古い家は解体してから売るべき?古家付き土地と更地売却を比較

古い家は解体してから売るべき?古家付き土地と更地売却を比較

古い家は解体してから売るべき?古家付き土地と更地売却を比較


「築年数が古い家は、壊して更地にした方が売りやすいのではないか」

「建物を残したまま売ると、買主が見つからないのでは」

「解体費を払ってでも、更地にした方が高く売れるのか」

相続した実家や長期間空き家になっている住宅を売却するとき、このように迷う方は少なくありません。


結論からいうと、古い家だからといって、売却前に必ず解体した方がよいとは限りません。


物件によっては、古家付き土地として売った方が売主の手取りを残せる場合があります。反対に、建物の劣化が大きく、住宅として利用することが現実的でない場合には、更地にした方が買主の選択肢を広げられる可能性があります。


さらに、実務では「古家付きのまま売る」「先に解体して更地で売る」の二択だけではありません。


古家付きの状態で販売し、買主が決まった後に売主が解体して、更地で引き渡す「更地渡し」という方法もあります。


解体するかどうかを判断するときに比較したいのは、売出価格だけではありません。

古家付きのままならいくらで売れそうか、更地ならいくらで売れそうか、解体にいくらかかるか。さらに、解体後に固定資産税等の負担はどう変わるのか、現在の建物を壊した後も同じように建築できるのか、相続した空き家なら税制特例に影響しないかも確認する必要があります。


こうした項目を整理したうえで、最終的な手取りと売却しやすさを比較することが重要です。


この記事では、古い家を売却するときに「古家付き土地」と「更地」のどちらを選ぶべきか、それぞれのメリット・注意点、解体前に確認したい道路・建築・税金・登記、そして売主の負担を抑える売却方法について解説します。

株式会社Wakka

株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、空き家、相続不動産、古家、中古住宅、土地、農地付き住宅などの売却相談に対応しています。

古い家の売却では、「築年数が古いから解体する」という一つの基準だけでは判断できません。


建物の状態、道路、再建築条件、境界、未登記建物、残置物、解体費、土地需要などを確認し、古家付きで売る場合と更地で売る場合の手取りを比較することが重要です。


株式会社Wakkaでは、売却前に大きな費用をかけるのではなく、現在の状態で査定し、「何を売主が先に行うべきか」「何は買主が決まってから行えるか」を整理して売却方法を考えることを重視しています。


また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。

行政制度を代行するものではありませんが、地域の空き家について、管理・売却・活用につなげるための不動産実務を補完する立場から相談に対応しています。


株式会社Wakka

住所:〒409-2217 山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064


目次

  1. 古い家は解体してから売るべき?
     1-1. まず「古家付き」「更地」「更地渡し」の3つを比較する
     1-2. 解体前に現在の状態で査定する

  2. 古家付き土地として売るメリット・デメリット
     2-1. 解体費を先に負担せず、建物を評価する買主も探せる
     2-2. 建物の状態と契約条件を明確にする必要がある

  3. 更地にして売るメリット・デメリット
     3-1. 土地利用のイメージを持ってもらいやすい
     3-2. 解体費をかけても、その分高く売れるとは限らない

  4. 解体前に必ず確認したい固定資産税と税金
     4-1. 住宅を壊すと住宅用地特例が外れる可能性がある
     4-2. 相続空き家の3,000万円特別控除は解体時期にも注意する

  5. 解体前に確認したい道路・再建築・権利関係
     5-1. 今家が建っていることと、壊した後に建てられることは別
     5-2. 未登記建物・境界・抵当権も解体前に整理する

  6. 解体するときに必要な手続きと費用
     6-1. アスベスト事前調査や建設リサイクル法を確認する
     6-2. 解体後は建物滅失登記まで忘れない

  7. 売主の負担を抑える「更地渡し」という方法
     7-1. 買主が決まってから解体するメリット
     7-2. 売買契約で解体範囲・期限・残置物を具体的に決める

  8. まとめ|古い家は「壊す前に査定」が基本
     8-1. 古家付きと更地を比較する判断基準
     8-2. 解体前に確認するチェックリスト

1. 古い家は解体してから売るべき?


1-1. まず「古家付き」「更地」「更地渡し」の3つを比較する

古い家を売るとき、「建物を残すか、壊すか」の二択で考えがちですが、実務では主に3つの売り方があります。


一つ目は、建物を残したまま「古家付き土地」や中古住宅として売る方法です。

この方法では、売主は解体費を先に負担せずに販売を始められます。買主が建物を利用したい場合は、そのまま改修して使える可能性があります。

建物を使わない買主であれば、購入後に自分の計画に合わせて解体することもできます。


二つ目は、売主が先に建物を解体し、更地にしてから売る方法です。

建物の状態を気にせず土地として検討してもらいやすくなりますが、売主は買主が決まる前に解体費を負担します。また、更地にしても必ず早く、高く売れるとは限りません。


三つ目は、建物を残した状態で販売し、売買契約後に売主が解体して、更地の状態で買主へ引き渡す「更地渡し」です。


この方法なら、買主が決まる前に解体費を支払うリスクを避けつつ、「建物は不要だが更地なら買いたい」という購入希望者にも対応できます。

どの方法が適しているかは、建物の状態、土地需要、道路、再建築条件、解体費、売却希望時期などによって変わります。


そのため、古い家の売却では、最初から解体すると決めるのではなく、この3つの方法を比較することが重要です。


1-2. 解体前に現在の状態で査定する

売却前に避けたいのは、「古いから価値がないだろう」と自己判断して、査定前に建物を取り壊してしまうことです。

建物が築40年、50年を超えていても、購入者によって評価は異なります。

大規模なリフォームを前提に購入したい人、古い建具や間取りを生かしたい人、倉庫・作業場として使いたい人、広い敷地と建物を一体で求める人も考えられます。

建物自体に大きな金銭的評価が付かなかったとしても、既存建物があることで、土地の利用状況、道路との関係、上下水道の引込みなどを確認しやすいこともあります。


一方、建物の傾き、雨漏り、シロアリ、屋根・外壁の劣化が大きく、住宅として利用するために多額の工事が必要であれば、古家を残すことが買主にとって負担になる場合もあります。


ここで重要なのは、「使えるか、使えないか」を売主だけで判断しないことです。

まず現況で不動産会社へ査定を依頼し、古家付きならどの程度の価格で売れそうか、建物を利用する買主が想定できるか、更地なら価格がどの程度変わるか、解体費はいくらくらいか、更地にすることで購入対象者が増えるかを確認します。


そのうえで、必要に応じて解体業者から見積りを取ります。

「更地にした場合の想定成約価格-解体費」と「古家付きの想定手取り」を比較することで、解体の費用対効果を判断しやすくなります。


2. 古家付き土地として売るメリット・デメリット


2-1. 解体費を先に負担せず、建物を評価する買主も探せる

古家付きで販売する大きなメリットは、売却前に解体費を支払わなくても販売活動を始められることです。


解体費は、建物の構造、床面積、立地、前面道路、重機が入れるか、残置物、地中埋設物、アスベスト含有建材の有無などによって大きく変わります。


古家付きのままなら、売主がその資金を先に用意する必要がありません。

また、建物を利用したい買主を検討対象として残せることもメリットです。


売主から見れば古い住宅でも、買主が自分で改修できるのであれば、「建物付きであること」に価値を感じる可能性があります。


土地だけを探している買主だけでなく、古家を生かしたい買主にも検討してもらえる余地があります。


さらに、「建物は不要」という購入希望者が現れた後で、価格交渉の中で解体費を誰が負担するか決めることもできます。


売主負担で解体する、買主が購入後に解体する、解体費相当額を価格調整するなど、買主が見つかった後であれば具体的な条件交渉ができます。


買主がいない段階で数百万円の解体費を先に支払う方法より、資金面で安全なケースがあります。


特に、売却価格そのものがそれほど高くない地域では、解体費が売却代金に占める割合も大きくなります。


例えば、土地の想定成約価格が500万円で解体費が250万円なら、先に解体する判断は慎重に行うべきです。


建物を残した状態で買い手が見つかれば、売主の手取りをより多く残せる可能性があります。


2-2. 建物の状態と契約条件を明確にする必要がある

古家付き売却には注意点もあります。


まず、建物が存在する以上、買主はその状態を確認します。


雨漏り、シロアリ、床の沈み、給排水設備、浄化槽、井戸、越境、増築、未登記部分など、売主が把握している情報は不動産会社へ伝え、契約条件へ反映します。

「古家付き土地」「建物価値なし」という表示をすれば、建物について何も説明しなくてよいわけではありません。


また、「現況渡し」という言葉だけで、売却後の責任がすべてなくなるわけでもありません。

引き渡す土地・建物が契約内容と異なる場合には、民法上の契約不適合責任が問題になることがあります。


個人間の中古不動産売買では、建物の築年数や状態を踏まえて責任範囲・期間を特約で調整することがありますが、売主が把握している重要な問題は事前に伝えることが基本です。

買主から見ると、「購入後に解体費がいくら必要か分からない」という点も価格交渉の材料になります。


そのため、古家付きで販売する場合でも、解体見積りを1社または複数社から取っておく方法があります。


実際に解体する必要はありません。

「もし解体するなら、おおむねどの程度の費用が必要か」という情報があれば、購入希望者も土地代と解体費を含めた総予算を判断しやすくなります。

ただし、解体見積りには地中埋設物やアスベストなど、工事開始後でなければ確定しない項目が含まれることがあります。


見積額を「必ずこの金額で済む」と断定して販売しないことも重要です。

古家付き土地として販売するときは、広告上の表示方法にも注意します。

土地を中心に販売していても、建物が存在する以上、建物を売買対象に含めるのか、建物代金をどのように扱うのか、引渡し後に誰が解体するのかを契約書で明確にします。

特に未登記建物がある場合、「建物は価値がないから無視して土地だけ売る」という処理が常に適切とは限りません。


現実には建物が土地上に存在しており、買主が取得後に撤去または利用することになるためです。

融資を利用する買主の場合、金融機関から建物の登記整理を求められる可能性もあります。

販売前に建物が登記済みか未登記か、所有者は誰か、増築部分があるかを確認し、必要な整理を不動産会社や土地家屋調査士等と検討します。


3. 更地にして売るメリット・デメリット


3-1. 土地利用のイメージを持ってもらいやすい

更地売却のメリットは、購入希望者が土地の形状や広さを確認しやすくなることです。

古い建物、倉庫、庭木などがあると、新築住宅を建てたい買主は「解体したらどのくらいの広さになるのか」「駐車場を何台確保できるのか」などを想像しなければなりません。


更地であれば土地全体を確認しやすく、住宅メーカーや設計者と建築計画を検討しやすくなります。


また、老朽化が大きい建物では、購入希望者が「解体費がいくらか分からない」という不安から購入を見送ることがあります。


売主が解体を終えていれば、買主は土地代と建築費を中心に資金計画を立てられます。

建物倒壊や屋根材・外壁の落下のおそれがあるなど、安全面の問題が大きい空き家では、売却以前に除却を検討すべき場合もあります。


空家法では、適切に管理されていない空き家について「管理不全空家」や「特定空家」として、市区町村が指導・勧告等を行う仕組みがあります。


勧告を受けると、その土地について住宅用地の固定資産税等の軽減措置が受けられなくなる場合があります。


そのため、危険な建物を「固定資産税が安いから」という理由だけで残し続けることが適切とは限りません。

安全性、近隣への影響、管理費用も含めて判断します。


3-2. 解体費をかけても、その分高く売れるとは限らない

更地にすると土地の状態は分かりやすくなりますが、それだけで土地価格が解体費以上に上がるとは限りません。


例えば、古家付きなら800万円、更地なら950万円程度が想定される土地で、解体費に250万円かかるとします。

単純計算では、150万円価格を上げるために250万円を使うことになり、売主の手取りは古家付きの方が100万円多くなります。


実際には、売却期間や管理費、購入対象者の広がりなども考える必要がありますが、「更地価格の方が高い」という理由だけでは判断できません。

比較するときは、古家付きの想定成約価格、更地の想定成約価格、解体費、残置物処分費、庭木・ブロック塀等の撤去費、滅失登記等の費用、解体後に売れるまでの固定資産税等まで確認します。


また、解体後に地中から古い浄化槽、井戸、基礎、廃材などが見つかることがあります。

それらを撤去する費用が当初見積りに含まれているかも確認が必要です。

建物を壊してしまえば、元には戻せません。

更地にした後で「実は古家付きでも売れた」「建物を利用したい購入希望者がいた」と分かっても取り戻すことはできないため、事前査定が重要になります。


4. 解体前に必ず確認したい固定資産税と税金


4-1. 住宅を壊すと住宅用地特例が外れる可能性がある

住宅の敷地には、一定の要件を満たすと固定資産税の住宅用地特例があります。

一般的な住宅用地では、固定資産税の課税標準について、小規模住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分は価格の6分の1、200㎡を超える一般住宅用地部分は3分の1とする特例があります。


都市計画税についても、小規模住宅用地は3分の1、一般住宅用地は3分の2の特例があります。

そのため、住宅を解体し、翌年1月1日時点で住宅の敷地ではなくなっている場合には、原則として住宅用地特例が使えなくなり、翌年度以降の土地の税負担が増える可能性があります。


ここでよくあるのが、「家を壊すと固定資産税が6倍になる」という説明です。

これは正確ではありません。

6分の1というのは、小規模住宅用地における固定資産税の「課税標準」の特例です。

実際の税額は、土地の評価額、面積、負担調整、自治体の課税状況などによって決まります。


したがって、解体前には現在の固定資産税課税明細を確認し、必要であれば市町村の資産税担当へ「この住宅を今年解体した場合、翌年度の土地課税がどのように変わるか」を確認すると確実です。


一方で、建物を残せば無条件に住宅用地特例が続くわけでもありません。

空家法に基づく管理不全空家や特定空家について、市区町村から改善の指導を受け、それでも改善されず勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象から除外される場合があります。


税金だけを理由に危険な建物を残すのではなく、売却時期、安全性、維持費とのバランスで判断してください。

固定資産税の影響を比較するときは、「今年壊すか来年壊すか」だけでなく、売却予定時期との関係も確認します。


例えば、年内に更地にしても、その年の固定資産税が途中から自動的に土地だけの税額へ切り替わるという単純な仕組みではありません。

固定資産税は原則として毎年1月1日の所有・利用状況等を基準に課税されるため、解体時期が翌年度の税負担に影響します。


一方、買主がすでに決まり、年内に引き渡せるのであれば、売主が翌年度の税負担を負わない取引になることもあります。

固定資産税等の精算は売買契約上の取り決めで行われることが一般的ですが、法律上の納税義務者そのものが年の途中で変わるわけではありません。


解体と税金を比較するときは、単純な年税額だけではなく、「いつ売れる見込みか」まで含めて判断することが実務的です。


4-2. 相続空き家の3,000万円特別控除は解体時期にも注意する

相続した古い実家を売る場合は、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」が使える可能性があります。


2026年9月現在、この制度は一定の要件を満たし、2027年12月31日までに譲渡した場合が対象です。


対象となる家屋は、原則として1981年5月31日以前に建築され、区分所有建物ではなく、相続開始直前に被相続人以外の居住者がいなかった家屋などです。

相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であることなどの要件もあります。


この制度では、相続した家屋を取り壊した後に土地を売る方法も対象になり得ます。

さらに、2024年1月1日以後の譲渡では、一定の要件のもと、家屋付きで売却した後、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに買主側で家屋を取り壊す方法でも特例を利用できる場合があります。


これは、古い相続空き家の売却方法を考えるうえで重要な変更です。

以前の感覚で「特例を使うなら売主が必ず契約前に解体しなければならない」と決めつけると、不要な先行費用を負担する可能性があります。

ただし、この特例には細かな要件があり、相続した空き家なら自動的に利用できるわけではありません。


また、2024年以後の譲渡で対象となる家屋・敷地を取得した相続人が3人以上の場合は、一人当たりの控除上限が2,000万円です。

解体時期、売買契約、引渡し方法を決める前に、税理士や税務署、確認書を発行する物件所在地の市区町村へ確認することが重要です。


5. 解体前に確認したい道路・再建築・権利関係


5-1. 今家が建っていることと、壊した後に建てられることは別

古い家を解体する前に、特に確認したいのが再建築条件です。

「今ここに家が建っているのだから、壊しても同じように新築できる」とは限りません。

建築物の敷地は、原則として建築基準法上の道路へ一定以上接している必要があります。


古い住宅では、建築当時と現在で道路条件の確認方法が異なっていたり、前面が見た目には道路でも、建築基準法上の道路に該当するか確認が必要だったりすることがあります。

幅員4m未満の道路で、建築基準法42条2項道路に該当する場合には、建替え時にセットバックが必要になることもあります。


私道や第三者所有地を通行している場合は、人や車両の通行だけでなく、上下水道などを工事する際の掘削条件も確認します。


市街化調整区域にある住宅では、さらに慎重な確認が必要です。

市街化調整区域は市街化を抑制する区域で、新築、建替え、用途変更等に都市計画法上の許可が関係する場合があります。


現在住宅が存在することだけで、第三者が購入後に自由に建替えできるとは限りません。

こうした物件を先に解体すると、「現在ある古い家を利用する」という選択肢まで失う可能性があります。


そのため、解体前には不動産会社だけでなく、必要に応じて市区町村の建築・都市計画担当窓口で、道路種別、接道、都市計画、建築許可履歴などを確認します。

再建築できるのか、どの程度の建物を建てられるのかを整理してから、古家付きと更地の市場性を比較することが重要です。


5-2. 未登記建物・境界・抵当権も解体前に整理する

古い家では、母屋とは別に未登記の倉庫、物置、車庫、離れが存在することがあります。

また、増築部分が登記へ反映されていない場合もあります。


解体する予定だからといって、登記を一切確認しなくてよいとは限りません。

どの建物が登記されているのかを確認し、解体後にどの建物について滅失登記が必要になるのか整理しておく必要があります。

抵当権についても確認します。


住宅ローンを完済していても、登記簿上の抵当権が自動的に消えるわけではありません。売却決済までに抵当権を抹消できるよう準備します。

土地の境界も重要です。


古家を解体すると、ブロック塀、フェンス、庭木、物置など、隣地との位置関係を示していたものまで撤去する可能性があります。

境界標の位置が分かっているなら、解体工事中に破損・紛失しないよう、あらかじめ解体業者へ伝えておきます。


確定測量が必要かどうかは取引条件によって異なり、すべての不動産売買で必須ではありません。


しかし、境界が不明な土地を更地にして住宅用地として売るのであれば、買主から境界確認を求められる可能性があります。

「解体してから土地の問題を調べる」のではなく、「土地の問題を調べてから解体範囲を決める」という順番で進めることが重要です。


6. 解体するときに必要な手続きと費用


6-1. アスベスト事前調査や建設リサイクル法を確認する

建物を解体すると決めたら、解体業者から見積りを取ります。

見積りでは「建物本体○万円」という総額だけを見るのではなく、何が含まれているかを確認してください。


建物本体の解体、基礎撤去、家財・残置物、物置・カーポート、庭木・庭石、ブロック塀、浄化槽・便槽、井戸、地中埋設物、アスベスト調査・除去、廃棄物の運搬・処分など、対象範囲によって最終的な費用は変わります。


特に古い建物では、アスベストの確認が重要です。


大気汚染防止法では、建築物・工作物を解体・改造・補修するとき、石綿含有建材の有無について事前調査が必要です。


建築物の解体・改修工事は、原則として資格を持つ建築物石綿含有建材調査者等による事前調査が必要になります。


また、建築物の解体部分の床面積が合計80㎡以上の場合は、事前調査結果を行政へ報告する対象となります。


アスベストが見つかった場合には、建材の種類や工事内容によって、除去・飛散防止のための追加費用が必要になることがあります。

さらに、建設リサイクル法では、一定規模以上の解体工事について分別解体・再資源化等が求められます。


建築物の解体工事では床面積80㎡以上が対象となり、対象工事では発注者等が工事着手の7日前までに分別解体等の計画を都道府県知事等へ届け出る仕組みです。

実際の届出先や自治体独自の手続きは所在地によって異なるため、解体業者任せにせず、見積り時に「必要な届出は何か」「誰が提出するか」を確認してください。

解体見積りは、総額だけでなく「追加費用が発生する条件」を確認することも重要です。


例えば、基礎撤去がどこまで含まれているのか、地中からコンクリート片や古い配管が出た場合はいくらか、アスベストが確認された場合は別見積りになるのか、重機が敷地へ入れない場合に人力作業費が加算されるのかを確認します。


見積書に「地中障害物は別途」とだけ記載されている場合には、追加単価や判断方法も聞いておくと、工事開始後の予算超過を抑えやすくなります。


また、解体補助制度を設けている自治体もあります。

ただし、対象建物、所有者、施工業者、申請時期などに条件があり、着工後の申請では対象外になる制度もあります。


補助金を前提に解体契約を結ばず、物件所在地の自治体へ契約・着工前に現行制度を確認してください。


6-2. 解体後は建物滅失登記まで忘れない

登記されている建物を解体した場合には、建物滅失登記が必要です。

不動産登記法57条では、建物が滅失したとき、表題部所有者または所有権の登記名義人は、滅失の日から1か月以内に滅失登記を申請しなければならないとされています。


建物滅失登記は、不動産の「表示に関する登記」です。

専門家へ依頼する場合は、土地家屋調査士の業務分野です。


解体業者からは、建物取壊証明書など、滅失登記に使用する資料を受け取ることがあります。

必要書類は物件の登記状況によって異なるため、土地家屋調査士や法務局へ確認してください。


また、市町村の固定資産税担当への家屋滅失に関する届出等が必要となる場合もあります。

「解体工事が終われば手続きも終わり」ではありません。

登記簿に建物が残ったままだと、土地を売却するときに買主や司法書士から整理を求められることがあります。


売主が先に更地にして販売する場合は、解体工事、滅失登記、固定資産税関係の手続きまで含めてスケジュールを組んでおきます。


税務面では、土地を売るためにその土地上の建物を取り壊した場合、その取壊し費用や一定の建物損失額は、譲渡所得を計算する際の「譲渡費用」となる場合があります。

ただし、単に老朽化した建物を管理上の理由で壊した費用など、売却との直接的な関係がない費用まで一律に譲渡費用になるわけではありません。


解体費の税務上の扱いを見込む場合は、売却との関係や支出時期を含めて税理士・税務署へ確認し、請求書・領収書なども保管しておきましょう。


7. 売主の負担を抑える「更地渡し」という方法


7-1. 買主が決まってから解体するメリット

古家付きと更地の中間的な方法として有効なのが、「古家付きで販売し、買主が決まった後に売主が解体して更地で引き渡す」という方法です。

この方法のメリットは、売主が「売れるか分からない段階」で解体費を負担しなくてよいことです。


まず古家付きの状態で販売し、購入希望者が「更地なら購入する」と判断した段階で、売買契約の条件として売主による解体を定めます。

契約後に解体するため、売却代金を受け取れる見込みが立ってから費用をかけられます。

また、販売中は住宅用地特例が適用される状態を維持できる可能性もあります。


もっとも、課税は毎年1月1日の状況や個別条件で判断されるため、解体時期をまたぐ場合は自治体へ確認してください。


買主側にもメリットがあります。

土地を購入する意思を固めたうえで、建物撤去後の状態で引渡しを受けられるため、自分で解体業者を探す手間を減らせます。


一方で、契約から引渡しまでには解体期間が必要です。

アスベスト調査、行政への届出、残置物撤去、近隣対応、解体工事、滅失登記などを考えると、十分な期間を設定する必要があります。

また、解体中に地中埋設物、古い浄化槽、井戸などが見つかることもあります。

その費用を誰が負担するのかを事前に決めておくことが重要です。

なお、買主が「自分で解体するので古家付きのまま引き渡してほしい」と希望する方法もあります。


この場合、売主は解体工事を手配しなくて済みますが、買主は土地代に加えて解体費を負担するため、その分が購入価格の交渉材料になることがあります。

売主解体と買主解体のどちらが有利かは、解体費だけでは決まりません。


売主が解体するなら、工事完了までの工程管理と追加費用リスクを負います。一方、買主が解体する場合は、売却価格へ解体負担が反映されやすくなります。

双方の見積りを見ながら、「売主が200万円で解体して更地価格を上げる」のか、「200万円相当を価格調整して現況で引き渡す」のかを比較すると判断しやすくなります。


7-2. 売買契約で解体範囲・期限・残置物を具体的に決める

更地渡しでは、売買契約書の内容が重要です。

「売主が更地にして引き渡す」と一文だけ記載すると、売主と買主が考える「更地」の範囲が異なる可能性があります。


例えば、母屋だけを解体するのか、倉庫や物置も撤去するのか。ブロック塀、庭木、庭石、カーポート、井戸、浄化槽、既存の土間コンクリートまで撤去するのか。境界塀は残すのか。

こうした範囲を具体的に決めます。


さらに、解体工事の完了期限、建物滅失登記の扱い、残置物の撤去、地中埋設物が見つかった場合の対応、解体中に隣地へ損害が生じた場合の対応、解体工事が予定どおり終わらなかった場合の取扱い、買主の建築計画に必要な地盤調査をいつ行うかなども整理します。

特に境界付近のブロック塀や擁壁は、所有関係が明確でない状態で撤去すると隣地とのトラブルになる可能性があります。


解体業者へ「全部撤去してください」と依頼する前に、境界資料と所有関係を確認します。

さらに、建物内に家財が残っている場合は、解体工事費に残置物処分が含まれているか確認してください。


家庭から出た家財と建築物解体に伴う廃棄物では取扱いが異なることもあるため、適法に処理できる事業者・方法で進めます。

更地渡しは便利な方法ですが、「買主が決まったから急いで壊す」のではなく、売買契約の段階で解体内容を具体的に決めておくことが重要です。


8. まとめ|古い家は「壊す前に査定」が基本


8-1. 古家付きと更地を比較する判断基準

古い家を売却するとき、「築年数が古いから解体」と単純に判断する必要はありません。

古家付き土地が向いている可能性があるのは、建物を利用できる余地がある、解体費の負担が大きい、土地価格に対して解体費の割合が高い、再建築条件に不安がある、買主が決まる前に大きな費用をかけたくない、といった場合です。


一方、更地売却を検討しやすいのは、建物の劣化が著しく安全上の問題がある、建物利用を希望する買主が考えにくい、更地需要が高い、解体することで買主の建築計画が立てやすくなる、といった場合です。


そして、その中間に「更地渡し」があります。

売主の負担を抑えながら、更地を希望する買主へ対応できるため、古い空き家では有力な選択肢になります。


比較するときは、古家付きの想定成約価格、更地の想定成約価格、解体見積額、残置物処分費、解体後の税負担、再建築条件、売却期間、相続空き家の税制特例を一つずつ確認してください。

「更地の方が100万円高い」という情報だけでは判断できません。

200万円の解体費が必要なら、売主の実質手取りは古家付きで売却した場合より少なくなる可能性があります。


逆に、解体費以上に売却価格や売却可能性が改善するのであれば、更地にする意味があります。

不動産売却で重要なのは、最も高い「売出価格」を作ることではありません。

必要な費用を差し引いた手取りを確認し、無理のない条件で成約へつなげることが重要です。


8-2. 解体前に確認するチェックリスト

古い家を解体する前には、まず現況のまま不動産会社へ査定を依頼してください。

そのうえで、建物を利用する買主が考えられるかを確認します。

次に、解体後の土地価格と解体費を比較します。

道路種別、接道、都市計画、市街化調整区域などを確認し、解体後も買主が想定する建物を建築できるかを調べます。


相続した実家なら、被相続人の居住用財産の3,000万円特別控除を利用できる可能性がないか確認します。

固定資産税課税明細を確認し、解体後に住宅用地特例が外れた場合の翌年度以降の税負担も確認します。


境界標、ブロック塀、擁壁、井戸、浄化槽、未登記建物、抵当権など、解体工事に影響する項目も整理します。

その後、複数の解体業者から見積りを取り、アスベスト調査、残置物、付属建物、庭木、地中埋設物など、何が見積りに含まれているかを比較します。


ここまで確認したうえで、「古家付きでそのまま販売する」「買主決定後に更地渡しする」「先に解体して更地で販売する」のどれを選ぶか決めます。

解体すると決めた場合は、必要なアスベスト事前調査、建設リサイクル法等の手続きを確認し、工事後は建物滅失登記まで行います。


古い空き家では、建物を壊すこと自体よりも、「壊した後の方が本当に売りやすいのか」を判断することの方が重要です。

一度解体した建物を元に戻すことはできません。

だからこそ、「古いから壊す」のではなく、「古家付きと更地のどちらが買主にとって利用しやすく、売主にとって手取りが残るか」を確認してから決めてください。

古家付きならいくらで売れる可能性があるのか、更地ならいくらになるのか、解体費はいくらかかるのか。


この3つを同時に確認することが、古い家を売却するときの出発点です。

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株式会社Wakka

住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064

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