登記と現況が違う建物は売却できる?増築・未登記・建物表題変更の対処法
登記と現況が違う建物は売却できる?増築・未登記・建物表題変更の対処法
相続した実家や古い住宅を売却しようとして登記事項証明書を確認したところ、
「登記上は平家なのに、実際には2階建てになっている」
「登記簿の床面積より、実際の建物の方が大きい」
「昔増築した部屋が登記に反映されていない」
「登記上は草葺なのに、現在はスレート葺になっている」
「母屋は登記されているが、離れや倉庫が載っていない」
といったことが分かる場合があります。
このような状態を、一般的には「登記と現況が違う」「増築部分が未登記」と表現することがあります。
では、登記内容と実際の建物が違う不動産は売却できないのでしょうか。
結論からいうと、登記と現況に違いがあるからといって、売買契約そのものが直ちにできなくなるわけではありません。
しかし、実際の不動産売買では、買主への所有権移転、住宅ローン、抵当権設定、重要事項の調査、建物の特定などが必要になるため、登記と現況の相違を放置したままでは取引に支障が生じることがあります。
特に、
・平家から2階建てになっている
・増築で床面積が増えている
・屋根の種類が変わっている
・用途が居宅から店舗兼居宅などに変わっている
・離れや倉庫が増えている
といった場合は、「建物表題部変更登記」が必要となる可能性があります。
また注意したいのは、
登記を現況に合わせることと、建築基準法上の適法性を確認することは別の問題
という点です。
法務局で建物表題部変更登記が完了したからといって、過去の増築について必要だった建築確認の問題や、建ぺい率・容積率・接道・構造上の問題まで自動的に解消するわけではありません。
この記事では、
・登記と現況が違う建物でも売却できるのか
・どのような違いなら変更登記が必要なのか
・増築未登記とはどのような状態なのか
・「変更登記」と「更正登記」は何が違うのか
・相続した建物の場合はどうするのか
・住宅ローンへどのような影響があるのか
・建築確認の問題はどう確認するのか
・売却前にどの順番で整理すればよいのか
まで、実務の流れに沿って分かりやすく解説します。
株式会社Wakka
株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、空き家、相続不動産、中古住宅、土地、古家などの売却相談に対応する不動産会社です。
築年数の古い住宅や相続した実家では、「登記があるから問題ない」と思っていても、現地を確認すると増築部分が反映されていなかったり、登記上の構造や床面積が現況と異なっていたりすることがあります。
株式会社Wakkaでは、査定価格だけを見るのではなく、登記、相続、建物、境界、接道、残置物など、売却までに確認すべき問題を整理することを重視しています。
建物表題部変更登記など表示に関する登記が必要な場合は土地家屋調査士、相続登記や所有権移転など権利に関する登記が必要な場合は司法書士など、必要に応じて専門家と連携しながら進めます。
また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。相続後に空き家となった住宅を売却・活用へつなげるためには、残置物の整理だけでなく、登記と現況の相違、未登記建物、相続登記など、不動産流通の前段階にある問題を確認することも重要です。
南部町・身延町など峡南地域のほか、静岡県富士宮市・富士市周辺の不動産についてもご相談を承っています。
株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
目次
登記と現況が違う建物とは?
建物登記には種類・構造・床面積などが記録される
よくある「登記と現況が違う」5つのケース
登記と現況が違う建物は売却できる?
売買契約は可能でも、そのまま決済できるとは限らない
住宅ローンや買主の購入判断へ影響する
増築した建物は「建物表題部変更登記」が必要?
床面積・構造・種類などが変わった場合
「変更登記」と「更正登記」の違い
相続した建物の登記と現況が違う場合
相続登記と建物表題部変更登記は別の手続き
相続人が増築時期を知らない場合の確認方法
登記を直せば建築基準法上も問題ない?
不動産登記と建築基準法は別の制度
確認済証・検査済証がない場合の考え方
売却前に確認したい増築以外の問題
未登記の離れ・倉庫・解体済み建物
境界・接道・越境・インフラも確認する
登記と現況が違う不動産を売却する流れ
調査・査定から変更登記・販売まで
現況のまま売る・解体する方法も比較する
まとめ|登記の相違を見つけたら「直す前に整理」する
土地家屋調査士・司法書士・建築士・不動産会社の役割
登記が違う段階でも不動産会社へ相談できる
1. 登記と現況が違う建物とは?
1-1. 建物登記には種類・構造・床面積などが記録される
建物の登記記録は、大きく「表題部」と「権利部」に分かれています。
表題部には、建物そのものを特定するための情報が記録されます。
主な内容は、
・所在
・家屋番号
・種類
・構造
・床面積
・附属建物がある場合はその内容
などです。
「種類」とは、居宅、店舗、事務所、倉庫など、建物の主な用途を表すものです。
「構造」には、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造などの主要材料だけでなく、屋根の種類や階数も反映されます。
例えば、
「木造瓦葺平家建」
「木造スレート葺2階建」
などです。
そのため、登記事項証明書に、
「木造草葺平家建」
と記載されているのに、現在は、
「木造スレート葺2階建」
となっているのであれば、建物の構造に関する登記事項が現況と異なっている可能性があります。
床面積も重要です。
登記上、
1階 70.00㎡
となっている住宅へ20㎡程度の部屋を増築し、実際には約90㎡となっている場合、増築が登記へ反映されていない可能性があります。
このように、建物そのものは登記されていても、現在の状態が登記記録へ反映されていない状態を、一般的に「増築未登記」「登記と現況が違う」と呼ぶことがあります。
ただし、建物自体が法務局に一度も登記されていない「完全未登記建物」とは別の問題です。
1-2. よくある「登記と現況が違う」5つのケース
登記と現況が違う代表的なケースを整理してみましょう。
①平家から2階建てへ増築した
登記上は平家建ですが、後から2階部分を増築し、実際には2階建てになっているケースです。
階数だけでなく床面積も変わっているため、建物表題部変更登記を検討する必要があります。
②1階部分を増築した
縁側、居室、台所、浴室などを後から増築し、建物の床面積が登記より大きくなっているケースです。
増築部分だけに独立した登記をするのではなく、通常は既存建物の床面積等を現況へ合わせる建物表題部変更登記を検討します。
③屋根を変更した
例えば、登記上「草葺」だった住宅を改修し、スレート葺や金属板葺などに変更しているケースです。
不動産登記上、屋根の種類は建物の「構造」の一部として扱われるため、変更登記が必要になる可能性があります。
④建物の用途を変更した
例えば、
居宅
↓
店舗兼居宅
倉庫
↓
事務所
など、主な利用方法が変わっているケースです。
建物の「種類」に変更がある場合、変更登記の対象になります。
ただし、建築基準法上の用途変更の手続きが必要かどうかは別途確認が必要です。
⑤離れや倉庫が増えている
母屋を登記した後、敷地内に離れ、物置、倉庫、車庫などを建てているケースです。
既存建物の附属建物として登記するのか、独立した建物として登記するのかは、建物の構造・利用状況などを土地家屋調査士が確認して判断します。
このように「登記と現況が違う」といっても原因は一つではありません。
まずは、
何が違っているのか
を特定することが第一歩です。
2. 登記と現況が違う建物は売却できる?
2-1. 売買契約は可能でも、そのまま決済できるとは限らない
登記と現況が違う建物について、
「登記を直さない限り売買契約そのものができない」
と考える必要はありません。
民法では、所有権の移転は当事者の意思表示によって効力を生じることが原則です。
したがって、登記上の床面積が現況と異なるという理由だけで、売主と買主との売買契約が当然に無効になるわけではありません。
しかし、実際の不動産取引では、
契約できること
と、
安全に決済・引渡しまで進められること
は分けて考える必要があります。
例えば、
登記上
木造瓦葺平家建 70㎡
現況
木造スレート葺2階建 110㎡
という住宅を売却するとします。
買主は実際には110㎡の2階建て住宅を購入するにもかかわらず、法務局の登記記録には70㎡の平家しか記録されていません。
この状態では、
・売買対象となる建物の内容
・住宅ローンの担保評価
・抵当権設定
・固定資産税資料との整合
・建築確認関係資料との整合
などを確認する必要が出てきます。
そのため、実務では売買契約前または決済までに登記を現況へ合わせることを求められることがあります。
特に相違が大きい場合には、販売開始前に土地家屋調査士へ確認しておく方が安全です。
2-2. 住宅ローンや買主の購入判断へ影響する
登記と現況の違いが最も大きく影響しやすいのが、買主の住宅ローンです。
住宅ローンを利用する場合、金融機関は購入する土地・建物へ抵当権を設定することが一般的です。
その際、金融機関は登記事項証明書などを確認します。
登記上70㎡の平家なのに、現況が110㎡の2階建てであれば、
「なぜ40㎡増えているのか」
「いつ増築したのか」
「増築部分は登記できるのか」
「建築確認は必要だったのか」
「建ぺい率や容積率に問題はないか」
などを確認される可能性があります。
金融機関ごとに審査基準は異なるため、「増築未登記なら必ず住宅ローンが使えない」とまではいえません。
しかし、登記と現況の相違が融資審査や融資実行の条件になる可能性はあります。
また、現金購入の買主であっても問題がなくなるわけではありません。
購入後に自分が売却するとき、住宅ローンを利用するとき、増改築するときなどに同じ問題が残ります。
そのため、買主から、
「売主側で変更登記を済ませてください」
という条件が出ることがあります。
売主としても、契約後になって初めて変更登記が必要と分かるより、査定段階で確認しておいた方が取引を進めやすくなります。
3. 増築した建物は「建物表題部変更登記」が必要?
3-1. 床面積・構造・種類などが変わった場合
建物の登記事項に変更があった場合に行うのが「建物表題部変更登記」です。
法律上の正式な表現は「建物の表題部の変更の登記」です。
不動産登記法では、建物の表示に関する登記事項に変更があった場合、表題部所有者または所有権の登記名義人は、原則として変更があった日から1か月以内に変更登記を申請することとされています。
正当な理由なく申請義務を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる規定があります。
変更登記の対象となる代表例は、
・増築して床面積が増えた
・一部を取り壊して床面積が減った
・平家から2階建てになった
・屋根の種類が変わった
・建物用途が変わった
・附属建物を新築した
・附属建物を取り壊した
などです。
例えば、
登記:木造草葺平家建
現況:木造スレート葺2階建
という場合には、
屋根の種類
階数
床面積
など複数の登記事項について変更が生じている可能性があります。
この場合、登記事項証明書だけを見て申請内容を判断するのではなく、土地家屋調査士が現地を調査し、現在の建物を測量したうえで必要な変更内容を整理します。
増築時の建築確認済証、検査済証、設計図、工事契約書などが残っていれば、増築時期や内容を確認する資料になります。
資料がない場合でも直ちに登記できないとは限りません。
固定資産税資料、現地調査、航空写真、工事関係資料などから確認できる場合もあるため、まず土地家屋調査士へ相談することが現実的です。
3-2. 「変更登記」と「更正登記」の違い
登記を修正する手続きには「変更」と「更正」があります。
似た言葉ですが、意味は異なります。
簡単に整理すると、
最初は正しい登記だったが、その後建物が変わった
→変更登記
最初の登記をした時点から内容が間違っていた
→更正登記
という違いです。
例えば、新築時は本当に70㎡の平家であり、その後30㎡増築したのであれば「変更」です。
一方、新築当初から実際には80㎡あったのに、登記申請時に70㎡と誤って登記されていたのであれば「更正」の問題になります。
相続した古い家では、現在の所有者が、
「増築した結果違っているのか」
「昔から登記が間違っていたのか」
を判断できないことがあります。
この違いによって登記原因や必要な調査が変わるため、自分だけで「変更登記をすればよい」と決めない方がよいでしょう。
土地家屋調査士に登記簿、建物図面、固定資産税資料、現地などを確認してもらい、
「変更なのか」
「更正なのか」
「別の登記が必要なのか」
を判断します。
4. 相続した建物の登記と現況が違う場合
4-1. 相続登記と建物表題部変更登記は別の手続き
相続した実家では、
「父名義のまま」
「増築部分が未反映」
という2つの問題が同時に存在することがあります。
ここで重要なのは、
相続登記と建物表題部変更登記は別の登記
ということです。
相続登記は、亡くなった所有者から相続人へ「所有権」を移す権利に関する登記です。
一方、建物表題部変更登記は、建物の種類、構造、床面積など、建物の物理的な状態を変更する表示に関する登記です。
したがって、
「相続登記をすれば増築部分も自動的に登記される」
わけではありません。
例えば、
所有者 父
登記 木造瓦葺平家建70㎡
現況 木造スレート葺2階建110㎡
という状態で父が亡くなり、長男が相続する場合を考えます。
この場合、
・父から長男への相続登記
・現況に合わせる建物表題部変更登記
の双方を検討する必要があります。
どちらを先に進めるのが適切かは、現在の登記状態、相続関係、売却時期、登記申請の内容などによって異なります。
権利登記を扱う司法書士と、表示登記を扱う土地家屋調査士の双方へ確認した方がよいケースもあります。
また、相続登記は2024年4月1日から義務化されています。
相続によって不動産を取得したことを知った場合は、原則としてその取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
2024年4月1日より前に相続したことを知っていたものの相続登記が未了の場合は、原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。
「建物の変更登記が終わっていないから相続登記も何年間も放置する」という進め方は避け、必要な手続きを専門家と整理することが重要です。
4-2. 相続人が増築時期を知らない場合の確認方法
相続した実家では、増築を行った本人がすでに亡くなっており、
「いつ2階を増築したのか分からない」
というケースもあります。
しかし、増築時期が分からないからといって、そこで売却を諦める必要はありません。
まず探したいのは、
・建築確認済証
・検査済証
・設計図面
・工事請負契約書
・リフォーム関係資料
・領収書
・固定資産税の課税明細
・過去の写真
などです。
自治体側に建築確認等に関する記録が残っている場合には、台帳記載事項証明などにより確認できることもあります。
固定資産税の家屋課税資料から、増築部分がいつ頃課税対象に加わったかを確認できる可能性もあります。
また、現在の建物を土地家屋調査士が調査することで、登記内容と現況の差を把握できます。
重要なのは、相続人が分からないことを推測で説明しないことです。
「昭和50年頃に増築したと思う」
という記憶しかないのであれば、そのまま断定せず、客観的資料を確認します。
売却時にも、
「売主は相続により取得しており、増築時期の詳細は不明」
など、把握している範囲を適切に説明することが重要です。
5. 登記を直せば建築基準法上も問題ない?
5-1. 不動産登記と建築基準法は別の制度
増築未登記の不動産で、最も注意しなければならない点の一つです。
建物表題部変更登記ができたことと、その増築が建築基準法に適合していることは同じではありません。
不動産登記は、建物が現在どのような状態にあるのかを法務局の登記記録へ公示する制度です。
一方、建築基準法は、建物の安全性、敷地、道路、用途、構造などについて基準を定めています。
つまり、
増築部分を測量する
↓
現況に合わせて変更登記をする
↓
登記簿が2階建て110㎡になる
という手続きが完了しても、
「その増築が当時必要だった建築確認を受けていたか」
「増築後の建ぺい率・容積率が基準内か」
「接道条件に問題がないか」
まで自動的に証明されるわけではありません。
逆に、増築時に適法な手続きを行っていたのに、建物表題部変更登記だけ行われていなかったというケースも考えられます。
したがって、
増築未登記=違反建築物
と一律に判断することも適切ではありません。
増築した時期、場所、建物規模、その当時適用されていた法律などを確認する必要があります。
建築基準法は過去に何度も改正されているため、現在の基準だけを見て何十年前の増築が適法だったかを判断することもできません。
5-2. 確認済証・検査済証がない場合の考え方
古い住宅では、
「確認済証が見つからない」
「検査済証がない」
ということがあります。
しかし、書類が手元にないという理由だけで、直ちに「違反建築」と断定するべきではありません。
所有者が書類を紛失している場合もあります。
また、建築された時期や区域、建物規模などによって、当時の建築確認制度の対象そのものが異なる場合があります。
国土交通省では既存建築物について、確認済証や検査済証の有無だけではなく、行政の記録や現地調査などから建築基準法への適合状況を調べる「既存建築物の現況調査ガイドライン」を示しています。
必要に応じて建築士や特定行政庁、指定確認検査機関などへ相談する方法があります。
もう一つ知っておきたいのが「既存不適格建築物」です。
既存不適格とは、建築当時は適法だったものの、その後の法改正や都市計画の変更などによって現在の基準には適合しなくなった建物です。
これは、建築した当時から法律に違反していた建物とは意味が異なります。
したがって、
「今の建築基準に合っていない=違反建築」
とも限りません。
売却時に過去の増築について疑問がある場合は、
・増築時期
・当時の建築確認記録
・建築確認済証
・検査済証
・現在の建物状態
などを確認し、必要に応じて建築士や行政へ相談します。
なお、2025年4月1日から建築確認制度が見直され、2階建て木造住宅などについて建築確認・検査の対象が拡大されています。
ただし、これは現在新たに増築・改修等を行う場合の制度です。
何十年も前に行われた増築については、その工事当時の法令や区域等に基づいて確認する必要があります。
6. 売却前に確認したい増築以外の問題
6-1. 未登記の離れ・倉庫・解体済み建物
母屋の登記と現況を確認するときは、敷地内にある他の建物も一緒に確認しましょう。
例えば、
母屋 登記済み
離れ 未登記
車庫 未登記
倉庫 登記済みだがすでに解体
という状態になっている場合があります。
離れや倉庫については、
・独立した建物として登記するのか
・母屋の附属建物として登記するのか
・そもそも不動産登記上の「建物」に該当するか
などを確認します。
反対に、登記簿には建物があるのに現地には存在しない場合は、建物滅失登記が必要になることがあります。
売却前には、
法務局の登記
現地にある建物
固定資産税の課税資料
の3つを照合すると状況を整理しやすくなります。
地方の古い実家では、母屋以外に納屋、物置、車庫、作業場などが複数存在することもあるため、母屋だけを確認して終わりにしないことが重要です。
6-2. 境界・接道・越境・インフラも確認する
建物の登記を直しても、ほかの問題が残っていれば売却が止まる可能性があります。
特に確認したいのが接道です。
建物が建っているからといって、現在の建築基準法上、自由に建替えできるとは限りません。
前面道路について、
・建築基準法上の道路か
・道路幅員はいくらか
・敷地が必要な長さ接しているか
・私道の場合にどのような権利があるか
などを確認します。
増築によって建物が道路側へ広がっている場合や、古い住宅では道路後退との関係を確認する必要があることもあります。
境界についても、
・境界標があるか
・屋根や雨樋が越境していないか
・ブロック塀や石積みが境界線上にあるか
などを確認します。
増築部分が隣地へ越境している可能性がある場合には、変更登記だけでなく測量や隣地所有者との調整が必要になることがあります。
水道、下水道、浄化槽についても、長期間空き家になっている場合は状態を確認します。
特に相続した地方の空き家では、
増築未登記
+境界不明
+浄化槽長期未使用
+残置物多数
というように複数の問題が重なることがあります。
株式会社Wakkaでは、一つの問題だけを個別に処理するのではなく、売却までに必要となる事項を全体で整理し、優先順位を決めることを重視しています。
7. 登記と現況が違う不動産を売却する流れ
7-1. 調査・査定から変更登記・販売まで
登記と現況が違う建物を売却するときは、次のような順番で進めると整理しやすくなります。
1.登記事項証明書を確認する
まず現在の建物登記を確認します。
種類、構造、床面積、附属建物などを確認します。
2.固定資産税資料を確認する
固定資産税課税明細などと照合します。
法務局の床面積と固定資産税上の床面積が違う場合には、その理由を確認します。
3.現地と比較する
実際の建物について、
・階数
・屋根
・床面積
・増築部分
・離れ
・車庫
・倉庫
などを確認します。
4.不動産会社へ査定を依頼する
登記を直す前に、建物を残して売却する価値があるかを確認します。
増築部分を含めて中古住宅として販売するのか、古家付き土地として販売するのか、解体するのかによって必要な対応が変わることがあります。
5.土地家屋調査士へ相談する
現況と登記が違う場合には、土地家屋調査士へ相談し、
・建物表題部変更登記
・更正登記
・建物表題登記
・建物滅失登記
など、必要な表示登記を確認します。
6.建築関係資料を確認する
必要に応じて、建築確認済証、検査済証、増築時の資料、行政記録などを確認します。
建築基準法上の問題が疑われる場合には、建築士や行政等へ相談します。
7.相続登記等を整理する
亡くなった人名義の場合には、司法書士へ相続登記について相談します。
抵当権が残っていれば抹消方法も確認します。
8.販売を開始する
登記整理が完了してから販売する方法だけでなく、登記手続きと販売を並行して進める方法もあります。
ただし、販売資料や買主への説明では、現在の登記状態を正確に伝える必要があります。
9.売買契約
契約時点で変更登記が完了していない場合には、
「売主の責任と負担において引渡しまでに建物表題部変更登記を完了する」
など、誰がどの手続きを行うのか契約条件を明確にします。
10.決済・引渡し
最終的な登記状態を確認したうえで、残代金の授受と所有権移転登記を行います。
このように、
現況確認
→売却方法決定
→必要な登記整理
→販売・契約
という流れを意識することが重要です。
7-2. 現況のまま売る・解体する方法も比較する
登記と現況が違うからといって、すべての物件について売主が変更登記を行い、建物付きで売却するのが最適とは限りません。
建物の状態によっては、
古家付き土地として売却する
方法もあります。
買主が購入後に解体することを前提とする場合、建物の利用価値より土地価格を中心に販売することになります。
また、売主側で解体してから土地として売却する方法もあります。
ただし、
「登記が面倒だから壊してしまえばよい」
と先に判断することはおすすめできません。
建物を解体すると解体費用が発生します。
登記済み建物であれば、解体後に建物滅失登記も必要です。
また、住宅を解体することで、土地に適用されていた住宅用地に対する固定資産税等の特例が翌年度以降適用されなくなる可能性もあります。
さらに相続した空き家では、一定の要件を満たした場合に利用できる「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」と解体時期・売却方法が関係する場合があります。
したがって、
A:変更登記をして中古住宅として売る
B:古家付き土地として売る
C:一定の条件を整理して現況で売る
D:売主が解体して土地として売る
という選択肢を比較します。
売却方法を決めた後で、
「変更登記まで必要か」
を判断した方が、不必要な費用を抑えられる可能性があります。
8. まとめ|登記の相違を見つけたら「直す前に整理」する
8-1. 土地家屋調査士・司法書士・建築士・不動産会社の役割
登記と現況が違う建物では、複数の専門家が関係することがあります。
それぞれの役割を整理しておきましょう。
不動産会社
・不動産査定
・販売方法の検討
・媒介契約
・販売活動
・買主との条件調整
・変更登記や解体を含めた売却方法の整理
を担当します。
土地家屋調査士
・建物表題登記
・建物表題部変更登記
・建物表題部更正登記
・建物滅失登記
・土地分筆
・地積更正
・境界、測量
など、土地・建物の物理的状況に関する表示登記を扱います。
今回の記事で中心となる、
「平家から2階建てになっている」
「増築して床面積が違う」
「屋根の種類が違う」
といった問題は、まず土地家屋調査士へ確認する分野です。
司法書士
・相続登記
・所有権保存登記
・売買による所有権移転登記
・抵当権抹消登記
など、所有権や担保権といった権利に関する登記を扱います。
建築士
増築部分について建築基準法への適合状況を確認したい場合や、建築確認資料がない既存住宅について現況調査が必要な場合などに相談します。
税理士
相続した住宅を売却するときの譲渡所得税や空き家の3,000万円特別控除など、税務判断が必要な場合に相談します。
重要なのは、
「登記の問題」と「建築基準法の問題」を一人の専門家ですべて判断しないこと
です。
例えば、
登記と現況が違う
↓
土地家屋調査士が調査
増築時の建築確認が不明
↓
建築士・行政等へ確認
所有者が亡くなっている
↓
司法書士が相続登記
売却方法を決める
↓
不動産会社
というように役割を分けます。
8-2. 登記が違う段階でも不動産会社へ相談できる
登記と現況が違うことが分かると、
「すべて登記を直してから不動産会社へ相談しよう」
と考える方もいます。
しかし、必ずしも最初に登記をすべて直す必要はありません。
例えば築年数が非常に古く、建物を利用する買主がほとんど想定されない物件について、先に費用をかけて増築部分の変更登記を行った後、結局は解体して土地として販売することになれば、その登記費用を事前に検討できた可能性があります。
反対に、建物状態が良く、中古住宅として十分販売できるのであれば、変更登記を整えて住宅ローンを利用する買主にも検討してもらいやすい状態にすることが有効な場合があります。
そのため、登記と現況が違う不動産では、次の順番で考えることをおすすめします。
1.登記事項証明書を確認する
まず何が登記されているかを確認します。
2.現地と比較する
階数、屋根、床面積、増築部分、附属建物を確認します。
3.売却方法を検討する
中古住宅として売るのか、古家付き土地として売るのか、解体するのかを考えます。
4.土地家屋調査士へ必要な登記を確認する
変更登記、更正登記、表題登記、滅失登記など必要な手続きを整理します。
5.建築基準法上の確認が必要か判断する
増築時の確認済証や検査済証がない、建ぺい率・容積率が疑わしいなどの場合には、建築士や行政等へ確認します。
6.相続登記など権利関係を整理する
亡くなった人名義であれば司法書士へ相談します。
7.販売・契約・引渡しへ進む
買主へ説明すべき事項を整理し、決済までに必要な手続きを完了します。
登記上は平家なのに実際には2階建て。
登記上は草葺なのに現在はスレート葺。
登記面積より実際の建物が大きい。
離れや倉庫が登記されていない。
このような状態が見つかっても、
「登記が違う=売却できない」
と考える必要はありません。
一方で、
「昔からこの状態だから問題ない」
と放置したまま売却を進めることもおすすめできません。
重要なのは、
どこが違うのか
↓
なぜ違うのか
↓
どの登記が必要なのか
↓
建築基準法上の確認も必要なのか
↓
売却前に直すのか、別の売却方法を選ぶのか
という順番で整理することです。
株式会社Wakkaが拠点を置く山梨県南部町や身延町など峡南地域、静岡県富士宮市周辺には、築年数の古い住宅や、相続を繰り返してきた空き家もあります。
こうした不動産では、増築未登記だけでなく、相続登記、未登記建物、境界、接道、残置物など複数の問題が同時に見つかることがあります。
株式会社Wakkaでは、南部町との空き家対策に関する協定で培う地域課題への視点も踏まえながら、不動産会社として売却前に整理すべき事項を確認し、必要に応じて土地家屋調査士、司法書士、建築士、税理士などへつなげることを重視しています。
「登記簿と現況が違うことが分かった」
という段階であっても、不動産売却の相談を始めることはできます。
先に費用をかけて登記・解体・修繕を行うのではなく、
現在の状態を調べる
↓
売り方を考える
↓
その売り方に必要な手続きだけを整理する
という順番で進めることが、登記と現況が違う建物を売却するときの重要なポイントです。
株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
株式会社Wakka
住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
NEW
-
2026.09.08 -
2026.09.08建物の名義人と...建物の名義人と土地の名義人が違う不動産は売却で... -
2026.09.08空き家と畑をま...空き家と畑をまとめて売りたい|農地付き中古住宅... -
2026.09.07農家でなくても...農家でなくても農地を買える?農地法3条許可の条件... -
2026.09.07農地付きの家は...農地付きの家は売却できる?農地法3条・5条と売買... -
2026.09.07古い抵当権が残...古い抵当権が残っている不動産は売れる?何十年も... -
2026.09.07登記されていな...登記されていない家を相続したらどうする?未登記... -
2026.09.05登記と現況が違...登記と現況が違う建物は売却できる?増築・未登記...