算できます。しかし実際の取得費を確認できる方が有利になるケースもあるため、古い書類を探す意味があります。
相続した空き家については、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。
2026年9月現在、この制度は一定の要件を満たして2027年12月31日までに譲渡した場合が対象です。2024年以後の譲渡で対象不動産を取得した相続人が3人以上の場合は、一人当たりの控除上限が2,000万円となります。
この制度は「仲介で売れば使える」「買取だと使えない」という区分ではありません。買主との関係、家屋の建築時期、相続後の利用状況、売却期限、売却代金など、法定要件を満たしているかで判断します。
そのため、仲介と買取の価格差が大きいときほど、税引前の価格だけで判断せず、利用できる税制も確認してください。
また、紙の売買契約書を作成する場合には印紙税が関係します。抵当権抹消、相続登記、住所変更登記などが必要なら登記費用も確認します。
最終的には、売却価格、売却前費用、仲介手数料の有無、管理を続ける期間、契約条件、税金まで含めて比較します。
空き家買取が仲介より安くなりやすいのは、単に不動産会社が安く買いたいからという一つの理由だけではありません。
購入後に必要となる費用と時間、そして再販売できるかどうかのリスクを、買取会社が引き受けるためです。
しかし、その価格差が妥当かどうかは物件ごとに違います。
だからこそ、「市場価格の何割だから適正」「一番高い査定だから安心」といった一つの数字だけで判断しないことが重要です。
まず現在の状態を把握し、仲介での現実的な成約価格と買取の正式価格を取り、売主負担を同じ条件で比較してください。
そのうえで、価格差の理由を一つずつ確認し、改善できるものだけを改善する。
これが、空き家を必要以上に安く手放さず、同時に不要な費用もかけないための基本的な考え方です。
株式会社Wakka
住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
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