土地の一部に他人名義の土地がある場合は売却できる?境界・越境・権利関係の整理方法

土地の一部に他人名義の土地がある場合は売却できる?境界・越境・権利関係の整理方法

土地の一部に他人名義の土地がある場合は売却できる?境界・越境・権利関係の整理方法


相続した実家や土地を売却するために公図や登記事項証明書を調べたところ、

「自分の敷地だと思っていた場所に、別の人の地番がある」

「庭の一部だけ他人名義になっている」

「道路から家までの進入路の一部が第三者所有地だった」

「建物の屋根や塀が隣地へはみ出している」

「水道管や排水管が隣の土地を通っている」

と分かることがあります。


特に、昔から親族間で土地を使ってきた住宅、境界標がなくなっている古い宅地、複数の地番で構成される地方の住宅、相続を繰り返してきた土地などでは、現在利用している敷地と登記上の土地の範囲が一致していないことがあります。


では、土地の一部に他人名義の土地が含まれていた場合、その不動産は売却できないのでしょうか。


結論からいうと、第三者名義の土地が関係していても、自分が所有している土地や建物を売却すること自体が直ちにできなくなるわけではありません。


ただし、自分が所有していない土地を、自分の土地として買主へ売ることはできません。


また、その第三者所有地が、

・住宅の庭の一部なのか
・建物の下にあるのか
・道路への進入路なのか
・駐車場として使っているのか
・給排水管が通っている場所なのか

によって、買主が不動産を利用できるかどうかが大きく変わります。


そのため、

「他人名義の土地がある=売却できない」

でも、

「少しだけだから無視して売ればよい」

でもありません。


まず、

  1. どの土地を自分が所有しているのか
  2. 他人名義の土地はどこにあるのか
  3. 現地の境界と登記上の筆界はどこなのか
  4. その土地をどのような根拠で使用しているのか
  5. 建物・塀・配管等の越境があるのか
  6. 第三者所有地を買わなくても住宅として利用できるのか

を確認する必要があります。


また、「境界」についても注意が必要です。


日常会話では一つの言葉として使いますが、不動産実務では、登記された土地の区画を示す「筆界」と、所有権が実際にどこまで及ぶかを示す「所有権界」を区別することがあります。


長年の土地利用、昔の売買、取得時効などの事情により、両者が一致していない場合もあるからです。


この記事では、

・敷地の中に他人名義の土地がある場合に売却できるのか
・公図や地積測量図はどのように確認するのか
・境界と筆界は何が違うのか
・第三者所有地を使用している場合の整理方法
・建物や塀が越境している場合
・進入路が他人名義の場合
・給排水管が第三者の敷地を通っている場合
・土地を買い取る、借りる、地役権を設定する方法
・筆界特定制度を使うケース
・取得時効を安易に判断してはいけない理由

まで、不動産会社の視点から分かりやすく解説します。


株式会社Wakka


株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、空き家、相続不動産、中古住宅、土地、農地付き住宅などの売買・売却相談に対応する不動産会社です。


地方の不動産では、登記事項証明書を確認するだけではなく、公図、地積測量図、道路、水路、境界、接道、隣接地所有者などまで確認しなければ、実際の利用関係が分からないことがあります。


株式会社Wakkaでは、単に査定価格を提示するだけでなく、

「なぜ第三者の土地を使っているのか」

「売却前に解決する必要があるのか」

「買主へ引き継げる権利なのか」

を整理し、必要に応じて土地家屋調査士、司法書士、弁護士等と連携しながら売却方法を検討することを重視しています。


また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。


地域の空き家を次の所有者へつなげるためには、建物だけでなく、境界、進入路、未登記建物、相続登記、農地、残置物など、行政制度だけでは完結しにくい不動産実務上の課題を整理することも重要です。


株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064


目次


  1. 土地の一部に他人名義の土地があっても売却できる?
    1. 自分の土地は売れるが、他人の土地までは売れない
    2. 他人名義部分の場所・用途によって問題の大きさが変わる
  2. 最初に確認する公図・登記・地積測量図
    1. 「住所」ではなく地番ごとに土地を確認する
    2. 公図だけで現地境界を確定したと考えない
  3. 「境界」「筆界」「所有権界」の違い
    1. 筆界は登記された土地の区画
    2. 境界が分からない場合は測量・筆界特定を検討する
  4. 敷地内に第三者名義の土地がある場合の解決方法
    1. 買取り・賃貸借・地役権などを比較する
    2. 長年使っているだけで自分の土地になるとは限らない
  5. 建物・塀・屋根などが越境している場合
    1. 自分から隣地への越境と隣地からの越境を分ける
    2. 越境を残して売るなら合意内容を明確にする
  6. 進入路・水道管・排水管が他人の土地を通る場合
    1. 通行できていることと権利があることは別
    2. ライフラインの配管も売却前に確認する
  7. 土地の一部に他人名義がある不動産を売る具体的な流れ
    1. 登記調査・測量・権利整理から販売まで
    2. 売却前に直すものと買主へ引き継ぐものを分ける
  8. まとめ|第三者名義の土地があっても順番に整理する
    1. 不動産会社・土地家屋調査士・司法書士・弁護士の役割
    2. 「他人名義だから売れない」と決める前に全体を確認する

1. 土地の一部に他人名義の土地があっても売却できる?


1-1. 自分の土地は売れるが、他人の土地までは売れない


まず基本となる考え方です。

自分が所有する土地については、原則として自分の意思で売却できます。


民法上も、所有者は法令の制限の範囲内で自分の所有物を使用・収益・処分する権利を持っています。


しかし、敷地の一部が第三者所有であれば、その部分まで自分の所有物として売ることはできません。


例えば、現況では一つの住宅敷地に見えていても、登記上は、

100番1 売主所有 300㎡
100番2 第三者所有 30㎡
100番3 売主所有 200㎡

という状態になっていることがあります。


売主が所有しているのは100番1と100番3です。


100番2については、その所有者から所有権を取得しない限り、売主から買主へ所有権を移すことはできません。


したがって、最初に確認したいのは、

「第三者名義の土地があるか」

だけではなく、

「その土地が住宅利用にどの程度必要なのか」

です。


例えば敷地の端にあり、住宅利用へほとんど影響しない30㎡であれば、第三者所有地を売買対象から外して売却できる可能性があります。


一方、その30㎡が、

道路と住宅を結ぶ唯一の進入路

であれば問題の意味が大きく変わります。


第三者の土地を通行できなければ、買主が住宅へ車で入れない可能性があるからです。


1-2. 他人名義部分の場所・用途によって問題の大きさが変わる


第三者名義の土地が関係する代表的なケースを整理すると、次のようになります。


ケース1 庭の一部が第三者名義

住宅や接道には影響せず、庭の一角だけ別所有者になっているケースです。


ケース2 建物の一部が第三者土地にかかっている

建物の基礎、軒、屋根、庇などが第三者所有地へ越境している場合です。


ケース3 駐車場が第三者名義

現在当然のように駐車していても、所有権・賃貸借・使用貸借等の利用根拠を確認する必要があります。


ケース4 進入路の途中が第三者名義

住宅の利用価値に大きく影響します。車両通行を含めた通行権限の確認が重要です。


ケース5 水道・排水管が第三者土地を通っている

地表からは分かりにくい問題です。購入後の修理や管の交換まで考えておく必要があります。


ケース6 公図上では第三者土地だが、現地では境界が分からない

測量や過去の資料を確認しないと、実際にどこまでが第三者所有地なのか分からないケースです。


このように、同じ「他人名義の土地がある」という問題でも、対応方法は大きく異なります。


2. 最初に確認する公図・登記・地積測量図


2-1. 「住所」ではなく地番ごとに土地を確認する


土地を調査するときには、普段使っている住所だけで判断しません。

法務局では土地を「地番」という単位で管理しています。


例えば住所が、

南部町○○123番地

であっても、実際には、

123番1
123番2
124番
125番3

など複数の土地から敷地が構成されている場合があります。


まず取得したい資料として、

・土地の登記事項証明書
・公図または地図
・地積測量図
・建物の登記事項証明書
・建物図面

などがあります。


法務局では2026年現在、登記事項証明書だけでなく、地図証明書や地積測量図等もオンラインで交付請求できます。


登記事項証明書では、

・所有者
・地目
・地積
・抵当権など

を確認します。


公図では、土地同士の位置関係を確認します。


地積測量図が存在すれば、その土地の形状、境界点、辺長、座標等を確認できる場合があります。


ただし、すべての土地に現在の精度の地積測量図が備わっているとは限りません。


特に古い土地では、地積測量図自体が存在しない場合や、現在の測量成果と比較すると精度が十分でない場合があります。


2-2. 公図だけで現地境界を確定したと考えない


公図を取得すると、

「ここに線があるから、この場所が境界だ」

と考えがちです。


しかし、公図は土地同士の位置関係を確認する重要な資料ではあるものの、縮尺・精度や作成年代等によって、現地の境界位置をそのまま正確に示しているとは限りません。


売却物件について境界を正確に確認する必要がある場合は、

・公図
・地積測量図
・過去の測量図
・境界確認書
・現地の境界標
・ブロック塀や石積み
・過去の売買資料

などを総合的に確認します。


実際の測量や筆界確認は土地家屋調査士の専門分野です。


例えば、

公図上では細長い第三者土地が住宅敷地へ入り込んでいる

場合でも、

「公図がずれているだけだから問題ない」

と不動産会社や所有者だけで決めることはできません。


反対に、

「公図上で他人名義だから、現地でも必ずその位置まで他人の土地」

とも限りません。


必要に応じて現地測量を行い、登記資料と照合することが重要です。


3. 「境界」「筆界」「所有権界」の違い


3-1. 筆界は登記された土地の区画


土地の境界問題を理解するときには、「筆界」と「所有権界」の違いを知っておくと分かりやすくなります。


筆界

土地が登記されたときに、その土地と隣の土地を区画するものとして定められた線です。

筆界は所有者同士が、

「今日からこの塀の位置を筆界にしましょう」

と合意しただけで自由に変更できるものではありません。


所有権界

実際に土地所有権がどこまで及んでいるかを示す境目です。

通常は筆界と所有権界が一致しています。


しかし、

昔、土地の一部だけ売買した
土地の一部を交換した
長年の占有によって取得時効が問題になっている

などの事情により、一致しないことがあります。


そのため、

「隣地所有者と境界位置で合意した」

というだけで法務局上の筆界そのものが変わるわけではありません。


土地の一部を実際に売買するのであれば、状況に応じて分筆登記や所有権移転登記等が必要になります。


3-2. 境界が分からない場合は測量・筆界特定を検討する


土地家屋調査士による調査・測量を行っても、隣接所有者との間で筆界について認識が一致しない場合があります。


その場合に検討できる制度の一つが「筆界特定制度」です。


筆界特定制度は、土地所有者等からの申請に基づき、法務局の筆界特定登記官が、土地家屋調査士等の外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、もともと存在していた筆界の位置または範囲を明らかにする制度です。


重要なのは、

筆界特定制度は、新しく境界を作る制度ではない

ということです。


さらに、

誰がどこまで土地を所有しているかという所有権界そのものを最終的に決める制度でもありません。


例えば、

筆界はここ

という法務局の判断が示されても、

「その線を越えた部分を20年以上自分の土地として占有してきたので取得時効が成立している」

という所有権の争いは別の問題です。


所有権そのものに争いがある場合は、最終的に裁判等で解決する必要が生じることがあります。


境界問題について、

測量で解決するのか
筆界特定を使うのか
当事者間の協議で解決するのか
裁判が必要なのか

は問題の内容によって変わります。


4. 敷地内に第三者名義の土地がある場合の解決方法


4-1. 買取り・賃貸借・地役権などを比較する


測量・登記調査の結果、本当に第三者所有地を住宅敷地として利用していることが分かった場合、いくつかの整理方法があります。


方法1 第三者所有地を買い取る

最も分かりやすい方法です。

例えば住宅敷地の中央に20㎡の第三者土地があるなら、その土地を所有者から買い取り、買主へ住宅敷地全体を売却します。

土地の一部だけを購入する場合には、分筆が必要になることがあります。

分筆測量・分筆登記は土地家屋調査士、所有権移転登記は司法書士の分野です。

ただし、相手に売却義務があるわけではないため、価格や条件について合意できなければ購入できません。


方法2 賃貸借契約を結ぶ

第三者所有地を継続して使用する契約を締結する方法です。

ただし、買主にも使用権を引き継げる内容なのか、契約期間、賃料、解約条件等を整理する必要があります。


方法3 地役権を設定する

地役権とは、自己の土地の便益のために他人の土地を利用する権利です。

代表例が通行地役権です。

例えば、住宅敷地から道路へ出るため第三者土地の一部を恒常的に通行する必要がある場合などです。

地役権を設定し登記することで、単なる口約束より権利関係を明確にできる場合があります。


方法4 使用承諾等を書面化する

進入路や配管などについて、所有者から使用承諾を得る方法です。

ただし、単なる個人的な承諾が土地所有者・住宅所有者の変更後にもどのように扱われるかは、文書内容や権利の性質によって異なります。

そのため売却予定がある場合は、

・新所有者への承継
・車両通行の可否
・関係業者の通行
・維持修繕時の立入り
・費用負担

などまで検討します。


4-2. 長年使っているだけで自分の土地になるとは限らない


よくあるのが、

「50年前からうちの庭として使っています。もう自分の土地ではないですか」

という疑問です。


民法には「取得時効」という制度があります。


他人の土地でも、所有の意思をもって、平穏かつ公然と一定期間占有するなどの要件を満たすと、所有権を取得できる場合があります。


原則は20年間です。


占有開始時に善意かつ無過失などの要件を満たす場合には10年間となる場合があります。

しかし、

20年使った=自動的に登記名義が自分へ変わる

という意味ではありません。


取得時効には、

・どのような意思で占有していたのか
・いつ占有を始めたのか
・所有者から借りていたのではないか
・途中で所有者を認める行為をしていないか
・時効を援用する立場にあるか

など個別の判断が必要です。


例えば、

「親戚から自由に使ってよいと言われて庭としていた」

のであれば、自分の土地として所有する意思で占有していたのかが問題になります。

取得時効を主張する場合、登記名義人が任意に協力するケースもあれば、合意できず訴訟が必要になるケースもあります。


したがって、

「長年使っているから登記は無視してよい」

と判断して売却することは避けなければなりません。


5. 建物・塀・屋根などが越境している場合


5-1. 自分から隣地への越境と隣地からの越境を分ける


「他人名義の土地が関係している」とき、所有権そのものの問題ではなく、工作物が境界線を越えているケースもあります。


代表的なのは、

・建物の屋根
・庇
・雨樋
・ブロック塀
・擁壁
・基礎
・樹木
・排水設備

などです。


まず、

自分の建物等が隣地へ越境しているのか

それとも、

隣地の建物等が自分の土地へ越境しているのか

を分けて確認します。


例えば売却する住宅の屋根が隣地へ越境している場合、買主はその状態を引き継ぐことになります。


隣地所有者から将来的に越境解消を求められる可能性も考える必要があります。

一方、隣家の屋根が売却地へ越境している場合には、買主が土地の一部を自由に利用できない可能性があります。


いずれの場合も、

「昔からこの状態なので問題ありません」

という説明だけでは不十分です。


越境している場所、範囲、経緯、隣地所有者との取決めを確認します。


5-2. 越境を残して売るなら合意内容を明確にする


すべての越境を売却前に物理的に解消できるとは限りません。

例えば築50年の住宅の屋根が数センチ越境しているものの、屋根だけを切断すると建物へ大きな影響が出る場合があります。


そのようなケースでは、隣地所有者と話し合い、

・越境していることを双方が確認する
・現状は存置する
・建替えや大規模修繕の際に越境を解消する
・所有者が変わった場合の扱い
・費用負担
・立入りや工事への協力

などを書面で整理する方法があります。


一般に「越境確認書」「越境に関する覚書」などと呼ばれることがありますが、名称より内容が重要です。


ただし、覚書を作ればどのような越境でも問題なく売れるという意味ではありません。

例えば建物本体が大きく他人の土地上へ建っている場合には、単なる越境確認書だけでは買主や金融機関が受け入れにくいことがあります。


越境の程度によって、

現況のまま引き継ぐ
売却前に撤去する
隣地を買い取る
土地使用契約を結ぶ

などを比較します。


6. 進入路・水道管・排水管が他人の土地を通る場合


6-1. 通行できていることと権利があることは別


地方の住宅で特に注意したいのが進入路です。


現地を見ると普通に道路から住宅まで車で入れるため、

「接道に問題はない」

と思っていたところ、公図を確認すると途中に第三者名義の土地がある場合があります。


例えば、

公道

第三者所有地10m

売却する住宅敷地

という状態です。


これまで所有者が黙認していたため自由に通行していたとしても、

現在通れていること

と、

買主も将来にわたって通行できる法的根拠があること

は別問題です。


まず、

・公道に接しているか
・第三者所有地を通らなければならないか
・道路としての法的位置づけ
・通行承諾書の有無
・地役権の有無
・賃貸借等の契約
・車両通行の可否

などを確認します。


民法には、他の土地に囲まれて公道へ通じない土地などについて、一定の条件で他の土地を通行できる「公道に至るための他の土地の通行権」が定められています。


ただし、

「第三者土地を通っている=必ず民法210条で自由に車両通行できる」

と単純に考えることはできません。


通行できる場所・方法は必要性や他の土地への損害等との関係で判断されます。

住宅売却では、可能であれば通行関係を書面や登記等で明確化しておく方が、買主に説明しやすくなります。


6-2. ライフラインの配管も売却前に確認する


地上では問題がなくても、地下に問題がある場合があります。

例えば、

売却住宅の水道管が隣地を通っている
排水管が第三者所有地を横断している
第三者の配管が売却地内を通っている

といったケースです。


2023年4月施行の改正民法では、他人の土地へ設備を設置したり、他人所有の設備を使用しなければ電気、ガス、水道水などの継続的な供給を受けられない場合について、一定の条件の下で必要な範囲で設備を設置・使用する権利が明文化されています。


ただし、

「法律に規定があるから、売買時に何も確認しなくてよい」

ということではありません。


設備を他人の土地へ設置する場合には、場所・方法を損害が最も少ないものとし、原則として事前通知や償金などのルールがあります。


売却物件で既存の給排水管が第三者土地を通っている場合には、

・誰の管なのか
・どこを通っているのか
・使用承諾等があるか
・故障時に掘削できるのか
・管を交換するときの費用は誰が負担するのか

を確認しておくことが重要です。


特に古い住宅では、昔の所有者同士の口頭承諾だけで配管されているケースも考えられます。


7. 土地の一部に他人名義がある不動産を売る具体的な流れ


7-1. 登記調査・測量・権利整理から販売まで


具体的な売却手順を整理します。


1.売却対象の土地をすべて確認する

固定資産税課税明細、登記事項証明書等から地番を整理します。


2.公図を取得する

所有地と隣接地の位置関係を確認します。


3.地積測量図・過去の測量資料を確認する

地積測量図があるか、過去に境界確認がされているかを調べます。


4.現地と資料を照合する

塀、境界標、建物、道路、水路、配管、駐車場等を確認します。


5.第三者名義部分の利用状況を確認する

庭なのか、道路なのか、建物敷地なのか、配管敷なのかを整理します。


6.必要なら土地家屋調査士へ測量を依頼する

現地の境界と登記資料を確認します。

境界標が見つからない、隣地所有者と認識が違う場合にも相談します。


7.利用する権利を確認する

賃貸借、使用貸借、地役権、通行承諾等があるか確認します。


8.解決方法を決める

第三者土地の買取り
賃貸借
地役権
通行承諾
越境確認書
越境物の撤去

などを比較します。


9.売却価格・条件を決める

権利関係が未解決なら、その影響を考慮して販売方法を決めます。


10.買主へ正確に説明して契約する

第三者所有地、通行、越境、配管等について、確認した内容を契約条件に反映します。

この順番にすると、

「買主が見つかった後で公図を見たら他人名義の土地が出てきた」

という事態を減らすことができます。


7-2. 売却前に直すものと買主へ引き継ぐものを分ける


権利関係に問題がある物件でも、すべてを売却前に完全解決しなければ販売相談すらできないわけではありません。


例えば、

売却前に整理した方がよい問題

・住宅への唯一の進入路に通行権限がない
・建物本体が大きく第三者土地にかかっている
・境界紛争中で土地範囲が分からない
・第三者所有地を売主所有地として広告している

などです。


一方、

条件を明確にして買主へ引き継ぐことを検討できる問題

・小規模な屋根等の越境について隣地と覚書がある
・第三者土地の通行について有効な契約や地役権がある
・配管について利用関係・修繕条件が整理されている

などがあります。


ただし、買主が住宅ローンを利用する場合には、金融機関独自の審査があります。


売主・買主が納得していても、権利関係によっては融資上の確認事項になることがあります。


そのため、

契約できるか

と、

一般の買主へ問題なく引渡しできるか

を分けて考えることが重要です。


8. まとめ|第三者名義の土地があっても順番に整理する


8-1. 不動産会社・土地家屋調査士・司法書士・弁護士の役割


土地の一部に他人名義の土地がある案件では、専門家の役割を正しく分けることが重要です。


不動産会社

・登記資料を踏まえた物件調査
・不動産査定
・売却方法の検討
・媒介・販売活動
・買主への説明
・売買条件の整理

を担当します。


土地家屋調査士

・現地測量
・筆界確認
・境界に関する調査
・土地分筆登記
・地積更正登記
・筆界特定手続の代理

などを扱います。

第三者土地がどこにあるのか分からない場合や、境界標がない場合に重要な専門家です。


司法書士

・土地の所有権移転登記
・相続登記
・抵当権抹消
・地役権等の権利登記

など、権利に関する登記を扱います。


弁護士

・所有権そのものの争い
・越境物の撤去をめぐる紛争
・取得時効の争い
・境界・通行権等の法律紛争
・交渉、調停、訴訟

が必要な場合の相談先です。


「境界の測量」と「所有権争い」は同じ問題ではありません。

土地家屋調査士が測量して筆界を明らかにしても、所有権について当事者間で争いがあれば弁護士による対応が必要になることがあります。


8-2. 「他人名義だから売れない」と決める前に全体を確認する


土地の一部に第三者名義の土地が見つかると、

「この家はもう売れない」

と不安になるかもしれません。


しかし、第三者土地があること自体だけで売却の可否は決まりません。


重要なのは、

どこにあるのか

何に使っているのか

です。


例えば敷地の端にある土地で、住宅利用へ影響しないのであれば、その部分を除外して売却できる可能性があります。


一方、

道路への唯一の進入路
建物の真下
駐車場
給排水管の経路

であれば、売却前に権利関係を整理する必要性が高くなります。


株式会社Wakkaが拠点を置く山梨県南部町や身延町などでは、古くから利用されている宅地、農地、水路、山林などが複雑に入り組んでいる土地もあります。


静岡県富士宮市・富士市周辺でも、山林や農地を含む広い土地、私道を利用する物件などでは、登記上の所有関係と実際の利用状況を確認することが重要です。


株式会社Wakkaでは、南部町との空き家対策に関する協定で培う地域課題への視点も踏まえ、

「公図に他人の名前があるから扱えません」

と最初から判断するのではなく、

自分の土地を確認する

第三者土地の位置を確認する

境界を調べる

現在の利用根拠を確認する

必要なら測量する

購入・通行・賃貸借・地役権・越境整理等を比較する

売却方法を決める

という順番で考えることを重視しています。


敷地の一部が他人名義だった。


公図と現地が合わない。

道路まで第三者の土地を通っている。


隣地との境界標が見つからない。

屋根や塀が越境している。


水道管が隣地を通っている。


このような状態でも、不動産会社への売却相談を始めることはできます。


むしろ、土地の取得や高額な測量、工作物の撤去を先に行う前に、

その問題が売却にどの程度影響するのか

を確認することが重要です。


必要な部分だけを整理し、買主へ引き継げる条件は明確にしたうえで売却する。

これが、第三者名義の土地や境界・越境問題を抱える不動産を整理するときの基本的な考え方です。


株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064


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住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064

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