未登記建物がある不動産は売却できる?表題登記・保存登記・相続登記をわかりやすく解説

未登記建物がある不動産は売却できる?表題登記・保存登記・相続登記をわかりやすく解説

未登記建物がある不動産は売却できる?表題登記・保存登記・相続登記をわかりやすく解説


実家や空き家を相続し、売却しようと登記を調べたところ、「土地は登記されているのに建物の登記が見つからない」「固定資産税は払っているのに法務局では建物が出てこない」「登記簿には平家と書いてあるのに実際は2階建てになっている」と分かることがあります。


このような建物は、一般に「未登記建物」と呼ばれます。


特に築年数の古い住宅、親や祖父母の代から所有している実家、増改築を繰り返している建物、離れ・倉庫・車庫などでは珍しくありません。


では、未登記建物がある不動産は売却できないのでしょうか。


結論からいうと、未登記建物があるからといって売買契約そのものが直ちにできないわけではありません。


民法では、不動産の所有権の移転は当事者の意思表示によって効力を生じることが原則です。そのため、未登記建物を対象とした売買契約自体が当然に無効になるわけではありません。


しかし、不動産について所有権の取得を第三者へ主張するためには登記が重要です。また、一般的な不動産売買では、買主への所有権移転登記、住宅ローン、抵当権設定、建物の特定などが必要になるため、未登記のままでは実務上大きな支障が生じることがあります。


そのため、実際の売却では、

「未登記だから売れない」

と考えるのではなく、

「どの部分が未登記なのかを確認し、売却までにどの登記を整える必要があるのかを判断する」

ことが重要です。


さらに「未登記」と一言でいっても、

・建物そのものが一度も登記されていない
・表題登記はあるが所有権保存登記がない
・亡くなった人の名義のまま相続登記されていない
・増築部分だけ登記されていない
・登記上の種類・構造・床面積と現況が違う

など、状態によって必要な手続きが異なります。


この記事では、未登記建物の意味から、表題登記、所有権保存登記、相続登記の違い、未登記建物を含む不動産を売却する方法、専門家への相談の順番まで、初心者にも分かるように解説します。


株式会社Wakka


株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、空き家、相続不動産、中古住宅、土地、古家、農地付き住宅などの売却相談に対応する不動産会社です。


地方の相続不動産では、査定を行う前後に「建物が未登記だった」「増築部分が登記されていない」「解体した倉庫が登記簿に残っている」「土地は相続登記済みだが建物は整理されていない」といった問題が見つかることがあります。


株式会社Wakkaでは、こうした物件についても、単に査定価格だけを見るのではなく、売却の前提となる問題を整理し、必要に応じて土地家屋調査士、司法書士、税理士、弁護士などと連携しながら次の手続きを検討することを重視しています。


また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を結んでいます。相続後に空き家となった住宅について、未登記建物、相続登記、残置物、境界など、不動産流通の前段階にある課題を整理することも、空き家を次の所有者や活用につなげるうえで重要です。


南部町・身延町など峡南地域のほか、静岡県富士宮市・富士市周辺の相続不動産や空き家についてもご相談を承っています。


株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064


目次


  1. 未登記建物とは?まず3つの状態を区別する

    1. 建物自体が登記されていない「完全未登記」

    2. 表題登記済み・保存登記未了・現況相違は別の問題

  2. 表題登記・保存登記・相続登記の違い

    1. 表題登記は建物の「物理的な情報」を登録する

    2. 保存登記と相続登記は「所有権」に関する登記

  3. 未登記建物がある不動産は売却できる?

    1. 売買契約は可能でも未登記のままでは問題が多い

    2. 住宅ローン・所有権移転・買主の不安に影響する

  4. 相続した未登記建物はどう登記する?

    1. 完全未登記なら通常の「相続登記」とは流れが異なる

    2. 表題登記だけある建物・保存登記済み建物の違い

  5. 未登記建物の表題登記を進める方法

    1. 土地家屋調査士が建物を調査して登記内容を整理する

    2. 古い建物で所有権を証明する資料がない場合

  6. 売却前に確認したい未登記以外の問題

    1. 増築・離れ・倉庫・滅失済み建物を確認する

    2. 境界・接道・農地・残置物も同時に確認する

  7. 未登記建物を売却する具体的な流れ

    1. 査定から登記整理・媒介・売買契約まで

    2. 解体して土地として売却する方法も比較する

  8. まとめ|未登記建物は「登記の状態」を確認することから始める

    1. 土地家屋調査士・司法書士・不動産会社の役割

    2. 登記を全部終えてからでなくても売却相談はできる

1. 未登記建物とは?まず3つの状態を区別する


1-1. 建物自体が登記されていない「完全未登記」


「未登記建物」と聞くと、単純に「所有者の名義が登録されていない建物」と考える方もいます。


しかし、不動産登記は大きく、

表題部
権利部

に分かれています。


建物の表題部には、主に、

・所在
・家屋番号
・種類
・構造
・床面積

など、建物そのものの物理的な情報が記録されます。


例えば、

「居宅」
「木造瓦葺2階建」
「1階80㎡、2階40㎡」

といった情報です。


一方、権利部には所有権や抵当権などが記録されます。

建物について法務局に登記記録そのものが存在せず、表題部さえ作成されていない状態が、いわゆる「完全未登記」の建物です。


地方の古い実家では、母屋は登記されているものの、

・後から建築した離れ
・車庫
・倉庫
・物置
・作業場

などが未登記になっていることもあります。


また、固定資産税の納税通知書に建物が載っているからといって、法務局への登記が済んでいるとは限りません。


市区町村が管理する固定資産税の家屋課税台帳と、法務局が管理する不動産登記記録は別の制度です。

実際に自治体では、法務局に登記されていない「未登記家屋」についても固定資産税上の名義変更手続きを設けている場合があります。


つまり、

「固定資産税を払っている=法務局に登記されている」

とは限らないのです。


最初に、登記事項証明書や登記情報を確認し、本当に建物の登記記録があるのかを確認する必要があります。


1-2. 表題登記済み・保存登記未了・現況相違は別の問題


もう一つ注意したいのが、「表題登記はあるが、所有権保存登記がされていない建物」です。

この場合、建物は完全な未登記ではありません。

表題部には建物の所在、構造、床面積などが記録され、表題部所有者も記載されていますが、所有権に関する権利部の登記が作られていない状態です。

古い建物では、この状態のまま何十年も経過していることがあります。


さらに、

「登記されているので問題ない」

と思っていても、現況と登記内容が違うことがあります。


例えば、

・登記上は平家だが現況は2階建て
・増築して床面積が増えている
・瓦葺からスレート葺などへ変更されている
・店舗から居宅など用途が変わっている
・附属建物が増えている

といったケースです。


建物の種類・構造・床面積等に変更があった場合には、建物表題部変更登記が問題になります。


したがって、売却前には、

①建物の登記記録自体がないのか
②表題部はあるが保存登記がないのか
③保存登記まで済んでいるが亡くなった人名義なのか
④登記内容と現況が違うのか

を分けて確認する必要があります。


ここを間違えると、本来必要ではない登記を依頼したり、逆に必要な登記を見落としたりすることがあります。


2. 表題登記・保存登記・相続登記の違い


2-1. 表題登記は建物の「物理的な情報」を登録する


建物表題登記とは、その建物がどこにあり、どのような建物なのかを法務局の登記記録へ初めて登録する手続きです。


不動産登記法では、新築した建物、または表題登記がない建物の所有権を取得した人は、原則として所有権を取得した日から1か月以内に表題登記を申請しなければならないとされています。

正当な理由なく申請義務を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる規定があります。


つまり、表題登記は「やってもやらなくてもよい登記」ではありません。

表題登記では、土地家屋調査士が法務局の資料や現地を調査し、建物の位置、種類、構造、床面積などを確認します。

必要に応じて建物図面、各階平面図などを作成し、登記申請を行います。


建築した当時の、

・建築確認済証
・検査済証
・工事完了引渡証明書
・工事関係資料
・固定資産税関係資料

なども所有権や建築経緯を確認する資料として検討されます。


ただし、「この書類が1枚あれば必ず登記できる」というものではありません。

特に築年数が古く、建築した人や施工会社がすでに存在しない場合には、どの資料で建物所有権を証明するのかを土地家屋調査士や法務局と確認する必要があります。


表題登記など「表示に関する登記」の代理を業務として行う専門家は土地家屋調査士です。

司法書士が建物を測量して表題登記を行う、という区分ではありません。


2-2. 保存登記と相続登記は「所有権」に関する登記


表題登記が終わると、建物について表題部が作られます。

しかし、この段階では一般的な意味での所有権の権利登記である「甲区」はまだ作られていません。


そこで行うのが所有権保存登記です。


所有権保存登記とは、その建物について最初の所有権の登記をする手続きです。

表題登記が「どのような建物か」を登録するのに対して、保存登記は、

「この建物の所有権者は誰か」

を権利部へ初めて登記するものと考えると分かりやすいでしょう。


表題登記と異なり、所有権保存登記には一般的な申請義務はありません。

そのため、古い住宅では表題登記だけ行われ、所有権保存登記がされないまま残っているケースがあります。


ただし、売却して買主への所有権移転登記を通常の形で行う場合や、金融機関が抵当権を設定する場合などには、所有権に関する登記を整える必要があります。

所有権保存登記や所有権移転登記など「権利に関する登記」は、司法書士が専門とする分野です。


一方、「相続登記」とは、すでに権利部に所有者として登記されている人が亡くなった場合などに、相続した人へ所有権の名義を変更する登記をいいます。

つまり、


表題登記
=建物そのものを初めて登録


所有権保存登記
=その建物について初めて所有権を登記


相続登記
=登記されている所有権を相続人へ移す

という違いがあります。


この3つを理解しておくと、未登記建物の売却手続きをかなり整理しやすくなります。


3. 未登記建物がある不動産は売却できる?


3-1. 売買契約は可能でも未登記のままでは問題が多い


未登記建物があると、「法律上売ること自体ができない」と説明されることがありますが、正確には少し異なります。

民法では、物権の設定・移転は当事者の意思表示のみによって効力を生じることが原則とされています。


したがって、売主と買主が未登記建物を含めて売買することに合意したからといって、その売買契約が未登記という理由だけで当然に無効になるわけではありません。

しかし、不動産に関する所有権の取得などは、登記をしなければ第三者へ対抗できないことが民法で定められています。


例えば、買主が未登記建物を購入したとしても、自分がその建物の所有者であることを登記によって公示できていなければ、後の権利関係で問題が生じる可能性があります。

また、一般的な中古住宅売買では、土地と建物について司法書士が登記記録を確認し、決済時に買主への所有権移転登記を行います。


完全未登記建物には通常の所有権移転登記を行うための権利部が存在しません。

そのため、

「契約できるか」

と、

「安全に通常の不動産取引として決済・登記できるか」

は別の問題です。


実務上は、販売前または決済までに建物の登記状態を整理しておくことが望ましいケースが多くなります。


ただし、すべての未登記建物について必ず売主が表題登記・保存登記まで終えなければ売買契約を締結できない、という単純なルールでもありません。


買主側で取得後に表題登記等を行う方法が検討できる場合や、売主が解体して土地のみを引き渡す方法なども考えられます。


重要なのは、契約前に登記方法と費用負担を明確にしておくことです。


3-2. 住宅ローン・所有権移転・買主の不安に影響する


未登記建物をそのまま販売すると、最も問題になりやすいのが買主の住宅ローンです。

住宅ローンを利用する場合、金融機関は購入する土地・建物へ抵当権を設定することが一般的です。


しかし、建物が未登記であれば、その建物について通常の形で抵当権設定登記を行うことができません。


そのため金融機関から、

「決済までに建物を登記してください」

と求められることがあります。


金融機関ごとに審査基準は異なりますが、未登記建物があることで住宅ローンの審査や融資実行に支障が出る可能性は考慮しておくべきです。


また、現金購入の買主であっても、

「本当に売主の建物なのか」
「誰が建築したのか」
「床面積は何㎡なのか」
「固定資産税の建物と同じ建物なのか」
「増築部分はどうなっているのか」

という不安が生じます。


特に相続した古い実家の場合、売主自身が建築経緯を知らないことがあります。

売主が「父が建てたと思う」と話していても、不動産取引では客観的な資料による確認が必要です。


登記を整理することは、単に法務局へ書類を提出するだけでなく、売却する対象建物を明確にする意味があります。


そのため、未登記建物が見つかった場合には、販売価格だけでなく、

「この状態のまま、どのような買主なら購入可能か」

という視点で売却方法を検討する必要があります。


4. 相続した未登記建物はどう登記する?


4-1. 完全未登記なら通常の「相続登記」とは流れが異なる


相続した実家で特に誤解されやすいのが、

「未登記建物にも最初に相続登記をする」

という考え方です。


完全未登記建物には、そもそも建物の登記記録も権利部も存在しません。

そのため、すでに登記されている不動産について行う通常の意味での「亡くなった人から相続人への所有権移転登記」を最初にすることはできません。


例えば、

土地
→父名義で登記済み

建物
→父が建てたが完全未登記

という状態で父が亡くなり、長男が土地と建物を相続したとします。


土地については、父から長男への相続による所有権移転登記を行います。

一方、完全未登記の建物については、建物表題登記を行い、その後、必要に応じて所有権保存登記を行うという流れになります。


その際には、

・亡くなった人が建物を所有していたこと
・その人が亡くなったこと
・誰がその建物を相続したか

などを確認する資料が必要になります。


したがって、

「土地と建物を相続したから、土地と建物の相続登記を同じようにする」

とは限りません。


土地と建物は別々の不動産であり、それぞれ現在の登記状態を確認する必要があります。


地方の相続不動産では、

土地だけ相続登記済み
母屋は保存登記済み
離れは完全未登記
倉庫は表題登記だけ
昔の物置は解体済みなのに登記が残っている

というように、同じ敷地内でも複数の状態が混在することがあります。

一つずつ整理することが重要です。


4-2. 表題登記だけある建物・保存登記済み建物の違い


次に、建物の表題登記はされているものの、所有権保存登記がされていない状態を考えてみます。


例えば、登記簿の表題部所有者として父が記載されているものの、権利部が作られていないまま父が亡くなったケースです。

不動産登記法では、表題部所有者だけでなく、その相続人なども一定の場合に所有権保存登記を申請できるとされています。


したがって、必ず一度亡くなった父名義で保存登記をして、その後に相続登記をする、という二段階になるとは限りません。

相続関係を証明したうえで、相続人から保存登記を申請できる場合があります。


一方、父の名義で所有権保存登記まで終わっている建物であれば、長男が取得する場合には通常の相続登記を行います。


整理すると、典型的には次のようになります。

①建物が完全未登記
建物表題登記を検討

所有権保存登記を検討

②表題登記済み・保存登記なし
表題部所有者やその相続人による所有権保存登記を検討

③保存登記済み・亡くなった人名義
相続による所有権移転登記を行う

④登記済みだが増築等が未反映
建物表題部変更登記などを検討

必要に応じて相続登記等を進める


実際には相続人の数、遺言書、遺産分割、登記上の住所、建物所有権の資料などによって手続きが変わるため、個別確認が必要です。


5. 未登記建物の表題登記を進める方法


5-1. 土地家屋調査士が建物を調査して登記内容を整理する


建物が完全未登記であることが分かったら、まず土地家屋調査士への相談を検討します。


土地家屋調査士は、建物や土地の「表示に関する登記」を専門としています。


建物表題登記を行うためには、

「そこに建物がある」

というだけではなく、

・どの土地の上に存在するか
・どのような用途か
・木造、鉄骨造など何の構造か
・何階建てか
・床面積はいくらか
・一つの建物なのか、別棟なのか
・所有者は誰か

などを調査する必要があります。


古い住宅では、固定資産税の課税資料と実際の建物面積が違うこともあります。


増築を何度も行っている場合、

「母屋だと思っていた部分が登記上別の附属建物だった」

と分かることもあります。


逆に、見た目は別棟でも、構造や利用状況によって登記上どのように扱うか確認が必要なケースがあります。


土地家屋調査士は、法務局の登記資料や現地調査、建築資料等をもとに登記する建物を特定します。

そのため、売主が自分で、

「これは未登記だから、この面積で登記すればよい」

と判断するより、最初に専門家へ現地確認を依頼した方が進めやすい場合があります。

表題登記が終わった後、売却のために所有権保存登記が必要であれば、司法書士へつないで進めます。


5-2. 古い建物で所有権を証明する資料がない場合


築50年、60年といった古い住宅では、

「建築確認済証がありません」
「誰が建築したのか分かりません」
「工務店は廃業しています」
「親が建てたことしか分かりません」

ということがあります。


この場合でも、建築当時の資料がないという理由だけで、直ちに登記不能と判断する必要はありません。


固定資産税関係資料、建築関係資料、過去の売買・相続資料、そのほか所有経緯を示す資料を調査し、登記できるかを土地家屋調査士や法務局と検討します。


特に相続物件では、

「誰が建てたか」

だけでなく、

「その建物を現在誰が相続しているのか」

まで証明する必要があります。


戸籍、遺産分割協議書、遺言書など相続関係の書類が必要になることもあります。

また、市区町村の固定資産税課税台帳上の所有者を変更しただけでは、法務局で所有権の登記をしたことにはなりません。


未登記家屋について自治体へ「家屋名義人変更届」を提出したとしても、それは固定資産税上の手続きです。

不動産登記とは別の制度である点に注意してください。

逆に、固定資産税の課税明細書に記載された建物は、未登記建物を発見する手掛かりになることがあります。


相続した実家を調査するときは、

法務局の登記情報と固定資産税の課税資料を両方確認する

ことが有効です。


6. 売却前に確認したい未登記以外の問題


6-1. 増築・離れ・倉庫・滅失済み建物を確認する


売却する建物について確認すべきなのは、完全未登記だけではありません。

よくあるのが増築未登記です。


例えば、もともと平家だった建物に2階部分を増築したにもかかわらず、登記は「木造瓦葺平家建」のままというケースがあります。

また、

・居宅の横に離れを建築した
・車庫を増築した
・倉庫を建てた
・店舗部分を住宅へ改装した

といった変更が登記へ反映されていない場合もあります。


建物の種類、構造、床面積などの登記事項に変更があった場合には、建物表題部変更登記の対象となることがあります。

不動産登記法では、このような変更についても原則1か月以内の申請義務が定められています。


反対に、すでに存在しない建物が登記簿に残っていることもあります。

例えば、昔あった納屋を20年前に解体したのに、登記記録上はいまだに存在しているケースです。


登記されている建物を取り壊した場合には、原則として建物滅失登記を申請します。

売却時に、

「現地には2棟しかないのに登記上は3棟ある」

という状態が判明すると、買主や司法書士、金融機関から整理を求められる可能性があります。


そのため、売却前には、

現地にある建物
登記されている建物
固定資産税が課税されている建物

を照合することが重要です。


6-2. 境界・接道・農地・残置物も同時に確認する


未登記建物が見つかると、どうしても登記だけに意識が向きます。

しかし、地方の空き家や相続不動産では、売却を止める問題がほかにも存在することがあります。


例えば境界です。

古い土地では境界標が見当たらず、隣地との石積みや塀が本当の境界と一致しているか分からないことがあります。

建物の軒、雨樋、ブロック塀などが隣地へ越境している可能性もあります。

次に接道です。

現況では道路から出入りできていても、

・建築基準法上の道路なのか
・公道か私道か
・道路幅員はいくらか
・私道の持分があるか
・通行や掘削について確認が必要か

などによって、建替えや将来利用へ影響する場合があります。


実家の敷地と一緒に田や畑を相続している場合には、農地法の手続きが関係することもあります。


農地を農地として権利移転する場合には農地法3条、農地を転用して権利移転する場合には農地法5条などが関係しますが、実際の許可・届出は区域や利用方法によって異なります。

建物内に残置物が多い場合もあります。


しかし、未登記建物の調査前にすべて処分する必要はありません。


まず不動産会社に、

「どの状態なら販売できるか」

を確認し、登記整理、残置物撤去、測量、解体などの優先順位を決める方が効率的です。


株式会社Wakkaでは、未登記建物だけを単独の問題として見るのではなく、相続登記、境界、接道、農地、残置物なども含めて、売却までに何を整理する必要があるかを確認することを重視しています。


7. 未登記建物を売却する具体的な流れ


7-1. 査定から登記整理・媒介・売買契約まで


未登記建物がある不動産を売却するときは、必ずしもすべての登記を終えてから不動産会社へ相談する必要はありません。


むしろ、最初に不動産会社へ査定を依頼し、

「この建物を残して売るのか」
「解体して土地として売るのか」
「どの登記まで整理する必要があるのか」

を確認してから専門家へ依頼した方が、不要な費用を避けられる場合があります。

一般的には、次のような流れで進めます。


1. 登記・固定資産税資料を確認する

登記事項証明書、公図、固定資産税課税明細などを確認し、現地にある建物と照合します。

2. 不動産会社による現地査定

建物を利用して売却できるのか、古家付き土地として販売するのか、解体した方がよいのかを検討します。

3. 土地家屋調査士へ相談する

完全未登記、増築未登記、登記と現況の相違、滅失建物などがある場合に、必要な表示登記を確認します。

4. 司法書士へ相談する

所有権保存登記、相続登記、抵当権抹消、売却時の所有権移転登記などを確認します。

5. 必要な登記を進める

売却条件や買主の融資条件に合わせて、表題登記、保存登記、相続登記等を行います。

6. 媒介契約・販売活動

登記整理と並行して販売できる場合もあります。販売図面等では、未登記建物の状況を正確に整理しておくことが重要です。

7. 購入申込み・売買契約

契約までに登記が完了していない場合には、「決済までに売主の責任と負担で登記を完了する」など、誰がいつ何を行うか契約条件を明確にします。

8. 決済・所有権移転

最終的な登記状態を司法書士が確認し、残代金の受領と買主への所有権移転を進めます。


大切なのは、

「未登記だから売れない」ではなく、「売却に必要な状態までどう整えるか」を決めること

です。


7-2. 解体して土地として売却する方法も比較する


未登記建物の状態が著しく悪く、買主が建物を使用する可能性が低い場合には、売主側で建物を解体し、土地として販売する方法も考えられます。

この方法であれば、建物を買主へ所有権移転する必要がなくなるため、建物登記を整理して引き渡す方法とは異なる進め方になります。


ただし、

「未登記ならそのまま壊せば何の手続きも必要ない」

と単純に判断するべきではありません。


固定資産税の課税台帳に建物が登録されている場合には、市区町村への家屋滅失に関する届出などが必要となることがあります。


また、登記済み建物であれば、解体後に建物滅失登記が必要です。

解体費用も売主負担となります。


住宅を解体することで、土地に適用されていた住宅用地に対する固定資産税等の特例が翌年度以降適用されなくなる場合もあるため、販売期間との関係も考える必要があります。

さらに、相続した空き家の場合には、一定の要件を満たせば譲渡所得の「被相続人の居住用財産に係る3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。

この特例では建築時期、相続後の利用状況、売却時期、耐震改修や取壊しなどに要件があるため、対象となる可能性がある場合は解体・契約前に税理士や税務署へ確認した方が安全です。


つまり、未登記建物については、

A:登記を整えて建物付きで売る

B:古家付き土地として売る

C:一定の条件で現況のまま売る

D:売主が解体して土地だけ売る

などを比較してから手続きを決めます。


建物が古いという理由だけで、最初から解体を選ぶ必要はありません。


8. まとめ|未登記建物は「登記の状態」を確認することから始める


8-1. 土地家屋調査士・司法書士・不動産会社の役割


未登記建物が見つかったときに重要なのは、問題ごとに相談先を分けることです。


不動産会社

・不動産査定
・売却方法の検討
・古家付き・解体後売却等の比較
・媒介契約
・販売活動
・買主との条件調整

を担当します。


土地家屋調査士

・建物表題登記
・建物表題部変更登記
・建物滅失登記
・土地分筆
・地積更正
・境界や測量

など、土地・建物の物理的状況に関する「表示登記」を扱います。


司法書士

・所有権保存登記
・相続による所有権移転登記
・売買による所有権移転登記
・抵当権抹消
・抵当権設定

など、権利に関する登記を扱います。


税理士

相続税や不動産売却後の譲渡所得税などの税務相談・申告を扱います。


弁護士

相続人間の争い、所有権をめぐる紛争、遺産分割など法律上の争いがある場合の相談先です。


特に未登記建物では、

土地家屋調査士

司法書士

という順番になることがあります。


表題登記がなければ、その後の所有権保存登記を進められないためです。

ただし、売却するか解体するかによって必要な登記そのものが変わることがあります。

そのため、不動産会社も含めて売却方針を先に確認することが重要です。


8-2. 登記を全部終えてからでなくても売却相談はできる


未登記建物があると、

「登記を全部終わらせてから不動産会社に相談しなければならない」

と思う方もいます。


しかし、必ずしもその順番である必要はありません。

例えば、古い未登記住宅について数十万円をかけて登記した後に、

「買主は建物を使わず、土地として購入したい」

となれば、登記費用をかける必要性を事前に検討できた可能性があります。

反対に、中古住宅として販売できる建物であれば、登記を整えることで住宅ローンを利用する購入者も検討しやすくなる場合があります。

したがって、相続した実家や空き家について未登記建物が見つかった場合には、次の順番で考えてみてください。


1. 法務局の登記と固定資産税資料を確認する

本当に完全未登記なのか、表題登記だけなのかを確認します。

2. 現地の建物と登記を照合する

母屋、離れ、車庫、倉庫、増築部分などを確認します。

3. 不動産会社に売却方法を相談する

建物付き、古家付き、現況売却、解体後売却などを比較します。

4. 土地家屋調査士に必要な表示登記を確認する

表題登記、変更登記、滅失登記などが必要かを確認します。

5. 司法書士に権利登記を確認する

保存登記、相続登記、抵当権抹消、買主への所有権移転などを確認します。

6. 必要な登記と売却を並行して進める

決済までに何を完了させるのかを明確にします。


未登記建物があることは、不動産売却にとって確認すべき重要な問題です。


しかし、

「未登記=売却不可能」

ではありません。

重要なのは、

完全未登記なのか
表題登記だけなのか
保存登記まで済んでいるのか
相続登記だけが未了なのか
増築や解体が登記へ反映されていないのか

を正確に確認することです。


株式会社Wakkaが拠点を置く山梨県南部町や身延町などの峡南地域、静岡県富士宮市周辺には、築年数の古い住宅や相続した空き家もあります。

こうした不動産では、未登記建物だけでなく、相続登記、残置物、境界、農地、接道など複数の問題が同時に見つかることがあります。


株式会社Wakkaでは、南部町との空き家対策に関する協定で培う地域課題への視点も踏まえ、不動産会社として売却前に何を整理する必要があるのかを確認し、必要に応じて各専門家と連携することを重視しています。


「建物が未登記と分かった」
「登記簿と実際の建物が違う」
「親名義のままになっている」
「離れや倉庫が登記されているか分からない」

という段階でも、売却相談を始めることはできます。


登記を自分だけで判断して先に進めるのではなく、

現在の登記状態を確認する

売却方法を決める

必要な登記だけを整理する

という順番で進めることが、未登記建物を含む不動産を無理なく売却するための重要なポイントです。


株式会社Wakka
住所:〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064

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株式会社Wakka

住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064

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