空き家は買取と仲介のどちらがいい?売却価格・期間・メリットを徹底比較

空き家は買取と仲介のどちらがいい?売却価格・期間・メリットを徹底比較

空き家は買取と仲介のどちらがいい?売却価格・期間・メリットを徹底比較


空き家を売却しようとすると、「不動産会社に買い取ってもらう方法」と「不動産会社に仲介してもらって一般の買主を探す方法」のどちらを選ぶべきか迷うことがあります。


特に、相続した実家、築年数の古い住宅、残置物が多い家、修繕が必要な建物、地方の土地付き住宅などでは、「できるだけ高く売りたい」という希望と、「早く手放したい」「これ以上管理費をかけたくない」という希望が両立しないこともあります。


結論からいうと、買取と仲介のどちらが一律に優れているわけではありません。


仲介は、市場で購入希望者を探すため、条件が合えばより高い価格で成約できる可能性があります。一方、購入希望者が現れるまでの期間は確定せず、内覧、価格交渉、住宅ローン審査などを経て契約へ進みます。


買取は、不動産会社自身が買主となるため、一般の購入希望者を探す販売期間を省けることが大きな特徴です。その代わり、不動産会社は取得後の修繕、残置物処理、保有費用、再販売費用、事業上のリスクなどを考慮して価格を提示するため、仲介で想定される市場価格より低い提示になることがあります。


大切なのは、「仲介なら高い」「買取なら安い」と言葉だけで判断することではありません。

売却価格、売却までの期間、仲介手数料、残置物処分や修繕の費用、契約条件、売却後の責任、管理を続ける期間まで含めて、最終的な手取りと負担を比較する必要があります。

この記事では、空き家を売却するときの「買取」と「仲介」の仕組み、価格、期間、費用、契約条件、向いている物件を比較し、どのような順番で選べばよいかを解説します。


最初に比較の軸を整理すると、仲介と買取の違いは主に「価格の決まり方」「買主を探す時間」「売主の準備負担」「契約条件」の4点です。仲介では市場に向けて販売し、買主の評価によって成約価格が決まります。買取では、買取会社が再販売や保有を前提に事業採算を計算し、購入価格を提示します。


そのため、同じ不動産でも「仲介査定額」と「買取価格」は意味が違います。仲介査定額は市場での成約可能性を予測した価格であり、将来の成約額を保証するものではありません。買取価格は、提示条件に合意して契約が成立すれば、その会社が買主として支払う金額です。比較するときは、この違いを理解しておく必要があります。


また、買取には「広告を出さずに売却しやすい」「内覧対応が少なくて済みやすい」という特徴がありますが、仲介でも売主の希望に応じて販売方法を調整できる場合があります。反対に、仲介を選んだからといって必ず長期間かかるわけでもありません。物件条件と価格が市場に合えば早期成約することもあります。


株式会社Wakka

株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、空き家、相続不動産、古家、中古住宅、土地、農地付き住宅などの売却相談に対応しています。


地方の空き家では、築年数や室内の状態だけでなく、相続登記、未登記建物、農地、境界、接道、残置物などが取引条件に影響することがあります。そのため株式会社Wakkaでは、最初から買取か仲介のどちらかに決めるのではなく、物件の問題点と売主の希望を整理し、「仲介で市場へ出した場合」と「買取条件を提示した場合」を比較して考えることを重視しています。


また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。行政制度を代行するものではありませんが、地域の空き家について、権利関係や建物状態を整理し、管理・売却・活用へつなげる民間の不動産実務を担う立場から相談に対応しています。


株式会社Wakka
住所:〒409-2217 山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064


目次

  1. 空き家の「仲介」と「買取」は何が違う?
     1-1. 仲介は不動産会社が買主を探す方法
     1-2. 買取は不動産会社自身が買主になる方法

  2. 売却価格は仲介と買取でどう変わる?
     2-1. 仲介は市場価格で売れる可能性を探る
     2-2. 買取価格に一律の「何割」という基準はない

  3. 売却までの期間と確実性を比較する
     3-1. 仲介は買主が見つかるまで期間を確定できない
     3-2. 買取は販売活動を省けるが即日売却とは限らない

  4. 仲介手数料と売却費用を比較する
     4-1. 仲介には法定上限のある仲介手数料がある
     4-2. 買取でも登記・測量・税金などがなくなるわけではない

  5. 古い空き家・残置物・不具合がある場合の違い
     5-1. 仲介では一般の買主が判断しやすい状態に整える
     5-2. 買取でも契約不適合責任や告知が自動的になくなるわけではない

  6. 仲介が向いている空き家とは?
     6-1. 売却価格を優先し、販売期間を確保できる場合
     6-2. 一般の買主が利用しやすい条件が整っている場合

  7. 買取が向いている空き家とは?
     7-1. 売却時期・管理負担・手間を優先したい場合
     7-2. 買取会社は価格だけでなく契約条件まで比較する

  8. まとめ|買取と仲介は「手取り・時間・負担」で選ぶ
     8-1. まず仲介査定と買取価格を同じ条件で比較する
     8-2. 税金まで確認して最終的な売却方法を決める

  9. 空き家の「仲介」と「買取」は何が違う?


1-1. 仲介は不動産会社が買主を探す方法


仲介とは、不動産会社が売主から売却の依頼を受け、購入希望者を探し、売買条件の調整や契約手続きを支援する方法です。


売主と不動産会社は媒介契約を締結します。媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介があり、売主が複数の不動産会社へ依頼できるか、自分で見つけた買主と直接契約できるか、指定流通機構であるレインズへの登録義務などに違いがあります。


仲介では、買主は不動産会社ではなく、広告や紹介を通じて物件を検討する第三者です。中古住宅なら、自分や家族が住む人、リフォームして利用する人、投資目的で購入する人など、さまざまな買主を探すことができます。


販売活動では、物件写真、間取り、価格、土地・建物の条件などを整理し、インターネット、不動産会社間の情報共有、既存顧客への紹介などを通じて購入希望者を募ります。

仲介の強みは、購入対象者を広く探せることです。物件を評価する買主が見つかれば、売主が希望する価格に近い条件で売却できる可能性があります。


一方、「売り出せば必ず買主が現れる」という保証はありません。販売価格が高すぎる、建物状態が悪い、道路や農地などに条件がある、地域の需要が少ないといった場合には、販売期間が長くなることがあります。


つまり仲介は、「市場で買主を探して価格を引き出す方法」と考えると分かりやすいでしょう。


1-2. 買取は不動産会社自身が買主になる方法


買取とは、不動産会社などが売主から直接不動産を購入する方法です。

仲介では不動産会社が「売主と買主をつなぐ立場」ですが、直接買取では不動産会社自身が売買契約の相手方、つまり買主になります。


買取会社は、購入した空き家をそのまま保有するとは限りません。リフォーム・解体・造成・権利整理などを行ったうえで再販売したり、賃貸物件として活用したり、土地として再商品化したりします。


そのため、一般の買主には敬遠されやすい物件でも、事業として再生可能だと判断されれば買取対象になることがあります。


例えば、残置物が多い、建物が古い、設備が故障している、すぐに住めない、といった理由だけで買取できないとは限りません。


また、一般市場へ広告を出して買主を探す必要がないため、「近隣に売却を知られたくない」「何度も内覧へ対応することが難しい」といった売主にも検討しやすい方法です。

ただし、買取会社が直接買主になるからといって、どのような物件でも買い取るわけではありません。


再販売の見込み、法令制限、接道、権利関係、修繕・解体費、地域需要などを調査し、事業として成立する価格を提示します。


なお、「買取」と表示されていても、実際には別の買取会社を探す仲介方式である場合があります。売主と直接契約する会社が買主なのか、それとも別会社への売却を仲介するのかによって、仲介手数料の有無や契約関係が変わるため、最初に確認してください。


  1. 売却価格は仲介と買取でどう変わる?

2-1. 仲介は市場価格で売れる可能性を探る


価格を優先する場合、一般的には仲介から検討する理由があります。

仲介では、その空き家を実際に使いたい人や、その土地を必要としている人を市場で探します。


例えば、売主にとっては「築40年の古い家」であっても、購入希望者にとっては「自分でリフォームできる住宅」「広い庭のある家」「倉庫付きの物件」と評価される可能性があります。


こうした買主が現れれば、建物を事業として再販売する買取会社より高い金額を提示することもあります。


ただし、「査定価格=売れる価格」ではありません。


不動産会社が仲介査定で2,000万円と提示しても、2,000万円で売れることを保証しているわけではありません。実際には、売出価格を設定し、市場の反応を見ながら購入希望者との交渉を行います。


査定額が高い会社を選ぶときは、「なぜその金額で売れると判断したのか」という根拠を確認してください。


周辺の成約事例、土地条件、建物状態、想定する買主、販売方法が説明されているかが重要です。


高い査定額だけを基準に媒介契約を結び、実際には問い合わせが入らず、数か月後に何度も値下げすることになれば、最初の査定額だけを比較した意味が薄くなります。

仲介では「最も高い査定」ではなく、「現実的にどの価格帯で、誰に売るのか」を確認することが大切です。


2-2. 買取価格に一律の「何割」という基準はない


インターネットでは、「買取は市場価格の7割」「仲介価格の8割」などと説明されることがあります。


しかし、不動産買取価格について、法律上「仲介価格の何%」という基準はありません。

買取会社は物件ごとに、購入代金、リフォーム・解体費、残置物処分費、測量・登記・造成費、取得時の税・諸費用、保有中の固定資産税等、販売広告費、再販売までの期間、売れ残りや価格下落のリスクなどを見込み、購入価格を判断します。


そのため、状態の良い住宅と、大規模修繕が必要な住宅では価格差が大きくなることがあります。土地についても、道路・境界・造成・農地などの条件によって判断は変わります。

重要なのは、仲介査定額と買取価格をそのまま比べないことです。


例えば、仲介査定1,500万円、買取価格1,250万円だったとします。


数字だけ見れば250万円の差があります。しかし仲介で売るために残置物処分100万円、修繕80万円、測量50万円が必要で、さらに仲介手数料も必要となるのであれば、手取り差は小さくなります。


反対に、特別な修繕や処分が不要で、需要のある物件なら、仲介の方が大きな手取りを得られる可能性があります。


比較すべきなのは「査定額」ではなく、売却代金から売却までに売主が負担する費用、仲介手数料等、保有中の費用を差し引いた最終的な手取りです。


また、買取価格を比較するときは「査定の前提条件」をそろえることも重要です。1社は残置物をすべて引き受ける条件、別の会社は売主が撤去する条件では、単純な価格比較はできません。測量や解体についても同様です。


できれば各社に、「この価格は現況のままですか」「売主が決済までに負担する作業と費用は何ですか」と確認し、回答を書面やメールで残しておきます。これにより、後から追加費用が分かって実質手取りが下がることを防ぎやすくなります。


  1. 売却までの期間と確実性を比較する

3-1. 仲介は買主が見つかるまで期間を確定できない


仲介では、不動産会社と媒介契約を結んだ後に販売活動を開始します。

そのため、契約時点では「いつ買主が決まるか」を確定できません。

問い合わせが入り、内覧、購入申込み、価格交渉を経て売買契約へ進みます。買主が住宅ローンを利用する場合には、融資審査も関係します。


条件のよい物件なら比較的早く購入希望者が見つかることもありますが、地域需要、価格、建物状態、法令条件などによっては長期間かかる場合があります。


ここで注意したいのが、売却期間中も所有コストが続くことです。


空き家なら、固定資産税、火災保険、電気・水道の基本料金、草刈り、庭木剪定、見回り、修繕などが発生する可能性があります。


遠方所有なら、現地へ行く交通費や管理サービス費も考える必要があります。

したがって「200万円高く売れる可能性があるから仲介」と判断する場合でも、そのために1年間管理を続ける必要があるなら、管理費と手間も含めて比較します。


また、買主が見つかった後も、住宅ローン特約による解除、農地法許可などの条件、測量・登記の準備によって引渡しまで時間が必要になる場合があります。


仲介の売却期間は一律ではなく、物件と買主の条件によって変わります。


3-2. 買取は販売活動を省けるが即日売却とは限らない


直接買取の大きな特徴は、一般の購入希望者を探す販売活動を省けることです。

買取会社が物件を調査し、購入可能と判断して価格と条件に売主が合意すれば、売買契約へ進むことができます。


そのため、仲介より売却時期を見通しやすいケースがあります。


例えば、相続税や別の支払いのため資金化を急いでいる、遠方の空き家管理を早く終えたい、施設入居などで維持費を減らしたい、何度も内覧対応をしたくない、といった場合には、価格だけでなく「いつ所有権を手放せるか」に価値があります。


ただし、「買取なら即日現金化できる」と一律に考えるのは適切ではありません。


買取会社も、登記、境界、道路、建築制限、未登記建物、農地、抵当権、差押えなどを確認します。

相続登記が済んでいなければその手続きが必要になることがありますし、農地法許可や測量が契約条件になる場合もあります。


また、買取会社側の社内審査や資金手配もあります。


したがって、スピードを重視する場合には、「何日で買い取れますか」だけでなく、契約予定日、残代金決済日、売主が決済までに行うこと、解除条件、必要書類を具体的に確認してください。


売却時期を確実にしたいなら、口頭の「すぐ買えます」ではなく、提示された条件を契約書レベルで確認することが重要です。


  1. 仲介手数料と売却費用を比較する

4-1. 仲介には法定上限のある仲介手数料がある


仲介によって売買契約が成立した場合、不動産会社へ仲介手数料を支払います。

宅地建物取引業者が受け取ることのできる売買の媒介報酬には、国土交通省の告示による上限があります。


通常の計算では、売買代金を区分し、

200万円以下の部分は5%
200万円を超え400万円以下の部分は4%
400万円を超える部分は3%

を乗じた金額の合計に消費税を加えます。


400万円を超える売買では、一般に「売買代金×3%+6万円」に消費税を加える簡便計算が使われます。


一方、2024年7月1日から、価格800万円以下の宅地・建物について「低廉な空家等」の媒介報酬特例が設けられています。


この特例では、媒介に要する費用を勘案し、依頼者一方から受けられる報酬は30万円+消費税、消費税率10%なら33万円までとなる場合があります。


「空き家」という名称ですが、売買価格800万円以下の宅地・建物であれば使用状態は問われません。


なお、特例を適用して通常の計算額を超える報酬とする場合には、媒介契約時に売主と不動産会社で報酬額を確認しておくことが重要です。


直接買取では、不動産会社自身が買主であり、売主と買主の間に別の宅建業者が媒介として入っていなければ、売主がその買主会社へ「仲介手数料」を支払う取引ではありません。

ただし、買取会社との間を別の不動産会社が仲介している場合には、媒介報酬が発生する可能性があります。


「買取だから仲介手数料ゼロ」と名称だけで判断せず、誰が買主で、誰が仲介者なのかを確認してください。


4-2. 買取でも登記・測量・税金などがなくなるわけではない


仲介手数料が不要な直接買取でも、売却に伴う費用がすべてなくなるわけではありません。

例えば、抵当権が残っていれば抹消登記費用が必要になります。登記上の住所と現在住所が異なれば、住所変更登記が必要になることがあります。


相続登記が未了なら、売却前に相続人へ名義を移す手続きが必要です。


土地の一部を分筆して売るなら土地家屋調査士による測量・分筆登記費用が必要になります。

境界を確定することが契約条件なら、測量費も発生します。


売買契約書を紙で作成する場合には、契約金額等に応じて印紙税が関係します。

さらに、売却によって譲渡益が生じれば譲渡所得税等が課税される可能性があります。


つまり、

仲介=費用が多い
買取=費用がない

という整理ではありません。


比較するときは、各社へ「この金額から、売主が負担する費用は何がありますか」と確認します。


これを聞けば、残置物を売主が撤去するのか、測量を売主負担で行うのか、未登記建物を登記するのか、解体するのか、仲介手数料があるのかを比較できます。


買取価格が高く見えても、売主負担の条件が多ければ、実質手取りは別の会社より低くなる可能性があります。


  1. 古い空き家・残置物・不具合がある場合の違い

5-1. 仲介では一般の買主が判断しやすい状態に整える


築年数の古い空き家を仲介で販売する場合、必ず全面リフォームしなければならないわけではありません。


ただし、一般の購入希望者が物件を比較・判断しやすい状態にすることは重要です。

室内に大量の家具・荷物があると、床・壁・設備の状態や部屋の広さを確認しにくくなります。草木が伸びていれば、外観や境界を確認しにくくなります。


そのため、最低限の片付けや草刈りを行った方が内覧しやすくなることがあります。

一方で、「売るためには全部新品にしなければならない」と考えて高額なリフォームを先行させるのは慎重に判断してください。


買主が自分好みに改装したい場合もありますし、かけたリフォーム費用以上に売却価格が上がる保証はありません。


仲介では、

・現況のまま売る
・残置物だけ撤去する
・最低限の修繕をする
・解体して土地として売る

といった選択肢を査定時に比較します。


また、物件の問題点を正確に把握することも必要です。

雨漏り、シロアリ、給排水、浄化槽、井戸、越境、未登記増築、境界など、分かっていることは不動産会社へ伝えます。


買主に情報を示し、その状態を前提に価格や契約条件を決めることが、古い空き家の仲介では重要です。


5-2. 買取でも契約不適合責任や告知が自動的になくなるわけではない


「不動産会社に買い取ってもらえば、売った後の責任は一切ない」と説明されることがありますが、常にそうとは限りません。

民法では、引き渡した目的物が契約内容に適合しない場合、契約不適合責任が問題になります。


個人売主と不動産会社との売買では、買主が不動産の専門事業者であることを踏まえ、現況の状態を価格へ織り込み、契約不適合責任の範囲を限定したり、一定の事項について免責特約を設けたりする契約も考えられます。


しかし、それは「買取だから法律上自動的に免責される」という意味ではありません。

どこまで責任を負うかは、法令と実際の契約内容を確認する必要があります。


また、免責条項があっても、売主が把握している重要な事実を意図的に隠してよいわけではありません。


・雨漏りを知っている
・過去にシロアリ被害があった
・隣地との境界争いがある
・第三者所有地を無断で通行している
・増築部分が未登記である

といったことを把握しているなら、買取会社にも伝えてください。


その情報を含めて価格と契約条件を決める方が、売却後のトラブルを減らせます。

買取を選ぶ大きなメリットは、「何も説明しなくてよいこと」ではなく、専門事業者が物件状態を調査し、問題を前提とした条件で購入できる可能性があることです。


契約書に「現況有姿」「契約不適合責任免責」などの文言があれば、意味を理解せず署名せず、どの問題まで含まれるのかを確認してください。


  1. 仲介が向いている空き家とは?

6-1. 売却価格を優先し、販売期間を確保できる場合


仲介を検討しやすいのは、「多少時間がかかっても、できるだけ市場で高い価格を目指したい」という場合です。


例えば、

・急いで現金化する必要がない
・売却まで空き家を管理できる
・固定資産税や管理費を一定期間負担できる
・内覧対応ができる
・価格交渉の時間を取れる

といった状況です。


特に、住宅としてそのまま利用しやすい物件や、少額の修繕で住める住宅、需要のある土地は、一般の買主を探す意味が大きくなります。


仲介では、買主候補が複数現れる可能性もあります。

その場合、単に購入価格だけでなく、

・住宅ローンの有無
・引渡し希望時期
・残置物
・測量

・契約条件

を比較して買主を選べます。


ただし、高値を目指すことと、高すぎる価格で売り出すことは別です。

相場から大きく離れた価格で長期間掲載すると、物件が市場に長く残り、「何か問題があるのではないか」と見られることもあります。


仲介を選ぶ場合でも、販売開始後の反響を確認し、一定期間ごとに価格と販売方法を見直すことが重要です。


6-2. 一般の買主が利用しやすい条件が整っている場合


仲介は、購入後の利用方法が分かりやすい物件ほど進めやすい傾向があります。

例えば、

・接道条件が明確
・境界資料がある
・住宅として利用できる
・大きな権利問題がない
・農地法など特殊な許可が不要
・建物の状態を確認できる

といった物件です。


地方の空き家でも、「築年数が古い」という一点だけで買取に限定する必要はありません。

土地が広い、駐車場が確保できる、家庭菜園ができる、倉庫があるなど、地域の暮らし方に合う特徴を持っている場合には、それを求める購入者がいる可能性があります。


反対に、一般の買主が利用するために多額の造成費や修繕費が必要な物件、権利関係が複雑な物件では、価格を下げても売却が進まないことがあります。


その場合は、仲介を続けるだけでなく、

・買取
・隣接所有者への売却
・土地の分筆
・権利関係の整理

など別の方法を検討します。


「仲介で売れなかった=価値がない」ではありません。

市場へ出した方法と、その土地・建物を購入する可能性がある人が合っていなかっただけという場合もあります。


  1. 買取が向いている空き家とは?

7-1. 売却時期・管理負担・手間を優先したい場合


買取を検討しやすいのは、「最高価格を目指すこと」より「一定の条件で早く売却を完了させること」の優先順位が高い場合です。


例えば、

・遠方に空き家があり管理を続けにくい
・相続人が複数いて早く換価して分けたい
・固定資産税・管理費を減らしたい
・大量の残置物がある
・建物の劣化が進んでいる
・近隣へ広告せず売却したい
・何度も内覧対応できない

といったケースです。


空き家は、所有している間も管理が必要です。

屋根や外壁の劣化、庭木や雑草、害虫・害獣、雨漏りなどに対応する必要があります。

仲介でより高く売れる可能性があっても、1年間売却できず、その間に管理費や修繕費が発生するのであれば、「早く手放せること」自体に経済的な価値があります。


また、買取会社によっては、残置物がある状態、建物が古い状態を前提として査定することがあります。


この場合、売主自身で家財を撤去し、リフォームしてから売る必要がない可能性があります。


ただし、何をそのまま残せるのかは会社・契約ごとに異なります。

「残置物そのままで買取」という場合も、

処分費を買取価格に織り込んでいるのか
処分できない物があるのか
売主が持ち出す必要がある物は何か

まで確認してください。


7-2. 買取会社は価格だけでなく契約条件まで比較する


買取を選ぶ場合、1社の価格だけで決める必要はありません。

同じ空き家でも、会社によって購入後の利用方法が違うため、査定額に差が出ることがあります。


中古住宅として再販売する会社、リフォームを得意とする会社、土地として再販売する会社では、物件の評価方法が異なります。


複数社へ確認する場合は、価格だけではなく同じ条件で比較してください。

確認したいのは、

・買取価格
・仲介手数料の有無
・残置物の扱い
・測量の要否
・解体の要否
・未登記建物の扱い
・契約不適合責任
・手付金
・決済時期
・契約解除条件

です。


例えばA社が1,000万円、B社が950万円だったとしても、A社は売主負担で解体200万円を求め、B社は現況のまま買い取るのであれば、B社の方が手取りは多くなります。

また、買取会社が宅地・建物の売買を業として行う会社であれば、宅地建物取引業の免許も確認します。


国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受けた宅地建物取引業者を検索できます。行政処分等については国土交通省のネガティブ情報等検索サイトなどで確認する方法もあります。


もちろん、行政処分歴の有無だけで会社の良し悪しを決めるものではありません。

しかし、売買契約の相手方となる会社がどの法人なのか、免許番号、所在地、担当者、契約条件を確認することは基本です。


特に、「今日契約すればこの価格」「他社へ相談すると価格を下げる」など、十分に比較・検討する時間を与えず契約を急がせる場合は、価格だけで決めず契約内容を確認してください。


買取会社から売買契約書案を受け取ったら、価格だけでなく、手付解除、違約金、引渡し前の滅失・損傷、境界、残置物、契約不適合責任、固定資産税等の精算、所有権移転の条件も確認します。特に「契約後に会社側だけが任意に解除できる条件」がないか、解除できる場合の要件が明確かは確認したいポイントです。


また、買取会社が現地調査を十分に行う前の「概算価格」と、社内承認後の正式な買取価格は区別してください。電話やオンラインで高い概算額を聞いても、現地確認後に価格が変わることがあります。比較するときは、どの調査まで終わった金額なのか、正式な購入申込または条件提示なのかを確認すると判断しやすくなります。


  1. まとめ|買取と仲介は「手取り・時間・負担」で選ぶ

8-1. まず仲介査定と買取価格を同じ条件で比較する


買取と仲介で迷っているなら、最初からどちらか一方に決める必要はありません。


まず現在の状態で不動産会社に査定を依頼し、

・仲介ならどの程度の価格で販売を始めるのか
・想定する成約価格帯はどこか
・販売期間中に売主が行う作業は何か
・直接買取ならいくらか
・その買取価格でどこまで現況を引き継ぐのか

を確認します。


重要なのは、「仲介査定2,000万円、買取1,500万円だから500万円損」と単純計算しないことです。

仲介査定は成約を保証する金額ではありません。


一方、買取価格も、売主が何を負担するかによって実質手取りが変わります。

そこで、比較表を作るなら、仲介では想定成約価格、仲介手数料、残置物処分、修繕、測量、解体、売却までの想定管理費、引渡条件を整理します。買取では、買取価格、仲介手数料の有無、残置物処分、測量、解体、決済時期、引渡条件を整理します。

最後に、

「手元にいくら残るか」
「いつ売却が完了するか」
「自分がどこまで対応するか」

を比較します。


仲介を選んだ場合でも、途中で方針を見直すことはできます。例えば、販売開始時に「3か月後に反響と価格を確認する」「6か月以内に成約しなければ買取も再検討する」といった判断時期をあらかじめ決めておく方法です。


期限を決めずに販売を続けると、管理費だけが増えることがあります。反対に、最初から急いで買取に決めると、市場で評価される機会を失う場合があります。売主の希望時期から逆算し、仲介に使える期間を決めておくと選択しやすくなります。


また、仲介と買取の中間的な方法として、一部の不動産会社では、一定期間仲介で販売し、期間内に売れなければ事前に定めた条件で買い取る「買取保証」を設けていることがあります。


これは法律で一律に内容が決まった制度ではなく、各社のサービスです。

利用する場合は、保証される買取価格、仲介期間、価格変更条件、対象物件、適用条件を確認してください。


8-2. 税金まで確認して最終的な売却方法を決める


買取と仲介のどちらを選んでも、不動産を売却したときの譲渡所得税等の基本的な考え方は変わりません。

売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡所得を計算し、利用できる特例があれば適用を検討します。


相続した不動産であれば、原則として被相続人の取得費と取得時期を引き継ぎます。昔の売買契約書、領収書、建築請負契約書などが残っている場合は、処分しないでください。

相続した空き家については、一定の要件を満たすと「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。


2026年9月現在、制度は一定の要件のもと2027年12月31日までの譲渡が対象です。対象家屋、相続後の利用状況、売却期限、売却代金1億円以下など複数の条件があります。

この特例は「仲介で売らなければ使えない」「不動産会社へ買い取ってもらうと使えない」という制度ではありません。誰へ売却するかだけでなく、法定の要件を満たしているかで判断します。ただし、親族や特殊な関係のある法人への譲渡など、対象外となる取引もあるため個別確認が必要です。


つまり、売却方法を選ぶときは、

・売却価格
・期間
・仲介手数料
・売却前費用
・管理負担
・契約条件
・税金

まで確認する必要があります。


価格を最優先するなら仲介を検討しやすく、時間・手間・管理負担を優先するなら買取を検討しやすいといえます。


ただし、これはあくまで基本的な考え方です。

築年数が古くても仲介で購入者が見つかる物件もあれば、状態がよくても売却期限の都合から買取の方が売主に合うケースもあります。


空き家の売却で大切なのは、「買取か仲介か」を先に決めることではありません。

まず物件の状態と売主の希望を整理し、

・いくらで売りたいのか
・いつまでに売りたいのか
・売却までどれだけ費用を負担できるのか
・管理をどれだけ続けられるのか
・どこまで自分で片付け・修繕できるのか

を明確にします。


そのうえで、仲介で市場へ出した場合と、買取の場合の条件を同じ基準で比較してください。

「高く売ること」と「負担を減らして早く手放すこと」は、どちらが正解というものではありません。

自分が何を優先するのかを決め、最終的な手取り、時間、契約条件まで比べることが、空き家の売却方法を選ぶうえで最も重要です。

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株式会社Wakka

住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

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