登記されていない家を相続したらどうする?未登記建物の調べ方と売却までの手続き
登記されていない家を相続したらどうする?未登記建物の調べ方と売却までの手続き
親や祖父母から実家を相続し、不動産の売却や相続登記を進めようとしたところ、
「土地の登記はあるのに家の登記が見つからない」
「固定資産税の納税通知書には建物が載っているのに、法務局では建物の登記事項証明書を取得できない」
「母屋は登記されているが、離れや倉庫が登記されていない」
と分かることがあります。
このように、現地には建物が存在しているにもかかわらず、法務局に建物の表題登記がされていない建物を、一般に「未登記建物」と呼びます。
特に、築年数の古い住宅、親や祖父母の代に建築された実家、増改築を繰り返してきた住宅、農家住宅、離れ、倉庫、車庫などでは、未登記の状態が見つかることがあります。
では、登記されていない家を相続した場合、何から始めればよいのでしょうか。
結論からいうと、最初に行うべきなのは、いきなり「相続登記」を申請することではありません。
まず、
本当に建物が未登記なのか確認する
固定資産税の資料と法務局の登記を照合する
誰がその建物を相続するのか確定する
土地家屋調査士に建物表題登記を相談する
必要に応じて司法書士に所有権保存登記等を相談する
土地や建物の売却条件を確認する
販売・売買契約・決済へ進む
という順番で整理すると分かりやすくなります。
未登記建物について法務局は、「いきなり相続登記をすることはできず、まず建物表題登記が必要」と案内しています。
また、固定資産税が課税されているからといって、法務局の登記が済んでいるとは限りません。固定資産税の家屋課税と不動産登記は別の制度だからです。
この記事では、登記されていない実家を相続した方に向けて、未登記建物の調べ方、表題登記、所有権保存登記、相続との関係、売却方法、住宅ローンへの影響まで順番に解説します。
株式会社Wakka
株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、空き家、相続不動産、中古住宅、土地、古家、農地付き住宅などの売却相談に対応する不動産会社です。
相続した実家では、「相続登記が済んでいない」という問題だけではなく、母屋や離れが未登記、登記と現況が違う、境界が分からない、農地が付いている、残置物が多いなど、複数の問題が同時に見つかることがあります。
株式会社Wakkaでは、不動産を単に査定して販売するだけではなく、売却までに何を整理する必要があるのかを確認し、必要に応じて土地家屋調査士、司法書士、税理士、弁護士などと連携しながら進めることを重視しています。
また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。相続後に空き家となった実家について、未登記建物や相続登記、残置物など不動産流通の前段階にある課題を整理し、売却や活用など次の選択肢につなげていくことも重要です。
南部町・身延町など峡南地域のほか、静岡県富士宮市・富士市周辺の相続不動産についてもご相談を承っています。
株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
目次
未登記建物とは?まず「本当に登記がないか」を確認する
未登記建物と保存登記未了の建物は違う
固定資産税が課税されていても登記済みとは限らない
相続した家が未登記かどうかを調べる方法
法務局・固定資産税資料・名寄帳を確認する
現地の母屋・離れ・倉庫と資料を照合する
未登記建物を相続したら最初に確認すること
遺言書・相続人・誰が建物を取得するか整理する
完全未登記建物はいきなり相続登記できない
未登記建物の表題登記はどう進める?
土地家屋調査士が建物の位置・構造・床面積を調査する
建築時の資料が残っていない古い家はどうする?
表題登記後の所有権保存登記と相続登記の違い
保存登記は建物について最初の所有権を登記する手続き
すでに所有権登記済みなら相続登記を行う
未登記建物がある家を売却するときの問題
売買契約は可能でも住宅ローン・登記に支障が出ることがある
増築・境界・接道・農地なども一緒に確認する
未登記建物を含む不動産を売却する具体的な流れ
調査・査定・登記整理から売買契約まで
建物を登記して売るか、解体して土地として売るか比較する
まとめ|登記されていない家を相続したら順番に整理する
土地家屋調査士・司法書士・不動産会社の役割
登記が終わる前でも売却相談は始められる
1. 未登記建物とは?まず「本当に登記がないか」を確認する
1-1. 未登記建物と保存登記未了の建物は違う
未登記建物とは、一般的には、現地に建物が存在しているにもかかわらず、その建物について法務局に表題登記がされていない状態をいいます。
ここで最初に知っておきたいのが、不動産登記には大きく「表題部」と「権利部」があるということです。
建物の表題部には、
・所在
・家屋番号
・種類
・構造
・床面積
など、建物の物理的な情報が記録されます。
例えば、
「居宅」
「木造瓦葺2階建」
「1階70㎡・2階30㎡」
といった内容です。
一方、権利部には所有権や抵当権などの権利関係が記録されます。
したがって、「建物が未登記」といっても、実際には次のような違いがあります。
①完全未登記
建物の登記記録自体が存在せず、表題登記もされていない状態です。
②表題登記済み・所有権保存登記未了
建物の種類・構造・床面積などは登記されていますが、所有権の権利部がまだ作られていない状態です。
③所有権登記済み・相続登記未了
父や祖父など亡くなった人が所有者として登記されており、相続人への名義変更が終わっていない状態です。
④登記はあるが現況が違う
登記上は平家なのに実際には2階建て、増築部分が反映されていないなどの状態です。
これらはすべて必要な手続きが違います。
そのため、
「未登記だと言われた」
という情報だけで手続きを決めず、まず現在の登記状態を確認することが重要です。
1-2. 固定資産税が課税されていても登記済みとは限らない
未登記建物について非常に多い誤解が、
「固定資産税を毎年払っているから登記されているはず」
というものです。
しかし、これは必ずしも正しくありません。
固定資産税を課税するために市区町村が管理する固定資産課税台帳と、法務局が管理する不動産登記記録は別の制度です。
そのため、法務局に登記されていない家でも、市区町村が建物の存在を把握していれば固定資産税が課税されていることがあります。
実際に富士宮市では、「未登記家屋の名義人変更」という手続きが設けられており、法務局に登記されていない家屋を相続した場合には、固定資産税上の名義を変更する手続きがあります。
南部町でも「未登記家屋所有権変更届」という様式が設けられています。
ただし、市区町村へ未登記家屋の所有者変更届を提出したとしても、法務局で建物表題登記や所有権の登記をしたことにはなりません。
例えば、
固定資産税の名義
父→長男
と変更しただけでは、
法務局の登記
未登記→未登記
のままです。
したがって、相続した家については、
固定資産税上の手続き
と、
法務局の登記手続き
を分けて考える必要があります。
2. 相続した家が未登記かどうかを調べる方法
2-1. 法務局・固定資産税資料・名寄帳を確認する
では、相続した実家が本当に未登記なのか、どのように調べればよいのでしょうか。
最初に確認したいのが固定資産税の納税通知書や課税明細書です。
建物について、
・所在地
・種類
・床面積
・評価額
などが記載されていることがあります。
ただし、先ほど説明したとおり、課税明細に載っているから登記済みとは限りません。
次に法務局で建物の登記事項証明書を確認します。
土地の登記だけでなく、建物についても登記記録を探します。
法務局も、相続手続きの案内で、
「未登記の建物についてはいきなり相続登記をすることはできないため、まず建物表題登記が必要」
としたうえで、相続登記の前に建物の登記事項証明書を取得して確認することを案内しています。
登記事項証明書を取得できるのであれば、少なくとも建物の表題登記自体は存在しています。
その場合、
「完全未登記」
ではなく、
「保存登記がない」
「所有者が亡くなった人のまま」
「現況と登記が違う」
など、別の問題を確認します。
また、相続した不動産が複数ある場合には、市区町村の固定資産税担当課で名寄帳等を確認できる場合があります。
名寄帳とは、一定の市区町村内で、その所有者について課税されている土地・家屋などを一覧で確認する資料です。
親が、
宅地
畑
山林
母屋
離れ
倉庫
など複数の不動産を所有していた場合、相続財産を把握する手掛かりになります。
ただし、一つの市区町村の名寄帳だけで全国の不動産を確認できるわけではありません。
他の市区町村にも不動産を所有していた可能性があれば、別途確認が必要です。
2-2. 現地の母屋・離れ・倉庫と資料を照合する
書類だけでは十分ではありません。
相続した実家では、実際に現地を確認し、存在する建物を一棟ずつ整理することが重要です。
例えば、
母屋
離れ
倉庫
物置
車庫
作業場
などです。
そして、
現地にある建物
法務局に登記されている建物
固定資産税が課税されている建物
を比較します。
例えば、
母屋
→登記あり・課税あり
離れ
→登記なし・課税あり
倉庫
→登記あり・課税あり
昔の物置
→現地には存在しないが登記が残っている
という状態が見つかることがあります。
この場合、離れについては建物表題登記を検討し、すでに解体された物置については建物滅失登記を検討することになります。
また、母屋そのものに登記があっても、
登記上70㎡
現況100㎡
であれば、増築部分が登記へ反映されていない可能性があります。
登記上平家なのに実際は2階建てという場合も同様です。
つまり、
「建物の登記があるか」
だけでなく、
「現在存在する建物と登記内容が合っているか」
まで確認することが大切です。
3. 未登記建物を相続したら最初に確認すること
3-1. 遺言書・相続人・誰が建物を取得するか整理する
建物が完全未登記であることが分かったとしても、すぐに土地家屋調査士へ登記を依頼する前に、誰がその建物を取得するのかを整理する必要があります。
まず遺言書の有無を確認します。
遺言書がない場合には、戸籍等を確認して法定相続人を確定し、相続人が複数いる場合には必要に応じて遺産分割協議を行います。
例えば、
土地は父名義で登記済み
建物は父が建築した未登記住宅
であり、父が亡くなったとします。
相続人が母、長男、長女の3人で、遺産分割協議の結果、長男が土地と建物を取得するのであれば、その内容を前提に登記を進めます。
土地については父から長男への相続登記を行います。
一方、完全未登記の建物については、通常の「父から長男への所有権移転登記」を最初に行うことはできません。
そもそも所有権を移転するための登記記録が存在していないからです。
そのため、
土地
相続登記
未登記建物
建物表題登記
↓
必要に応じて所有権保存登記
と、別々に整理します。
相続人が多い、数次相続が発生している、遺産分割でもめているなどの場合には、表示登記を進める前に相続関係自体を整理する必要があります。
3-2. 完全未登記建物はいきなり相続登記できない
ここは特に重要なポイントです。
法務局も、未登記建物について、
「いきなり相続登記をすることはできない」
と案内しています。
相続登記とは、すでに登記されている所有権を、亡くなった所有者から相続人へ変更する権利登記です。
完全未登記建物には、その前提となる建物登記がありません。
そのため、まず建物そのものを登記記録へ載せる「建物表題登記」が必要です。
不動産登記法では、新築建物または表題登記がない建物の所有権を取得した人について、所有権取得の日から1か月以内に表題登記を申請する義務を定めています。
正当な理由なく申請義務を怠った場合には10万円以下の過料に関する規定があります。
一方、すでに所有権の登記がある不動産については、2024年4月1日から相続登記が義務化されています。
相続により所有権を取得したことを知った場合は、原則としてその取得を知った日から3年以内に相続登記を行う必要があります。
2024年4月1日より前に相続したことを知っており、相続登記をしていない不動産については、原則として2027年3月31日までが期限です。
したがって、
表題登記のない建物
と、
所有権登記はあるが相続登記していない建物
では、適用される登記手続を分けて考える必要があります。
4. 未登記建物の表題登記はどう進める?
4-1. 土地家屋調査士が建物の位置・構造・床面積を調査する
建物表題登記とは、その建物について法務局に初めて登記記録を作るための手続きです。
建物表題登記では、
・所在
・家屋番号
・種類
・構造
・床面積
などを登記します。
例えば、
所在:南巨摩郡南部町○○
種類:居宅
構造:木造瓦葺2階建
床面積:1階80㎡、2階40㎡
などです。
このような表示に関する登記を専門とするのが土地家屋調査士です。
土地家屋調査士は現地を確認し、必要に応じて建物を測量し、
・一つの建物として登記するのか
・母屋と離れを別々にするのか
・附属建物として扱うのか
・床面積を何㎡とするのか
・建物の種類・構造をどう登記するのか
などを確認します。
「固定資産税では100㎡と書いてあるから100㎡で登記する」
というように、固定資産税資料の数字をそのまま使えばよいとは限りません。
固定資産税と不動産登記では建物面積等の考え方が必ずしも同一ではないため、登記上の床面積は土地家屋調査士が現地・資料を確認して判断します。
また、土地家屋調査士へ相談するときは、母屋だけではなく敷地内の離れ、物置、車庫、倉庫なども一緒に確認してもらうと、その後の売却手続きを整理しやすくなります。
4-2. 建築時の資料が残っていない古い家はどうする?
築50年、60年、それ以上経過した住宅では、
「建築確認済証がない」
「検査済証がない」
「建築会社が分からない」
「工務店がすでに廃業している」
「いつ建てたのか正確には分からない」
ということがあります。
だからといって、直ちに表題登記ができないとは限りません。
建物表題登記では、その建物が存在することだけでなく、誰が所有者なのかを確認する必要があります。
そのため、所有関係や建築経緯を確認する資料として、
・建築確認済証
・検査済証
・工事完了引渡証明書
・工事請負契約書
・建築代金に関する資料
・固定資産税関係資料
・過去の相続・売買関係資料
などが手掛かりになる場合があります。
ただし、必要な資料は建物ごとに異なります。
古い建物では、資料を一つだけ提示すれば必ず所有権が証明できるというものではありません。
特に、
祖父が建築
↓
父が相続
↓
父も死亡
↓
現在の相続人が登記
というように何代も経過している場合には、当初の所有関係だけでなく、その後の相続関係も確認する必要があります。
そのため、
「資料がないから登記できない」
と自己判断するのではなく、土地家屋調査士へ手元の資料をすべて見てもらい、不足している証明資料を確認する方がよいでしょう。
5. 表題登記後の所有権保存登記と相続登記の違い
5-1. 保存登記は建物について最初の所有権を登記する手続き
建物表題登記を行うと、その建物について表題部が作られます。
しかし、これだけでは通常の意味での所有権に関する権利部、いわゆる甲区はまだ作られていません。
そこで行うのが「所有権保存登記」です。
所有権保存登記とは、その建物について初めて所有権を権利部へ登記する手続きです。
整理すると、
建物表題登記
「どこに、どのような建物があるのか」
を登録する。
所有権保存登記
「その建物を誰が所有しているのか」
について最初の所有権登記をする。
という違いがあります。
所有権保存登記は表題登記と異なり、一般的な申請期限が設定されている登記ではありません。
そのため、築年数の古い住宅では、表題登記だけ済んでいて、所有権保存登記が行われていないこともあります。
しかし、売却を予定する場合には重要です。
通常の不動産売買で、
売主
↓
買主
へ所有権移転登記を行うためには、その前提として売主の所有権登記を整えておく必要があります。
そのため、相続人名義で建物表題登記を行った後、売却に向けて所有権保存登記を行い、その後買主へ所有権移転登記をするという流れが一般的です。
所有権保存登記など権利に関する登記は司法書士の専門分野です。
所有権保存登記には登録免許税がかかり、原則税率は不動産価額の0.4%です。住宅用家屋について一定の要件を満たす場合には軽減税率が適用されることがありますが、古い相続住宅で利用できるかは個別確認が必要です。
5-2. すでに所有権登記済みなら相続登記を行う
一方、建物についてすでに、
表題部
+
所有権の権利部
があり、父や祖父が所有者として登記されているのであれば、完全未登記建物ではありません。
この場合は相続登記を行います。
例えば、
所有者 父
↓
父死亡
↓
長男が遺産分割で取得
という場合には、父から長男への相続による所有権移転登記を行います。
この登記を専門とするのは司法書士です。
2024年4月1日から相続登記は義務化されており、不動産を相続したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。
また、2024年4月1日より前の相続についても対象です。
2024年4月1日以前に相続したことを知っており、現在も登記が亡くなった人の名義である場合には、原則2027年3月31日までに対応する必要があります。
正当な理由なく義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
なお、表題登記のみ行われていて、表題部所有者が亡くなっている場合には、不動産登記法上、その相続人が所有権保存登記を申請できる場合があります。
したがって、
「一度亡くなった父名義で保存登記
↓
その後長男へ相続登記」
という二段階が必ず必要とは限りません。
現在の登記状態と相続関係を司法書士に確認することが重要です。
6. 未登記建物がある家を売却するときの問題
6-1. 売買契約は可能でも住宅ローン・登記に支障が出ることがある
未登記建物があると、
「この家は売却できません」
と考える方もいます。
しかし、未登記であることだけを理由に売買契約そのものが当然に無効になるわけではありません。
民法では、所有権の移転は原則として当事者の意思表示によって効力を生じます。
ただし、不動産の物権変動を第三者に対抗するためには登記が必要です。
そのため、不動産売買では、
契約できるか
と、
安全に所有権移転・決済までできるか
を分けて考える必要があります。
特に問題になりやすいのが、買主が住宅ローンを利用する場合です。
金融機関は一般に、購入する土地・建物へ抵当権を設定します。
ところが完全未登記建物では、建物の所有権や抵当権を通常の形で登記できる状態になっていません。
そのため、
「融資実行までに表題登記・保存登記をしてください」
と金融機関から求められる可能性があります。
金融機関ごとに審査方法は異なりますが、未登記建物は住宅ローン利用者にとって大きな確認事項になります。
現金で購入する買主であっても、
「本当に売主の建物なのか」
「床面積はいくらなのか」
「増築部分はないか」
「購入後に登記できるのか」
という問題が残ります。
したがって、通常の中古住宅として幅広い買主へ販売するのであれば、売却前または決済までに登記を整理することが現実的なケースが多くなります。
6-2. 増築・境界・接道・農地なども一緒に確認する
未登記建物を見つけると、建物登記だけに意識が向きがちです。
しかし、相続した地方の住宅では、ほかの問題も同時に確認することが重要です。
例えば、表題登記のために現地を調べたところ、
「登記上より建物が大きい」
と分かる場合があります。
これは増築部分が登記へ反映されていない可能性があります。
また、
・離れが未登記
・倉庫が未登記
・解体済みの建物が登記に残っている
・屋根や建物が隣地へ越境している
といった問題もあります。
土地側では、
・境界標がない
・公図と現況が分かりにくい
・建築基準法上の道路への接道状況が不明
・私道を利用している
・農地が一緒に付いている
などを確認します。
農地を農地として売買する場合は農地法3条、農地を転用して権利移転する場合は農地法5条などの手続きが関係することがあります。
実際の許可・届出は区域や用途によって異なるため、農業委員会等への確認が必要です。
建物内に大量の残置物があっても、登記調査や査定を受ける前にすべて処分する必要はありません。
むしろ、
未登記建物
境界
農地
接道
残置物
などを一度整理してから、売却に必要な対応の優先順位を決める方が効率的です。
7. 未登記建物を含む不動産を売却する具体的な流れ
7-1. 調査・査定・登記整理から売買契約まで
登記されていない家を相続した場合の売却までの流れを、改めて具体的に整理します。
1.相続関係を確認する
遺言書、戸籍、遺産分割協議等により、誰が土地・建物を取得するか確認します。
2.固定資産税資料を確認する
納税通知書、課税明細、名寄帳等を確認します。
未登記建物の存在を把握する手掛かりになります。
3.法務局の登記を確認する
土地だけでなく建物についても登記事項証明書を確認します。
建物の証明書が取得できれば、完全未登記ではありません。
4.現地と照合する
母屋、離れ、倉庫、車庫、物置等について、
・現地
・登記
・固定資産税資料
を比較します。
5.不動産会社へ査定を依頼する
登記を全部終えてからでなくても査定相談は可能です。
建物付きで売るのか、古家付き土地として売るのか、解体するのかを検討します。
6.土地家屋調査士へ相談する
完全未登記なら建物表題登記、増築等があれば建物表題部変更登記、解体済み建物なら滅失登記など、必要な表示登記を整理します。
7.司法書士へ相談する
土地の相続登記、建物の所有権保存登記、抵当権抹消など権利関係を整理します。
8.必要な登記を進める
売却方法や買主の住宅ローン条件に合わせて、決済までに必要な登記を完了させます。
9.媒介契約・販売活動
不動産会社と媒介契約を締結し、ポータルサイト、レインズ、自社ホームページ等を利用して購入者を探します。
10.売買契約
契約時点で登記手続きが完了していない場合には、
「売主の責任と負担で引渡しまでに建物表題登記及び所有権保存登記を完了する」
など、売主と買主の役割を明確にします。
11.決済・引渡し
司法書士が所有権移転に必要な書類を確認し、残代金の受領と買主への所有権移転登記を進めます。
このように、
調べる
↓
売り方を決める
↓
必要な登記を整える
↓
売却する
という流れにすると整理しやすくなります。
7-2. 建物を登記して売るか、解体して土地として売るか比較する
未登記建物が非常に古く、建物として利用できる可能性が低い場合には、
「登記してから売るより解体した方がよいのでは」
と考えることがあります。
これは物件によって判断が異なります。
例えば建物の状態が良く、
・中古住宅
・古民家
・DIY住宅
・移住住宅
・セカンドハウス
などとして利用できるのであれば、登記を整えて建物付きで売却する方が購入者の選択肢を広げられる可能性があります。
一方、
・建物の劣化が著しい
・雨漏りや構造上の問題が大きい
・買主の多くが土地利用を希望すると考えられる
・解体後の方が土地を利用しやすい
といった場合は、解体して土地として売却する方法も検討します。
ただし、
「未登記だから登記せず壊せばよい」
と単純に判断しないことが重要です。
未登記建物でも固定資産課税台帳へ登録されている場合には、解体後に自治体へ家屋滅失に関する届出が必要となる場合があります。
登記済み建物なら、解体後に建物滅失登記を行います。
また、住宅を取り壊したことによって、その土地に適用されていた住宅用地に対する固定資産税等の特例が翌年度以降適用されなくなることがあります。
さらに、相続した空き家について一定の要件を満たせば、「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。
この制度は2027年12月31日までの一定の譲渡が対象で、建築時期、相続後の利用状況、売却期限、売却金額、耐震改修や取壊しなど細かな要件があります。
解体方法や時期が税務に影響する場合があるため、対象となる可能性があれば、解体や売買契約を進める前に税務署や税理士へ確認することが重要です。
未登記建物については、
A.表題登記・保存登記を整えて中古住宅として売る
B.古家付き土地として売る
C.条件を整理して現況のまま売る
D.売主側で解体し土地として売る
という複数の方法を比較して判断します。
8. まとめ|登記されていない家を相続したら順番に整理する
8-1. 土地家屋調査士・司法書士・不動産会社の役割
登記されていない家を相続した場合、どこへ相談すればよいのか分からない方も多いと思います。
専門家の役割を整理しておきましょう。
不動産会社
・不動産査定
・売却方法の検討
・建物付き、古家付き、解体後売却の比較
・媒介契約
・販売活動
・購入希望者との条件調整
を担当します。
土地家屋調査士
・建物表題登記
・建物表題部変更登記
・建物滅失登記
・土地分筆
・地積更正
・境界・測量
など、不動産の物理的状況に関する「表示の登記」を扱います。
未登記建物について最初に表題登記を行う場合は土地家屋調査士の専門分野です。
司法書士
・所有権保存登記
・相続登記
・売買による所有権移転登記
・抵当権抹消登記
など、所有権や抵当権に関する「権利の登記」を扱います。
税理士
相続税、譲渡所得税、相続空き家の税制特例など税務相談・申告を扱います。
弁護士
相続人間の争い、所有権をめぐる紛争、遺産分割の交渉・調停・訴訟などがある場合の相談先です。
未登記建物の場合は、
不動産会社で売却方針を整理
↓
土地家屋調査士で建物の状態・表題登記を確認
↓
司法書士で保存登記・相続登記等を確認
という流れになることがあります。
ただし、物件ごとに状況は異なるため、必ずこの順番になるわけではありません。
8-2. 登記が終わる前でも売却相談は始められる
最後に、最も重要なポイントを整理します。
登記されていない家を相続した場合、
「全部の登記を終わらせてから不動産会社へ行かなければならない」
というわけではありません。
むしろ、先に売却方法を確認した方がよい場合があります。
例えば築年数が非常に古く、建物を利用する需要がほとんど期待できない住宅について、費用をかけて登記を整理した後、最終的に解体して土地として売るのであれば、その費用が必要だったか事前に検討できた可能性があります。
反対に、建物を中古住宅として利用できるのであれば、表題登記・所有権保存登記を整えることによって、住宅ローンを利用する買主も検討しやすくなる可能性があります。
そのため、登記されていない家を相続したら、次の順番で確認してみてください。
1.本当に未登記か確認する
法務局で建物の登記事項証明書を確認します。
2.固定資産税の資料を確認する
納税通知書、課税明細、名寄帳等から建物を確認します。
3.現地と資料を比較する
母屋だけでなく、離れ、倉庫、車庫なども確認します。
4.誰が建物を相続するか整理する
遺言書、戸籍、遺産分割協議等を確認します。
5.売却方法を検討する
中古住宅、古家付き土地、現況売却、解体後売却などを比較します。
6.土地家屋調査士へ表示登記を相談する
完全未登記なら表題登記、増築未登記なら変更登記などを確認します。
7.司法書士へ権利登記を相談する
所有権保存登記、土地や登記済み建物の相続登記、抵当権抹消などを確認します。
8.販売・売買契約・引渡しへ進む
決済までに必要な登記を明確にして進めます。
登記されていない家を相続したとしても、
「未登記=売却できない」
と考える必要はありません。
一方、
「固定資産税を払っているから登記は問題ない」
「何十年もこの状態だからそのままでよい」
と考えることも適切ではありません。
重要なのは、
現地に何があるのか
↓
法務局に何が登記されているのか
↓
固定資産税では何が登録されているのか
↓
誰が相続するのか
↓
建物を残して売るのか
↓
どの登記が必要なのか
を順番に整理することです。
株式会社Wakkaが拠点を置く山梨県南部町や身延町などの峡南地域、静岡県富士宮市周辺では、築年数の古い住宅や農地・山林・倉庫などが付いた相続不動産もあります。
こうした不動産では、未登記建物だけではなく、相続登記、登記と現況の相違、境界、接道、農地、残置物などが同時に問題になる場合があります。
株式会社Wakkaでは、南部町との空き家対策に関する協定で培う地域課題への視点も踏まえながら、単に「売れます」「売れません」と判断するのではなく、現在の問題を整理し、売却や活用へ進むために何をする必要があるのかを確認することを重視しています。
「実家を調べたら建物の登記がなかった」
「固定資産税には載っているのに登記簿がない」
「母屋は登記されているが離れが未登記」
という段階でも、不動産会社への相談を始めることはできます。
先にすべての費用をかけるのではなく、
現状を調べる
↓
売却方法を考える
↓
必要な登記だけを整理する
↓
販売へ進む
という順番で進めることが、未登記建物を含む相続不動産を整理するうえで重要なポイントです。
株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
株式会社Wakka
住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
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