富士宮市の市街化調整区域の土地は売れる?建築・接道・農地の注意点を解説

query_builder 2026/09/21
富士宮市の市街化調整区域の土地は売れる?建築・接道・農地の注意点を解説

富士宮市の市街化調整区域の土地は売れる?建築・接道・農地の注意点を解説


富士宮市で土地や中古住宅を売却しようとしたとき、登記や都市計画を調べて初めて、

「この土地は市街化調整区域です」

と分かることがあります。


すると、

「市街化調整区域は売れないのではないか」

「家が建っているなら、買主も建て替えできるのか」

「更地なら住宅を建てられるのか」

「前面道路が細いが問題ないのか」

「畑を住宅用地として一緒に売れるのか」

といった疑問が出てきます。


結論からいうと、市街化調整区域にある土地や建物でも、売買そのものが一律に禁止されているわけではありません。


ただし、市街化調整区域は「市街化を抑制すべき区域」であり、都市計画法によって新築・改築・用途変更や開発行為が強く制限されています。富士宮市も、市街化調整区域では原則として開発や建築行為が制限されると案内しています。


そのため、売却できるかどうかを考えるときには、

「所有権を移転できるか」

と、

「買主がその土地を何に使えるか」

を分けて考える必要があります。


例えば、市街化調整区域内に合法的に建てられた中古住宅であっても、過去にどのような許可で建築されたかによっては、第三者がそのまま同じように利用できるとは限りません。

農家住宅や分家住宅など、人や用途に関する条件を前提として許可された建物では、購入者が変わることで都市計画法上の新たな許可が必要になる場合があります。富士宮市の開発許可制度の手引でも、線引き後に許可等を受けた農家住宅・分家住宅等について、相続人以外の者による利用には一定の条件・許可が関係することが示されています。


反対に、市街化調整区域であっても、既存宅地の確認を受けた土地、都市計画法上適法に建築された既存建物の建替え、一定の指定大規模既存集落制度など、条件を満たせば建築できるケースがあります。


さらに、建築できるかどうかは都市計画法だけでは決まりません。

建築基準法上の道路へ接しているか、接道長さは足りているか、農地であれば農地法上の転用許可が得られるか、農振農用地であれば農用地区域からの除外が可能かなど、複数の制度を重ねて確認する必要があります。


つまり、

市街化調整区域だから売れない

でも、

今、家が建っているから誰でも建て替えできる

でもありません。


最も重要なのは、その土地・建物が**「どのような根拠で現在利用されているか」**を確認することです。


この記事では、富士宮市の市街化調整区域にある土地・中古住宅を売却するときに知っておきたい、

・市街化調整区域とは何か
・土地そのものは売却できるのか
・中古住宅は第三者へ売れるのか
・建替え・新築ができる条件
・過去の開発許可・建築許可の調べ方
・接道義務と42条道路
・私道や里道を通る場合の注意点
・農地法3条・4条・5条
・農振農用地の除外
・売却前に調べる具体的な順番

まで、不動産売却の実務に沿って解説します。


株式会社Wakka

株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、静岡県富士宮市・富士市を含む地域で、不動産売買、土地、中古住宅、空き家、相続不動産、農地付き住宅などの相談に対応しています。


市街化調整区域の物件では、通常の土地査定だけでは売却価格を判断できないことがあります。


同じ面積の土地でも、

住宅を建築できる土地
一定の人だけ建築できる土地
既存建物なら利用できる土地
農地転用が必要な土地
接道条件を満たしていない土地

では、購入できる人や利用方法が異なるからです。


株式会社Wakkaでは、「調整区域なので安く売る」と最初から決めるのではなく、都市計画法上の許可履歴、道路、農地、境界、通行などを確認し、どのような売却方法が考えられるか整理することを重視しています。


必要に応じて、司法書士、土地家屋調査士、行政手続に対応する専門家、税理士、弁護士等との連携も検討します。


また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。協定は富士宮市の行政制度を代行するものではありませんが、行政上の制度と不動産実務を分けて確認し、問題を整理してから売却・活用へつなげるという考え方は、富士宮市の市街化調整区域にある不動産についても同じです。


株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064


目次


  1. 富士宮市の市街化調整区域の土地は売却できる?

    1. 市街化調整区域でも売買そのものは可能

    2. 売れるかどうかは「買主が何に使えるか」で変わる

  2. 富士宮市の市街化調整区域とは?

    1. 市街化区域と市街化調整区域の違い

    2. 過去の許可履歴を確認することが重要

  3. 市街化調整区域で住宅は建築・建替えできる?

    1. 都市計画法29条・43条と60条適合証明

    2. 既存住宅・分家住宅・指定大規模既存集落の注意点

  4. 接道していれば建築できる?道路の確認方法

    1. 建築基準法42条道路へ原則2m以上接道

    2. 私道・里道・水路・43条2項の扱いを確認する

  5. 市街化調整区域の農地を売るときの注意点

    1. 農地法3条・4条・5条を区別する

    2. 農振農用地なら農振除外・地域計画も確認する

  6. 売却前にどこまで調査すればよい?

    1. 富士宮市で確認する具体的な調査先

    2. 登記・公図・道路・許可履歴を一つにつなげて見る

  7. 市街化調整区域の土地を売る方法

    1. 中古住宅・宅地・農地・山林で買主を分けて考える

    2. 「住宅建築可」と安易に広告しない

  8. まとめ|市街化調整区域は「売れない土地」ではなく「条件確認が重要な土地」

    1. 売却前の確認手順

    2. 専門家ごとの役割とWakkaの考え方

1. 富士宮市の市街化調整区域の土地は売却できる?


1-1. 市街化調整区域でも売買そのものは可能


市街化調整区域という言葉を見ると、

「土地を売買してはいけない区域」

と思われることがあります。


しかし、市街化調整区域は土地の所有権移転自体を一律に禁止する制度ではありません。

都市計画法が主に制限しているのは、開発行為や建築物の新築・改築・用途変更などです。都市計画法43条も、市街化調整区域における建築物の新築・改築・用途変更等について規制を設けています。


そのため、宅地や山林などについて、売主から買主へ所有権を移転すること自体は可能です。


ただし、その土地に農地が含まれている場合は別です。


農地を農地として売るなら農地法3条、農地を宅地や駐車場などへ転用しながら売るなら農地法5条など、農地法上の許可・届出が関係します。


つまり、

市街化調整区域だから所有権移転できない

のではなく、

買主が取得後に予定している利用が都市計画法・農地法等で認められるか

が重要です。


例えば、買主が、

・資材置場として使いたい
・住宅を建てたい
・店舗を建てたい
・既存住宅に住みたい
・農地として耕作したい

のでは、それぞれ必要な確認が変わります。

売買契約を締結できることと、買主の目的を実現できることを混同しないことが重要です。


1-2. 売れるかどうかは「買主が何に使えるか」で変わる


不動産価格は、土地面積だけでは決まりません。

特に市街化調整区域では、

どの用途で利用できるか

が市場性に大きく影響します。


例えば、同じ500㎡の土地でも、

誰でも一定の条件で住宅建築を検討できる土地

と、

特定の許可要件を満たす人しか住宅を建てられない土地

では、購入を検討できる人の数が違います。


また、現在中古住宅が建っている場合でも、

都市計画法上適法な一般住宅なのか、
農家住宅なのか、
分家住宅なのか、
指定大規模既存集落制度等の許可を受けた住宅なのか

によって、第三者が購入した後の利用条件が異なる可能性があります。


したがって、市街化調整区域の査定では、

「土地が○坪あるので○万円」

だけでは不十分です。

建築・用途変更の可能性まで確認して初めて、どのような買主へ販売できるかが見えてきます。


2. 富士宮市の市街化調整区域とは?


2-1. 市街化区域と市街化調整区域の違い


富士宮市は富士市とともに岳南広域都市計画区域を構成しており、市街化区域と市街化調整区域を区分する「線引き」が行われています。


市街化区域は、すでに市街地を形成している区域や、今後、優先的かつ計画的に市街化を図る区域です。


一方、市街化調整区域は、自然環境や農業などを保全するため、市街化を抑制する区域です。


そのため、市街化調整区域では、原則として開発や建築行為が制限されています。

ただし、富士宮市内のすべてが市街化区域・市街化調整区域のどちらかに入っているわけではありません。


富士宮市公式案内では、富士山の国有林や旧芝川町区域の大晦日、天子ケ岳等について都市計画区域外とされています。


したがって、不動産調査では、

富士宮市だから調整区域

と判断するのではなく、地番ごとに都市計画区域・区域区分を確認します。

また、市街化調整区域には原則として用途地域が定められていませんが、それを「何でも建てられる区域」と誤解してはいけません。


用途地域による制限以前に、都市計画法の立地規制によって建築できる用途自体が制限されるからです。


2-2. 過去の許可履歴を確認することが重要


市街化調整区域に既に建物がある場合、その建物が、

・いつ
・何の用途で
・どの許可、証明を根拠として

建てられたのかを調べることが非常に重要です。


富士宮市では、市街化調整区域内の土地建物について、

・都市計画法43条の建築許可
・都市計画法施行規則60条の適合証明
・既存宅地の確認

などの有無を確認できる仕組みがあります。


所有者本人または委任状を持参した人であれば、全部事項証明書や公図で土地建物を特定したうえで、許可年月日、番号、予定建築物の用途などについて窓口協議ができます。


これは売却実務上、非常に重要です。

なぜなら、建物登記だけを見ても、

「この住宅が市街化調整区域でどの制度を使って建てられたか」

までは分からないことがあるからです。


例えば、登記事項証明書に「居宅」と書かれていても、都市計画法上は農家住宅や分家住宅として許可されている場合があります。

そのまま第三者へ「普通の中古住宅」として売却し、買主が自由に使えると説明してしまうと、購入後に用途変更等の問題が発覚する可能性があります。


市街化調整区域の中古住宅は、

登記上の用途

だけでなく、

都市計画法上の許可内容

まで確認することが重要です。


3. 市街化調整区域で住宅は建築・建替えできる?


3-1. 都市計画法29条・43条と60条適合証明


市街化調整区域で建築を考えるとき、まず「開発行為」があるかを確認します。


開発行為とは、建築物等を建築する目的で土地の区画・形状・性質を変更することです。富士宮市もこの考え方に基づき、許可不要の場合を除いて開発許可を求めています。


開発行為を伴う場合には、原則として都市計画法29条の開発許可を検討します。


一方、開発許可を受けた開発区域以外の市街化調整区域で、新築・改築・用途変更などを行う場合には、許可不要とされる場合を除き、都市計画法43条の建築許可が必要になります。


ここで重要なのは、

市街化調整区域では一切建築できない

というわけではないことです。


富士宮市は、許可不要となる建築行為の主な例として、

・都市計画法上適法な建築物の建替え・増築
・農林漁業者用住宅
・農林漁業用施設

などを案内しています。


ただし、許可が不要な建築行為を行う場合にも、富士宮市では都市計画法施行規則60条の適合証明申請が必要と案内しています。


また、現在建っている住宅なら、どのような建替えでも許可不要というわけではありません。


富士宮市の開発許可制度の手引では、都市計画法上適法に使用されている既存建築物について、従前敷地内で同一用途・規模・構造等の一定の建替えは許可不要とされる一方、規模を大きくする、戸数・階数を増やす、用途を変更する、敷地を拡大するといった場合には許可が必要となるケースが示されています。


そのため、売却時には、

「建替えできます」

だけでなく、

どの範囲・用途なら建替え可能性があるのか

まで確認する必要があります。


3-2. 既存住宅・分家住宅・指定大規模既存集落の注意点


中古住宅の売却で特に注意したいのが、建築許可に「人」に関する条件が付いているケースです。


富士宮市の開発許可制度の手引では、線引き後に許可等を受けて建築された農家住宅や農家等の分家住宅などについて、原則として相続人を除く第三者がそのまま利用できないケースがあることが示されています。


一定のやむを得ない事情があり、譲受人側にも住宅を必要とする事情がある場合などには、都市計画法43条1項の許可を受けることで利用できる場合がありますが、

売却すれば誰でもそのまま住める

とは限りません。


これは市街化調整区域の中古住宅査定で非常に重要なポイントです。

また、富士宮市には「指定大規模既存集落制度」があります。


一定の指定区域内で、地域居住歴などの要件を満たす人が自己用一戸建専用住宅を建てるための制度です。


現行の概要では、

・自己用一戸建専用住宅
・敷地面積200㎡以上300㎡以下
・建ぺい率50%以下
・容積率80%以下
・高さ10m以下
・原則として幅員4m以上の道路へ4m以上接する

などの条件があり、申請者についても地域でのおおむね10年以上の居住、自己用住宅を有していないことなどの要件があります。


つまり、

「指定大規模既存集落の区域内だから誰でも住宅を建てられる」

という制度ではありません。


土地が制度の区域内かどうかだけでなく、

買主本人が要件を満たすか

まで確認しなければなりません。


このように市街化調整区域では、土地だけを見て建築可否を判断できないケースがあります。


4. 接道していれば建築できる?道路の確認方法


4-1. 建築基準法42条道路へ原則2m以上接道


都市計画法上の建築条件をクリアしても、それだけで建物を建てられるとは限りません。

次に建築基準法上の道路・接道条件を確認します。


建築基準法43条では、建築物の敷地は原則として、建築基準法上の道路へ2m以上接しなければならないとされています。


そして建築基準法上の「道路」は、単に人や車が通れる道という意味ではありません。

富士宮市も、建築基準法42条に基づき、

・道路法による国道・県道・市道など
・都市計画法等によって造られた道路
・建築基準法施行時から存在する一定の道路
・位置指定道路
・42条2項のいわゆる「みなし道路」

などを案内しています。


したがって、

幅員が4mある

だけで建築基準法上の道路になるとは限りません。


反対に、4m未満でも42条2項道路として指定されていれば、セットバックなどを前提として建築できる可能性があります。


市街化調整区域の土地を売る場合には、

都市計画法上住宅を建てられる可能性があること

と、

建築基準法上の接道条件を満たしていること

を別々に確認してください。


4-2. 私道・里道・水路・43条2項の扱いを確認する


富士宮市の郊外では、敷地までの進入路について、

・私道
・農道
・里道
・水路に架けた橋
・第三者所有地

が関係する場合があります。


ここでも、

今まで車で通れているから大丈夫

とは限りません。


まず、その道が建築基準法42条道路に該当するか確認します。


42条道路ではない場合でも、建築基準法43条2項の認定・許可によって接道義務の例外が認められることがあります。


富士宮市は43条2項1号の認定基準を定めており、水路を橋や蓋で横断するケースや、一定の基準に適合する道に接するケースなどについて条件を示しています。


ただし、個別の認定・許可が前提です。


さらに、建築基準法上の問題とは別に、

・私有地を通る権利があるか
・車両通行できるか
・給水管等の工事で掘削できるか

という私法上の問題もあります。


富士宮市では、里道・水路や農道・農業用水路など、道路法等が適用されない公共物を「法定外公共物」として案内し、境界確認、用途廃止、管路設置などについて市管理課への相談窓口を設けています。


つまり、道路調査では、

建築基準法上の道路種別

だけでなく、

・所有者
・管理者
・通行
・掘削
・水路占用

まで確認すると、売却後のトラブルを減らしやすくなります。


5. 市街化調整区域の農地を売るときの注意点


5-1. 農地法3条・4条・5条を区別する


市街化調整区域の土地では、地目が「田」「畑」になっていることも少なくありません。

農地は一般の宅地とは別に農地法の規制を受けます。


まず大きく分けると、


農地法3条

農地を農地のまま売買・貸借する場合。


農地法4条

自分の農地を、自分で農地以外の用途へ転用する場合。


農地法5条

売買・賃貸など権利移動と同時に農地以外へ転用する場合。

です。


例えば、市街化調整区域の畑を、

買主がそのまま畑として取得して耕作する

のであれば、原則として3条許可を検討します。


一方、

買主が住宅を建てるため畑を宅地にする
駐車場として使う
資材置場にする

のであれば5条許可等を検討します。


静岡県と富士宮市の現行案内では、市街化調整区域内の農地転用は原則として許可の対象です。


これに対し市街化区域内の農地転用は、農業委員会への事前届出により許可を要しない制度となっています。


つまり、

富士宮市の農地

というだけで一律ではありません。

市街化区域か、市街化調整区域かによって農地転用手続も変わります。


5-2. 農振農用地なら農振除外・地域計画も確認する


さらに重要なのが「農振農用地」です。

農業振興地域整備計画の中で、特に農業のために利用すべき土地として指定されている「農用地区域」は、一般に「青地」と呼ばれます。


この区域内の農地を住宅、駐車場、事業用地などへ転用したい場合には、原則として農地転用許可の前に農用地区域からの除外、いわゆる「農振除外」が必要になります。


富士宮市は、農振除外について、

・他に代替できる土地がないこと
・農業上の利用に支障がないこと
・農地の集団性等を損なわないこと
・土地改良施設へ支障を与えないこと
・一定の土地改良事業完了後8年を経過していること

など、農振法に基づく要件を示しています。


さらに2026年時点では、地域計画内に位置付けられている農地について、農振除外や農地転用に先立ち、地域計画から外すための変更手続が必要となる場合があります。


ここで重要なのは、

都市計画法で建築許可の見込みがある

からといって、

農地転用も認められる

とは限らないことです。


逆も同じです。


市街化調整区域の農地を住宅用地として販売する場合には、

・都市計画法
・建築基準法
・農地法
・農振法
・地域計画

を一体で確認する必要があります。


一つの部署で「可能性があります」と言われただけで「住宅建築可能」と判断しないことが重要です。


6. 売却前にどこまで調査すればよい?


6-1. 富士宮市で確認する具体的な調査先


市街化調整区域の売却では、役所調査の順番が重要です。

まず、富士宮市都市計画課で、

・市街化区域・市街化調整区域の別
・過去の43条建築許可
・60条適合証明
・既存宅地確認
・開発許可の有無
・予定建築物の用途

などを確認します。


過去の許可内容について正確な協議を受けたい場合は、所有者本人または委任を受けた人が、登記事項証明書と公図を用意して相談すると整理しやすくなります。

次に、建築住宅課で建築基準法上の道路種別を確認します。


確認するのは、

・42条何項何号の道路か
・道路幅員
・接道長さ
・2項道路ならセットバック
・42条道路でなければ43条2項の可能性

などです。


農地がある場合は農業委員会へ確認します。

農振農用地の該当については農業政策課への確認が必要です。

また、里道・水路などの法定外公共物が関係する場合は、市の管理課が確認先になります。

山林を造成・開発する場合には、規模や森林の指定状況によって森林法上の手続が関係するため、静岡県富士農林事務所などへの確認が必要になる場合もあります。


このように、市街化調整区域は一つの窓口だけで調査が終わらないことがあります。


6-2. 登記・公図・道路・許可履歴を一つにつなげて見る


役所調査へ行く前には、最低限、

・土地の登記事項証明書
・建物の登記事項証明書
・公図

を準備しておくと確認しやすくなります。


必要に応じて、

・地積測量図
・建物図面
・過去の建築確認資料
・開発許可書
・43条許可書
・60条適合証明
・農地転用許可書
・通行承諾書

なども探します。


ここで重要なのは、資料を別々に見るのではなく、

一つの土地利用の経緯としてつなげること

です。


例えば、

・登記上は「宅地」
・現在は中古住宅が建っている
・接道もしている

というだけなら、一見問題がなさそうです。


しかし都市計画課で確認すると、

分家住宅として許可された建物

だったとします。


すると第三者へ売却した後、その人が住宅として利用するために新たな都市計画法上の手続が必要になる可能性があります。


反対に、

市街化調整区域の更地

でも、既存宅地確認を受けているなど、建築可能性を検討できる資料が残っている場合があります。


だからこそ、市街化調整区域では、

現況だけで査定しない

ことが重要です。


7. 市街化調整区域の土地を売る方法


7-1. 中古住宅・宅地・農地・山林で買主を分けて考える


市街化調整区域の土地は、一般的な住宅地と同じ売り方が適しているとは限りません。

まず「誰が買う可能性があるか」を整理します。


既存住宅がある場合

第三者が住宅として利用できる条件を確認し、中古住宅として販売します。

建替え条件も確認できれば、買主にとって判断材料になります。


建築可能性のある更地

どの許可基準でどの用途が検討できるのかを確認し、根拠を示して販売します。


農地

農地として取得できる人に売るのか、転用を前提とするのかを分けます。


隣接地との一体利用が有効な土地

単独利用が難しい土地は、隣接所有者への売却が現実的な場合があります。


山林・事業用候補地

住宅だけでなく、事業目的で検討されることもありますが、造成、森林、景観、自然公園、土砂等の埋立てなど別の規制が関係する可能性があります。


重要なのは、

市街化調整区域だから安く出す

ではなく、

どのような利用価値が法的に確認できるか

を整理してから価格を考えることです。


利用可能性が明確になれば購入対象者を絞りやすくなります。


一方、用途が不明なまま「何でもできます」と販売すると、契約直前に買主の計画が実現できないと分かり、取引が止まる原因になります。


7-2. 「住宅建築可」と安易に広告しない


市街化調整区域の販売で特に慎重に扱いたいのが、

「住宅建築可」
「建替え可能」
「店舗可能」
「資材置場可」

といった表示です。


例えば都市計画法上は住宅を検討できる土地でも、

・接道条件を満たさない
・農地転用ができない
・農振除外できない
・買主本人が許可要件を満たさない

という可能性があります。


そのため販売時には、

何が確認済みなのか
どの許可が必要なのか
買主の属性によって結果が変わるのか

を区別して説明します。


また、農地転用許可や開発許可の取得を前提として売買する場合には、

許可が得られなかったときに契約をどうするか

を契約条件で明確にすることも重要です。


既存住宅についても同様です。

「現在住める」という事実と、

「買主が適法に引き続き利用できる」

という都市計画法上の判断を分けて確認します。


市街化調整区域の売却では、広告を魅力的に見せること以上に、

利用条件を正確に説明すること

が重要です。


また、市街化調整区域の中古住宅では、買主が住宅ローンを利用する場合にも早めの確認が必要です。


都市計画法上の許可関係、再建築の条件、接道状況などは金融機関の担保評価や融資審査でも確認されることがあります。売主と買主の間で「このまま住めるから問題ない」と合意していても、金融機関が同じ評価をするとは限りません。


そのため、買主が融資を利用する予定なら、

・過去の許可関係が確認できる資料
・建築確認・検査済証等が残っているか
・道路種別
・再建築・用途変更に関する行政確認

などをできるだけ早い段階で整理しておくことが実務上有効です。


また、農地転用や都市計画法上の許可を前提として契約する場合には、許可申請の主体、申請期限、許可が得られなかった場合の白紙解除、手付金の返還などを契約書で明確にしておきます。


買主の希望用途が「住宅」から「資材置場」「事業所」などへ変われば必要な手続も変わる可能性があります。


したがって市街化調整区域では、購入申込書を受け取る段階から、

誰が、何のために買うのか

を通常の土地売買以上に具体的に確認することが重要です。


さらに、売買価格が800万円以下の宅地・建物について宅地建物取引業者が媒介する場合には、2024年7月1日からの「低廉な空家等」の媒介報酬特例が関係することがあります。

依頼者一方から受けられる報酬上限は、媒介に要する費用を勘案して30万円+消費税、消費税率10%なら33万円までです。


これは必ず33万円となる制度ではなく、法定上限の範囲で媒介契約時に報酬額を確認します。


8. まとめ|市街化調整区域は「売れない土地」ではなく「条件確認が重要な土地」


8-1. 売却前の確認手順


富士宮市の市街化調整区域にある土地・中古住宅を売却するときは、次の順番で確認すると整理しやすくなります。


1.登記を確認する

土地・建物の所有者、地目、面積、抵当権等を確認します。


2.公図・地積測量図を確認する

敷地、道路、農地、里道、水路、隣接地の位置関係を確認します。


3.区域区分を確認する

市街化区域、市街化調整区域、都市計画区域外のどこかを確認します。


4.過去の都市計画法上の許可を調べる

43条許可、60条適合証明、既存宅地確認、開発許可等の有無と用途を確認します。


5.建築基準法上の道路を調べる

42条道路か、接道長さが足りるか、43条2項の確認が必要かを調べます。


6.農地を確認する

田・畑があれば3条、4条、5条、農振農用地、地域計画等を確認します。


7.境界・通行を確認する

第三者所有地や私道を通る場合には通行・掘削条件も確認します。


8.買主の利用目的を想定して査定する

中古住宅、住宅用地、農地、事業用地など、利用方法に応じて市場性を考えます。


この順番で調べると、

「売りに出してから住宅が建てられないと分かった」

「買主が決まってから農振農用地だと分かった」

「中古住宅として契約直前まで進んだ後、分家住宅の許可だったことが分かった」

といった事態を減らせます。


市街化調整区域の土地は、調査に時間がかかることがあります。


しかし、その調査によって、

建築できないと思っていた土地に許可の可能性がある

反対に、

普通の中古住宅だと思っていた建物に利用条件がある

と分かることもあります。


売却価格を決める前に、土地の「使える範囲」を確認することが重要です。


8-2. 専門家ごとの役割とWakkaの考え方


市街化調整区域の不動産では、複数の専門分野が関係します。


不動産会社

査定、役所調査、販売方法の検討、媒介、広告、購入希望者との条件調整、売買契約の実務を担当します。


司法書士

所有権移転、相続登記、抵当権抹消等の権利登記を扱います。


土地家屋調査士

境界・測量、土地分筆、地積更正、建物表題登記等を扱います。


行政書士等

都市計画法や農地法などについて、資格・業務範囲に応じて行政手続の書類作成や申請代理等を行う場合があります。ただし、不動産の権利登記を代理する専門家として説明するものではありません。


税理士

売却時の譲渡所得税等について相談・申告を行います。


弁護士

通行権、所有権、契約、境界など法律上の紛争がある場合の相談先です。

富士宮市の市街化調整区域にある土地について、

家があるから売れるだろう。

更地だから何か建てられるだろう。

農地でも転用すればよいだろう。

と推測だけで進めることはおすすめできません。


一方、

調整区域だから価値がない

と最初から判断する必要もありません。


株式会社Wakkaでは、

登記を確認する

都市計画法上の履歴を調べる

接道を調べる

農地・農振等を確認する

買主が実現できる利用方法を整理する

その条件に合う販売方法を考える

という順番を重視しています。


株式会社Wakkaが南部町との空き家対策に関する協定で重視している「売却前に問題点を整理し、次の利用につなげる」という考え方は、富士宮市の市街化調整区域でも共通します。


市街化調整区域の土地を相続した。

・古い家が建っている。

・畑も一緒に付いている。

・前面道路が私道になっている。

・昔の許可書が見つからない。

・買主が住宅を建てられるのか分からない。

このような状態でも、売却相談を始めることはできます。


先に土地を造成したり、農地を埋め立てたり、古家を解体したりするのではなく、まず法的な利用条件を確認してください。


市街化調整区域では、

何を所有しているか

だけではなく、

何に利用できる土地なのか

を把握することが、売却を進める最初の一歩です。


株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064


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株式会社Wakka

住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064

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