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亡くなった親名義の家は売却できる?相続登記が終わっていない不動産の売却方法

「父が亡くなった後も、家と土地の名義が父のままになっている」「母名義の実家を売りたいが、相続登記をしていない」「不動産会社へ相談したら、先に相続登記が必要と言われた」。相続した実家や空き家の売却では、このような相談が少なくありません。

結論からいうと、**亡くなった親名義のままでは、通常の不動産売買として買主へ所有権移転登記を完了することはできません。**相続によって不動産を取得した相続人は、まず相続関係を整理し、原則として相続人名義への相続登記を行ったうえで、買主への売買による所有権移転登記へ進みます。

ただし、「相続登記が終わるまでは不動産会社へ相談も査定もできない」という意味ではありません。所有者、相続人、遺言の有無、遺産分割の見込みなどを確認できれば、相続登記と並行して査定や売却準備を進められる場合があります。大切なのは、契約できるかどうかだけでなく、最終的に誰が売主となり、決済日に買主へ確実に所有権を移転できる状態を作れるかという視点です。

また、2024年4月1日から相続登記は義務化されています。相続により不動産を取得したことを知った日などから原則3年以内に申請する必要があり、2024年4月1日より前に発生した相続も対象です。正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

この記事では、亡くなった親名義の家を売却するまでの流れ、相続登記が必要な理由、相続人が複数いる場合の注意点、未登記建物や空き家がある場合の実務、売却時の税金まで順番に解説します。

株式会社Wakka

株式会社Wakkaは、山梨県南部町を拠点に、不動産売買、空き家、相続不動産、古家、中古住宅、土地の相談に対応しています。南部町とは空き家対策に関する協定を結んでおり、相続登記未了、未登記建物、農地付き物件、古い抵当権、境界、残置物など、売却前に整理が必要な不動産についても、必要に応じて司法書士・土地家屋調査士・税理士・弁護士等と連携しながら進めています。

株式会社Wakka
住所:
〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:
0556-64-8064


目次

  1. 亡くなった親名義の家はそのまま売却できる?

    1. 相続で所有権は移るが、登記名義は自動では変わらない

    2. 売買契約と所有権移転登記は分けて考える

  2. 相続人が複数いる場合は誰が家を売る?

    1. 遺産分割前は原則として相続人の共有状態

    2. 一人が取得して売る方法と共有のまま売る方法

  3. 相続登記義務化で何が変わった?

    1. 原則3年以内・過去の相続も対象

    2. 相続人申告登記だけでは売却できない

  4. 親名義の不動産を売却する具体的な流れ

    1. 相続人・遺言・不動産を確認して相続登記へ

    2. 査定・媒介・契約・決済までの進め方

  5. 相続登記前でも売却準備はどこまでできる?

    1. 査定や不動産会社への相談は早めにできる

    2. 契約前に整理しておきたい条件

  6. 空き家・未登記建物・古い権利がある場合の注意点

    1. 土地だけ相続登記済みでも安心とは限らない

    2. 未登記建物・農地・境界・抵当権を確認

  7. 相続した家を売却するときの税金と費用

    1. 相続登記の登録免許税と売却費用

    2. 譲渡所得・空き家3,000万円控除など

  8. 相続した実家をスムーズに売却するために

    1. 専門家の役割を分けて進める

    2. 南部町・身延町・富士宮市周辺での進め方


1. 亡くなった親名義の家はそのまま売却できる?

親が亡くなった後、法務局の登記簿を取得すると、所有者欄には亡くなった親の氏名がそのまま残っていることがあります。

「もう相続しているのだから、自分がそのまま売主になればよいのでは」と考える方もいますが、不動産売却では民法上の相続と不動産登記上の名義を分けて考える必要があります。

相続で所有権は移るが、登記名義は自動では変わらない

相続は、人が亡くなった時に開始します。遺言や遺産分割などによって最終的な取得者が決まることはありますが、親が亡くなったからといって法務局の登記名義が自動的に相続人へ書き換わるわけではありません。

法務省も、不動産の所有者が亡くなった場合、登記簿の所有者情報は自動的には変更されず、相続人が相続登記を申請する必要があると案内しています。

例えば、登記名義人が父で、父の死亡後に母と子2人が相続人になった場合、相続関係を整理しなければ、誰が家を取得して売却するのか確定しません。

遺言があれば、その内容を確認します。遺言がない場合や遺言で処理されていない不動産については、相続人全員で遺産分割協議を行い、「誰が家と土地を取得するのか」を決める方法が一般的です。

法務省は、相続発生後、原則として遺産が法定相続分の割合で相続人の共有状態となり、共有財産の管理や処分には相続人間での調整が必要になることを案内しています。


売買契約と所有権移転登記は分けて考える

ここで重要なのが、「売買契約を締結できるか」と「買主へ所有権移転登記ができるか」は別問題だという点です。

相続人が確定し、相続人全員が売却に同意しているなど一定の条件が整っていれば、相続登記の申請前に売買契約を検討するケースは実務上あります。ただし、買主へ所有権移転登記をする段階では、売主側の登記名義を整えておく必要があります。

売買による所有権移転登記は、原則として登記によって利益を受ける買主と、登記名義を失う売主が共同で申請します。登記簿上の所有者が既に死亡している親のままでは、亡くなった親本人が登記義務者として買主と共同申請することはできません。

そのため実務では、

亡くなった親

相続人へ相続登記

相続人から買主へ売買による所有権移転登記

という流れを作ります。

「父名義から買主へ直接登記すれば1回で済む」と考えるのは避けましょう。


2. 相続人が複数いる場合は誰が家を売る?

親名義の家の売却で時間がかかりやすいのが、相続人が複数いるケースです。

特に、兄弟姉妹のうち一人が実家の近くに住み、他の相続人が県外に住んでいる場合、「自分が管理しているから自分だけで売却できる」と考えてしまうことがあります。

しかし、管理している人と法的な所有者は同じとは限りません。

遺産分割前は原則として相続人の共有状態

遺産分割が終わる前の遺産は、原則として法定相続分に応じて共同相続人の共有状態となります。法務省も、遺産分割は相続人全員が参加して相続財産の分け方を決める手続きと説明しています。

例えば、

  • 長男

  • 長女

が相続人である場合に、長男だけが「空き家だから売りたい」と考えても、長男一人の判断だけで他の相続人の持分まで処分することはできません。

まず、遺言の有無を確認し、遺言がなければ相続人全員で家の処分方法を話し合う必要があります。

相続人全員が「売却して現金で分けたい」と考えている場合でも、実務上は誰が不動産を取得して売るのか、共有のまま全員で売るのかを決めておくと手続きが分かりやすくなります。


一人が取得して売る方法と共有のまま売る方法

よく使われる方法の一つは、遺産分割協議によって特定の相続人一人が不動産を取得し、その人の単独名義へ相続登記をしてから売却する方法です。

例えば、長男が実家の土地・建物を相続し、売却代金を兄弟間で合意した方法により分けるケースがあります。ただし、売却代金の配分方法によっては税務上の論点も生じるため、単純に「売った後で適当に分ければよい」と考えず、遺産分割協議の内容を司法書士や税理士等へ確認した方が安全です。

もう一つは、複数の相続人が法定相続分や遺産分割で定めた持分により共有登記をし、共有者全員が売主となって売却する方法です。

共有名義のまま売却する場合、原則として共有者全員が売却に合意し、契約・決済に必要な手続きを行います。

一人でも売却に反対している場合、通常の任意売却をそのまま進めることは難しくなります。

また、相続人の中に認知症等で意思能力の問題がある人、未成年者と親権者の利益が対立するケース、行方不明者がいるケースなどでは、家庭裁判所の手続きが必要になる場合があります。

この段階で争いがある場合は、不動産会社が相続人間の法律紛争を仲裁するのではなく、弁護士等へ相談することが適切です。


3. 相続登記義務化で何が変わった?

以前は、相続登記をしないまま長期間放置している不動産も少なくありませんでした。

しかし、2024年4月1日から相続登記は義務になっています。

「売る予定がないから登記しなくてよい」という考え方は、現在の制度には合いません。


原則3年以内・過去の相続も対象

相続により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請しなければなりません。

正当な理由なく義務に違反すると、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

さらに注意したいのは、義務化前の相続も対象であることです。

2024年4月1日より前に相続が発生し、その時点ですでに自分が不動産を相続したことを知っていた場合は、原則として2027年3月31日までに相続登記を行う必要があります。

例えば、2015年に父が亡くなり、実家の名義をそのままにしているケースも対象です。

また、遺産分割が成立した場合には、基本的義務とは別に、遺産分割成立の日から3年以内に、その結果を反映した登記を申請する追加的な義務があります。


相続人申告登記だけでは売却できない

相続人間の話し合いがまとまらず、3年以内に通常の相続登記を行うのが難しい場合に利用できる制度として「相続人申告登記」があります。

これは、登記名義人について相続が開始したことと、自分がその相続人であることを登記官へ申し出ることで、基本的な相続登記申請義務を履行できる制度です。

ただし、非常に重要な注意点があります。

相続人申告登記をしただけでは、その不動産を売却するための相続登記にはなりません。

法務省も、相続人申告登記は不動産の権利関係を公示するものではなく、相続不動産を売却したり抵当権を設定したりする場合には、別途相続登記が必要であると明記しています。

そのため、

「期限が迫っているから相続人申告登記だけしておけば、そのまま家を売れる」

という理解は誤りです。

売却するなら、最終的に誰が所有権を取得するのかを決め、その人または共有者の名義へ相続登記を行います。


4. 親名義の不動産を売却する具体的な流れ

親が亡くなり、実家を売却することになった場合は、いきなり不動産会社へ「売りに出してください」と依頼するより、相続と不動産の状態を並行して確認すると進めやすくなります。

大きな流れは、

相続関係の確認
→ 不動産の確認
→ 遺産分割
→ 相続登記
→ 売却活動
→ 売買契約
→ 決済・所有権移転登記

です。

相続人・遺言・不動産を確認して相続登記へ

最初に確認するのは遺言書です。

公正証書遺言、自筆証書遺言書保管制度を利用した遺言、家庭で保管されていた自筆証書遺言などによって手続きが異なる場合があります。

次に戸籍等を収集し、法定相続人を確認します。

相続登記では、被相続人の出生から死亡までの戸籍関係書類などが必要になるケースが一般的です。法務局は2026年時点でも、遺産分割協議編・法定相続編などの相続登記手続ハンドブックを公開しています。

不動産については、

  • 登記事項証明書

  • 固定資産税納税通知書・課税明細

  • 名寄帳

  • 権利証・登記識別情報

  • 公図・地積測量図

  • 建物図面等

を確認します。

特に親が複数の土地や山林、農地を所有していた場合は、実家だけ確認して終わりにすると相続登記漏れが起きる可能性があります。

2026年2月2日からは「所有不動産記録証明制度」が始まり、一定の条件のもと、特定の被相続人が登記簿上の所有者として記録されている不動産を一覧的に把握しやすくなっています。

遺産分割が必要であれば、相続人全員で「誰がどの不動産を取得するか」を決め、遺産分割協議書を作成します。

その内容に基づき、相続登記を申請します。

相続登記の準備では、書類を一度に全部そろえようとして混乱するより、「相続人を確定する資料」と「不動産を特定する資料」を分けると整理しやすくなります。

相続人関係では、被相続人の戸籍・除籍・改製原戸籍、相続人の戸籍、住所関係資料、遺言書、遺産分割協議書、印鑑証明書などが必要になることがあります。不動産関係では、登記事項証明書、固定資産評価額が分かる資料、権利証・登記識別情報、建物や土地に関する図面等を確認します。実際の添付書類は遺言の有無や遺産分割方法によって異なるため、法務局の最新様式や司法書士へ確認しましょう。

また、複数の金融機関や相続手続きでも戸籍一式を何度も提出する負担を減らしたい場合は、法務局の「法定相続情報証明制度」を活用できる場合があります。この制度では、認証された法定相続情報一覧図の写しを利用することで、相続登記を含む一定の相続手続で戸籍一式の提出を省略できる場合があります。

相続不動産の売却では、登記だけでなく預貯金や証券の相続手続きも同時に進むことが多いため、全体の事務負担を考えて準備方法を選ぶと効率的です。


査定・媒介・契約・決済までの進め方

相続登記の準備と並行して、不動産会社へ査定を依頼することは可能です。

むしろ、遺産分割前に市場価格の目安を把握しておくと、

「長男が家を取得する」
「売却して現金で分ける」
「一人が取得して他の相続人へ代償金を支払う」

といった選択肢を比較しやすくなります。

不動産会社には、

  • 現況のまま売る場合の査定

  • 残置物を撤去した場合

  • 修繕した場合

  • 古家付き土地として売る場合

  • 解体して更地にする場合

などを相談するとよいでしょう。

売却方針が決まったら媒介契約を締結し、買主募集を行います。

買主が決まったら、重要事項説明、売買契約へ進みます。

決済日には通常、

  • 買主から残代金の支払い

  • 売主から必要書類・鍵等の引渡し

  • 抵当権があれば抹消手続き

  • 買主への所有権移転登記申請

をまとめて行います。

この時点までに売主側の相続登記が完了し、登記名義人と実際の売主が一致している状態にしておくことが基本です。


5. 相続登記前でも売却準備はどこまでできる?

「相続登記が終わるまで不動産会社には相談できない」と考える必要はありません。

相続不動産は登記に時間がかかることもあるため、登記が終わってから査定を始めると、空き家期間が長くなる場合があります。


査定や不動産会社への相談は早めにできる

相続人や遺言、登記状況を確認しながら、査定や販売方法の検討を進めることはできます。

例えば、

「相続人は兄弟3人で、全員売却に賛成している」
「遺産分割協議では長男が取得する予定」
「司法書士へ相続登記を依頼済み」

という状態であれば、不動産会社が現地調査や査定、販売資料の準備を並行して行うことは実務的です。

また、建物が空き家になっている場合は、

  • 残置物

  • 雨漏り

  • シロアリ

  • 草木

  • 境界

  • 未登記建物

  • 農地

  • 道路

など、登記以外の問題も早めに確認できます。

相続登記が完了してからこれらを一つずつ調べ始めるより、並行して整理した方が売却までの全体期間を短くできる可能性があります。


契約前に整理しておきたい条件

一方、相続登記前に買主が見つかった場合は、契約条件を慎重に設計する必要があります。

例えば、

  • 相続登記を誰名義で行うか

  • 相続登記完了を引渡し条件にするか

  • 相続人全員の合意が確認できているか

  • 登記が予定どおり完了しなかった場合どうするか

  • 売主が複数になる場合、契約・決済に誰が出席するか

  • 代理人を立てる場合の委任状をどうするか

などです。

遺産分割協議が成立していないのに、「後で兄弟を説得します」という前提で売却条件を確定させるのは危険です。

また、相続人の一人と連絡が取れない、相続人同士で争いがある、遺言の有効性について争いがある場合は、一般的な不動産売買より先に法律問題を整理する必要があります。

こうしたケースでは、不動産会社が法律上の結論を決めるのではなく、弁護士等へ相談したうえで販売時期を判断します。


相続登記が完了した後も、売却まで時間が空く場合には登記名義人の住所に注意が必要です。2026年4月1日から、不動産の所有者が住所や氏名を変更した場合の変更登記も義務化され、原則として変更日から2年以内の申請が必要になりました。相続登記後に転居して登記上の住所と現在住所が異なる場合、売却時の所有権移転登記の前提として住所変更登記が必要になることがあります。citeturn872233search7

そのため、相続登記の申請時には現在の住所を正確に確認し、登記完了後に引っ越した場合もそのままにしないことが大切です。相続登記、住所変更登記、売買による所有権移転登記をそれぞれ別の手続きとして整理すると、決済直前の手戻りを防ぎやすくなります。


6. 空き家・未登記建物・古い権利がある場合の注意点

亡くなった親名義の家では、相続登記だけ終わればすぐ売れるとは限りません。

特に築年数の古い地方の住宅では、登記と現況が一致していないことがあります。

土地だけ相続登記済みでも安心とは限らない

例えば、

  • 土地は父名義

  • 母屋は祖父名義

  • 納屋は未登記

  • 車庫は増築登記未了

という状態です。

土地の相続登記だけを済ませても、敷地上の建物所有者が別人のままでは、買主にとって権利関係が分かりにくくなります。

また、

「固定資産税の課税明細に建物が載っているから登記もあるはず」

とは限りません。

市町村の固定資産税課税と法務局の登記は別の制度です。

売却前には、現地に存在する建物と登記事項証明書、固定資産税資料を照合し、母屋、離れ、納屋、倉庫、車庫などが登記上どのようになっているか確認しましょう。


未登記建物・農地・境界・抵当権を確認

建物の表題登記自体がない場合は、土地家屋調査士へ建物表題登記の要否を確認します。

表題登記はあるものの所有権保存登記がない場合は、司法書士と連携し、所有権保存登記をどのように行うか整理します。

すでに所有権登記がある建物で親名義のままなら、相続による所有権移転登記が基本です。

農地が一緒にある場合は、農地法上の許可・届出等が必要になることがあります。

境界標がない土地では、必ず確定測量が必要とは限りませんが、買主の利用目的や契約条件によっては測量が必要になることがあります。

さらに、昭和・平成初期の抵当権が登記されたまま残っている不動産もあります。

借入金を完済していても、抵当権抹消登記をしていなければ登記簿上は抵当権が残ります。通常の売却では、買主へ抵当権のない状態で引き渡す条件となることが多いため、早めに司法書士や金融機関へ確認しましょう。

株式会社Wakkaでは、相続登記の有無だけを見るのではなく、

「相続」

「登記」

「建物」

「土地利用」

「売却条件」

をまとめて整理することを重視しています。


7. 相続した家を売却するときの税金と費用

相続した不動産を売却する場合は、「相続税」と「売却したときの税金」を分けて考える必要があります。

相続税がかからなかったから、売却時にも税金がかからないとは限りません。


相続登記の登録免許税と売却費用

相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として不動産の固定資産税評価額を基礎に**0.4%**で計算します。

ただし、一定の土地については2027年3月31日まで登録免許税の免税措置が設けられています。

例えば、課税標準となる不動産の価額が100万円以下の土地について、一定の相続登記等を行う場合には免税となる制度があります。

相続登記では、この登録免許税のほか、司法書士へ依頼する場合の報酬、戸籍等の取得費用などがかかります。

売却時には、

  • 仲介手数料

  • 印紙税

  • 測量費

  • 残置物撤去費

  • 解体費

  • 抵当権抹消登記費用

  • 住所変更登記等の費用

などが発生する場合があります。

どの費用が必要かは物件ごとに異なるため、査定価格だけではなく「売却後に手元へいくら残るか」を確認しましょう。


譲渡所得・空き家3,000万円控除など

相続した土地・建物を売却して利益が出ると、譲渡所得に対して所得税・住民税等がかかる場合があります。

相続した不動産の取得費と取得時期は、原則として被相続人のものを引き継ぎます。

例えば父が30年前に購入した土地を相続し、その後売却する場合、相続した日の時価を取得費にするのではなく、原則として父が取得した時の購入代金等を基礎に計算します。取得時期も父の取得時期を引き継ぎます。

取得費が分からない場合は、売却代金の5%相当額を概算取得費とする方法があります。古い実家では契約書が見つからないことが多いため、親が購入した際の契約書、領収書、建築工事請負契約書などを探しておくことが重要です。

また、相続税を納めた人が、相続した財産を一定期間内に売却した場合には、相続税額の一部を取得費へ加算できる特例があります。対象期間は、相続開始日の翌日から相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。

さらに、相続した実家が一定の要件を満たす場合には、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除を利用できる可能性があります。

この制度は、一定の被相続人居住用家屋またはその敷地を2027年12月31日までに売却するなどの要件を満たした場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。2024年1月1日以後の譲渡で、その家屋・敷地を取得した相続人が3人以上の場合は、各人の控除限度額は2,000万円となります。

ただし、

  • 1981年5月31日以前に建築された家屋

  • 区分所有建物ではない

  • 被相続人が原則一人で居住していた

  • 売却価額が1億円以下

  • 売却期限を満たす

など複数の要件があります。

「相続した空き家なら必ず3,000万円控除できる」と考えず、売却前に税理士や税務署へ確認すると安心です。


8. 相続した実家をスムーズに売却するために

亡くなった親名義の家を売却するとき、最も避けたいのは、

「買主が決まってから相続問題が見つかる」

ことです。

相続人が増えている、未登記建物がある、抵当権が残っている、農地があるなどの問題は、売買契約直前に発覚すると取引条件やスケジュールを大きく変更することがあります。

専門家の役割を分けて進める

相続不動産では、相談内容に応じて専門家を使い分けます。

不動産会社
査定、媒介、買主募集、売買条件の整理、重要事項説明、契約・決済の調整。

司法書士
相続登記、所有権移転登記、所有権保存登記、抵当権抹消など権利に関する登記。

土地家屋調査士
建物表題登記、建物滅失登記、土地分筆、地積更正、境界・測量など表示に関する登記。

税理士
相続税、譲渡所得税、空き家特例、取得費加算など税務相談・申告。

弁護士
相続人間の争い、遺産分割紛争、交渉・訴訟など法律紛争。

一つの専門家がすべて行うわけではありません。

不動産会社の役割は、売却の側から問題点を整理し、

「この問題は司法書士」
「ここは土地家屋調査士」
「税金は税理士」
「争いになっているので弁護士」

というように、必要な専門家につなぎながら取引全体を進めることです。

南部町・身延町・富士宮市周辺での進め方

山梨県南部町、身延町、早川町や静岡県富士宮市周辺では、築年数の古い家や農地付き住宅、空き家なども多く、相続登記だけでなく複数の問題が重なることがあります。

例えば、

  • 土地は相続登記済みだが建物は親名義

  • 納屋が未登記

  • 建物の増築登記がされていない

  • 農地が複数筆付いている

  • 境界が分からない

  • 昔の抵当権が残っている

  • 家財道具が大量に残っている

といったケースです。

株式会社Wakkaは、南部町との空き家対策に関する協定を通じ、空き家を放置せず、管理・売却・活用へつなげる地域連携に取り組んでいます。

相続した実家について、

「売るかどうかまだ決めていない」
「兄弟で話し合っている途中」
「相続登記にいくらかかるか分からない」

という段階でも、まず現在の不動産の状態を整理することはできます。

おすすめする最初の確認は、次の5点です。

  1. 登記名義人は誰か

  2. 相続人は誰か

  3. 遺言書があるか

  4. 土地・建物の登記と現況が一致しているか

  5. 相続人全員が売却についてどのように考えているか

この5点が分かるだけでも、次に司法書士へ相談すべきか、先に不動産査定をした方がよいか、建物調査が必要かが見えてきます。

よくある質問

Q. 相続登記が終わっていなくても、不動産会社に査定を依頼できますか?

できます。相続登記前でも査定や売却方法の相談は可能です。むしろ遺産分割前に市場価格を把握すると、相続人間の話し合いの参考になることがあります。ただし、最終的に買主へ所有権移転登記を行うためには相続登記が必要です。

Q. 相続人全員が売却に賛成していれば、父名義のまま売れますか?

売却準備や契約を検討できる場合はありますが、買主へ通常の所有権移転登記をするためには、原則として先に相続登記を行い、売主となる相続人の名義へ整える必要があります。

Q. 相続人申告登記をすれば売れますか?

相続人申告登記だけでは売却のための権利関係が確定しません。法務省も、売却や抵当権設定の場合は別途相続登記が必要と説明しています。citeturn872233search0turn876589search6

Q. 親が亡くなって10年以上経っています。今からでも相続登記できますか?

可能です。ただし、相続人が亡くなって次の相続が発生している場合などは、必要な戸籍や遺産分割関係者が増えて手続きが複雑になる可能性があります。2024年4月1日より前の相続も義務化の対象となっているため、早めの確認が重要です。citeturn147728search5

Q. 実家が空き家ですが、片付けてから相談した方がよいですか?

必ずしも先に全て処分する必要はありません。残置物がある状態でも査定できる場合があります。売却価格、撤去費、買主需要を比較して、売主が撤去するか現況で売るかを決めた方が合理的です。

亡くなった親名義の家を売却する場合、

「相続登記をしてから不動産会社へ行く」

と一方向に考える必要はありません。

実務では、

相続関係の確認

司法書士による登記準備

不動産会社による査定・現地調査

を並行して進めることで、売却までの時間を有効に使える場合があります。

重要なのは、亡くなった親名義のまま放置するのではなく、

「誰が相続するのか」
「何を登記するのか」
「どの状態で売却するのか」

を早めに整理することです。

相続登記は、単なる名義変更ではありません。

その後の売却、管理、活用、次世代への承継を進めるための土台となる手続きです。

相続した実家や空き家について何から始めればよいか分からない場合は、まず登記事項証明書と固定資産税資料を確認し、不動産の全体像を把握するところから始めましょう。


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株式会社Wakka

住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507

電話番号:0556-64-8064

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