身延町の空き家はどうすればいい?売却・管理・相続・空き家バンクを不動産会社が解説
親から相続した身延町の実家が空き家になっている。
自分は町外・県外に住んでいるため、定期的に管理するのが難しい。
売却した方がよいのか、しばらく残しておくべきなのか、空き家バンクへ登録すればよいのか分からない。
このような悩みを抱えている空き家所有者は、まず「売るか、残すか」を急いで決める必要はありません。
大切なのは、現在の空き家がどのような状態にあり、誰が所有していて、今後どのような選択肢を取れるのかを整理することです。
身延町の空き家には、一般的な中古住宅と同じように売却できるものがある一方で、相続登記がされていない、建物が未登記、家財道具が大量に残っている、農地が付いている、境界が分からない、接道や水路の確認が必要など、売却や活用の前に整理が必要な物件もあります。
また、身延町には「空き家・土地バンク」があります。
ただし、空き家バンクは不動産会社の売却活動をそのまま町が代行する制度ではありません。身延町の制度では、登録条件、利用者の登録、内覧、契約方法などに独自のルールが定められています。一般の不動産仲介と空き家バンクでは役割や仕組みが異なるため、物件の状態と所有者の希望を見ながら使い分ける必要があります。
この記事では、「身延町の空き家をどうすればよいのか」と悩んでいる方に向けて、
売却する
管理しながら保有する
相続・登記を整理する
空き家バンクを利用する
という4つの視点から、判断する順番と注意点を不動産会社の立場から詳しく解説します。
株式会社Wakka
株式会社Wakkaは、山梨県南部町に拠点を置き、南部町・身延町をはじめとする峡南地域で、不動産売却、空き家、相続不動産、中古住宅、土地などのご相談に対応している不動産会社です。
一般的な中古住宅や土地だけでなく、
相続登記が終わっていない
建物が未登記になっている
古家や倉庫、納屋がある
農地が付いている
境界や権利関係の確認が必要
残置物が大量にある
といった、「販売を始める前に整理が必要な不動産」についても、何が問題なのかを確認し、次に必要となる手続きを整理することを重視しています。
必要に応じて司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁護士などと連携し、専門分野を分けながら進めます。
また、株式会社Wakkaは南部町と空き家対策に関する協定を締結しています。
そこで培った「空き家になってから売却する」だけではなく、相続、管理、登記、残置物、利活用などを早い段階から整理するという考え方を、身延町の空き家相談にも生かしています。
なお、南部町との協定は南部町における取り組みであり、身延町役場や身延町空き家・土地バンクの業務を株式会社Wakkaが代行するものではありません。身延町では、町の行政制度と民間の不動産実務をそれぞれ適切に利用することが重要です。
株式会社Wakka
〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
目次
身延町の空き家は最初に4つの選択肢を整理する
売却・賃貸・管理・解体のどれを選ぶか
「まだ決めていない」段階でも相談してよい
相続した空き家は「所有者」と「登記」を最初に確認する
相続登記は2024年4月から義務化
未登記建物・抵当権・住所変更登記にも注意
すぐ売らない場合でも空き家の管理は必要
空き家を放置すると建物だけでなく周囲にも影響する
遠方所有者が確認しておきたい管理ポイント
身延町の空き家を売却する場合の流れ
査定前に片付け・リフォーム・解体をしすぎない
地方の空き家は「価格以外の条件」が重要
身延町の空き家・土地バンクとは?
登録条件と利用手続きの仕組み
不動産会社での一般売却との違い
古い空き家で売却前に確認したいポイント
境界・道路・農地・上下水道・建物登記を確認
残置物・雨漏り・シロアリなどは隠さず整理する
身延町の空き家にかかる費用・補助・税金
仲介手数料・解体・登記などの費用
譲渡所得税と相続空き家の3,000万円特別控除
身延町の空き家を今後どうするか決める方法
相談先を問題ごとに使い分ける
最初に作るべき「空き家整理表」
1.身延町の空き家は最初に4つの選択肢を整理する
1-1.売却・賃貸・管理・解体のどれを選ぶか
空き家を所有すると、「売却しなければならない」と考えてしまう方もいますが、空き家への対応は売却だけではありません。
大きく分けると次の選択肢があります。
| 選択肢 | 向いているケース | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 売却 | 今後使う予定がない | 相続・登記・価格・売却条件 |
| 賃貸 | 建物を残し収益化したい | 建物状態・修繕・賃貸需要 |
| 管理して保有 | 将来自分や家族が利用する可能性がある | 管理費・固定資産税・劣化 |
| 解体・土地活用 | 建物利用が難しい | 解体費・土地需要・税金・接道 |
どれを選ぶべきかは、「建物が古いかどうか」だけでは決まりません。
例えば築年数が古くても、立地や建物の状態、土地の広さ、駐車スペースなどによって中古住宅として検討される場合があります。
反対に、比較的新しい建物であっても、長期間換気や通水がされず、雨漏りなどが進行していれば大規模な修繕が必要になることがあります。
まずは、
今後家族が利用する可能性があるか
維持管理を続けられるか
年間どの程度費用がかかるか
売却するとすればどの程度の価格と条件が考えられるか
を整理します。
「残しておけばいつか値上がりするだろう」「古いから土地としてしか売れないだろう」と最初から決めつけないことが重要です。
1-2.「まだ決めていない」段階でも相談してよい
不動産会社へ相談すると、すぐに売却を勧められるのではないかと不安に思う方もいるでしょう。
しかし本来、空き家相談では売却活動を始める前に、
所有者
登記
建物状態
土地状態
残置物
固定資産税
管理状況
将来の利用予定
を確認することが重要です。
特に相続した実家の場合、「思い出があるので今すぐ売る気持ちにはなれない」というケースもあります。
その場合でも、建物がどの程度傷んでいるのか、維持費がいくらかかるのか、売却するとしたら何が障害になるのかだけ確認しておけば、将来判断しやすくなります。
身延町では、空家対策全般については建設課、空き家・土地バンクについては企画政策課田舎くらし推進担当が窓口となっています。空き家・土地バンクは移住・定住促進の仕組みとして運用されています。
行政へ相談する内容と、不動産会社へ相談する内容を分けて考えることもポイントです。
2.相続した空き家は「所有者」と「登記」を最初に確認する
2-1.相続登記は2024年4月から義務化
身延町の実家を親や祖父母から相続した場合、最初に確認したいのが「現在、登記簿では誰の名義になっているか」です。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されました。
相続によって不動産を取得した相続人は、原則として、自分が相続の開始とその不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。
正当な理由なく申請を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。
また、2024年4月1日より前に発生していた相続についても義務化の対象です。
義務化前から相続したことを知っていた未登記不動産は、原則として2027年3月31日までに対応する必要があります。
例えば、
「父が亡くなったが祖父名義のまま」
「兄弟で誰が取得するか決めていない」
「相続人の中に亡くなっている人がいる」
というケースでは、売却査定とは別に相続関係の整理が必要です。
相続人の人数が増えるほど、戸籍収集や遺産分割協議に時間がかかることがあります。
そのため、売却するか決まっていなくても、まず登記事項証明書を確認しておくことをおすすめします。
2026年2月2日には、特定の被相続人が登記簿上所有者として記録されている不動産を一覧的に把握しやすくする「所有不動産記録証明制度」も始まっています。相続した不動産を把握できていない場合には、こうした制度の活用も検討できます。
2-2.未登記建物・抵当権・住所変更登記にも注意
相続登記だけ確認すれば終わりではありません。
古い住宅では、
母屋は登記されているが倉庫が未登記
増築した部分が登記されていない
建物自体が未登記
表題登記はあるが所有権保存登記がされていない
返済済みの古い抵当権が残っている
といったことがあります。
ここで専門家の役割を混同しないことが重要です。
建物の所在・種類・構造・床面積など、建物の物理的な状態に関する表題登記は土地家屋調査士の専門分野です。
相続登記、所有権移転、所有権保存、抵当権抹消など権利に関する登記は司法書士が扱います。
さらに2026年4月1日から、所有者の住所や氏名が変わった場合の変更登記も義務化されています。
原則として変更日から2年以内です。
2026年4月1日以前に住所・氏名が変更されていて登記がまだの場合は、原則として2028年3月31日までに対応する必要があります。正当な理由なく義務に違反すると、5万円以下の過料の対象となる可能性があります。
古い実家では、登記簿上の住所が何十年も前の住所のままになっていることがあります。
売却直前に慌てるより、早めに登記事項証明書を確認しておく方が進めやすくなります。
3.すぐ売らない場合でも空き家の管理は必要
3-1.空き家を放置すると建物だけでなく周囲にも影響する
「しばらく売却しない」と決めた場合でも、何もしなくてよいわけではありません。
人が住まなくなった住宅では、
湿気がこもる
雨漏りに気づくのが遅れる
給排水設備が劣化する
雑草や庭木が伸びる
害虫・害獣が発生する
郵便物がたまる
不法侵入のリスクが高まる
などの問題が発生する可能性があります。
国土交通省も、当面活用や除却をしない空き家については適切な管理が必要であり、自分での管理が難しい場合には空き家管理業者等の利用も検討するよう案内しています。
また、2023年12月13日に施行された改正空家法により、「特定空家等」になる前の段階である管理不全空家等も市町村による指導・勧告の対象となりました。
管理不全空家等や特定空家等について市町村から勧告を受けた場合、その敷地は固定資産税等の住宅用地特例の対象から外れる可能性があります。
「空き家にしておいた方が固定資産税が安いから、何もしない方がよい」という考え方は適切ではありません。
建物状態が悪化すれば、将来売却するときにも修繕費や解体費が増える可能性があります。
3-2.遠方所有者が確認しておきたい管理ポイント
遠方に住んでいる方が身延町の空き家を所有している場合には、少なくとも次のような項目を定期的に確認しておきたいところです。
建物外部
屋根や外壁の破損
雨樋
窓ガラス
雨漏りの形跡
庭木・雑草
隣地や道路への枝の越境
擁壁や石積み
害獣の侵入口
建物内部
換気
カビ
床の沈み
天井・壁の染み
給排水設備
室内への動物侵入
シロアリ被害
敷地周辺
郵便物
不法投棄
隣地への越境
水路
倒木
道路への影響
特に台風や大雨などの後には、通常時にはなかった破損が起きていないか確認することも重要です。
管理の頻度は、建物状態、立地、季節、庭木の状況などによって異なります。
「年に一度行けば十分」と一律には言えません。
自分で定期的に現地へ行くことが難しい場合には、親族、近隣住民、空き家管理サービスなどを利用する方法もあります。
管理は単に建物を守るためだけではありません。
将来売却するときの選択肢を減らさないための行為でもあります。
4.身延町の空き家を売却する場合の流れ
4-1.査定前に片付け・リフォーム・解体をしすぎない
身延町の空き家を売却しようと考えたとき、最初に家財道具を全部処分しようとする方がいます。
しかし、まず不動産会社へ相談してからでも遅くありません。
例えば、
100万円かけて残置物を撤去する。
300万円かけてリフォームする。
200万円かけて建物を解体する。
こうした費用をかけても、その金額だけ売却価格が高くなるとは限りません。
購入希望者が、
「自分でリフォームしたい」
「古い家具を一部残したい」
「古家付き土地として購入したい」
と考えている可能性もあります。
反対に、大量の残置物や強い臭いによって内覧が難しい場合などは、一定の片付けを行った方が販売しやすいこともあります。
重要なのは、
現況のまま売る場合
片付けて売る場合
修繕して売る場合
解体して売る場合
を比較することです。
解体する場合には、解体費だけでなく固定資産税の扱いにも注意します。
住宅を取り壊すことで住宅用地ではなくなれば、土地に適用されていた固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなる可能性があります。固定資産税は原則として毎年1月1日の状況を基準に課税されるため、解体時期についても確認しておいた方がよいでしょう。
4-2.地方の空き家は「価格以外の条件」が重要
不動産査定というと、
「坪単価はいくらか」
「土地が何坪あるか」
に注目しがちですが、身延町の空き家ではそれだけでは価格や売却可能性を判断できません。
例えば、
車を何台駐車できるか
前面道路から入りやすいか
建物を再利用できるか
修繕費はいくらかかりそうか
水道や排水設備はどうなっているか
浄化槽なのか
境界が確認できるか
農地が付いているか
庭や山林の管理が必要か
残置物がどれくらいあるか
なども購入判断に影響します。
固定資産税評価額と市場で売れる価格も同じではありません。
「固定資産税評価額が500万円だから500万円で売れる」というものではなく、実際の市場価格は物件条件と需要によって決まります。
また、販売価格が高すぎると長期間売れ残る一方、最初から安くしすぎる必要もありません。
そのため、
チャレンジ価格
現実的な販売価格
早期売却を重視した価格
のように複数の価格帯で考える方法もあります。
株式会社Wakkaでは、単に査定額を提示するだけでなく、相続、未登記建物、残置物、農地などがある場合には、売却価格と同時に「売却までに何を整理する必要があるか」を確認することを重視しています。
5.身延町の空き家・土地バンクとは?
5-1.登録条件と利用手続きの仕組み
身延町では「空き家・土地バンク」が運用されています。
これは、町内の空き家や土地について、売却または賃貸を希望する所有者等から申し込みを受け、利用希望者へ情報提供する仕組みです。
2026年8月時点でも身延町公式サイトには空き家や土地の登録物件が掲載されています。
売りたい・貸したい所有者は、まず身延町役場企画政策課田舎くらし推進担当へ相談し、現在案内されている手続きでは、
物件登録申込書
承諾書
本人確認書類
土地・建物の登記事項証明書
家屋登録カードまたは土地登録カード
などを提出します。
ここで特に注意したいのが、どの空き家でも登録できるわけではないという点です。
現在公開されている身延町の設置要綱では、「空き家」を、日常的に使用していない住居で通常の生活を送ることが可能な町内の建物・敷地とし、原則として水洗トイレが設置されているものと定義しています。
さらに、民間事業者による売却または賃貸を目的とするものは除くとされています。
そのため、
「かなり老朽化していて通常の生活が難しい」
「すでに不動産会社へ媒介を依頼して一般市場で販売している」
といった物件については、空き家バンクへ登録できるかを町へ事前確認する必要があります。
一般の不動産会社へ媒介を依頼し広告を開始してから、「同時に空き家バンクにも載せたい」と考えるのではなく、どちらの方法を利用するか検討する段階で確認することが重要です。
なお、不動産会社に「どの販売方法が向いているか」を相談することと、実際に媒介契約を締結して販売活動を開始することは別です。
空き家バンクを利用する可能性がある場合には、その意向を最初から不動産会社にも伝えておくとよいでしょう。
5-2.不動産会社での一般売却との違い
身延町の空き家・土地バンクでは、物件の契約方法として、
直接型
と
間接型
があります。
直接型では、所有者と利用希望者が当事者間で交渉します。
間接型では、宅建協会の仲介によって交渉します。
重要なのは、身延町役場自身が売買や賃貸借の仲介・契約を行うわけではないという点です。
町の公式案内でも、交渉・売買契約・賃貸借契約について町は直接関与しないことが明記されています。
一方、一般の不動産会社へ売却を依頼する場合は、不動産会社が、
価格査定
物件調査
販売条件の整理
広告
購入希望者への案内
条件交渉
重要事項説明
売買契約
引渡し準備
などを媒介業務として進めます。
どちらが優れているということではありません。
例えば、移住希望者への情報提供を重視し、物件が空き家バンクの登録条件に合う場合には、空き家バンクを検討する意味があります。
一方、
相続や登記に課題がある
販売価格を市場と比較しながら決めたい
幅広く購入者を募集したい
契約条件を細かく調整したい
農地や未登記建物などの調査が必要
という場合には、不動産会社による一般売却を検討する方法もあります。
空き家バンクか不動産会社かを先に決めるのではなく、物件調査→問題整理→販売方法決定の順番で考える方が判断しやすくなります。
6.古い空き家で売却前に確認したいポイント
6-1.境界・道路・農地・上下水道・建物登記を確認
古い空き家では、建物の内装より先に土地や権利関係を確認した方がよいことがあります。
代表的な確認項目は次のとおりです。
境界
境界標があるか、隣地との境がどこなのかを確認します。
昔からの石垣やフェンスが、必ずしも登記上の境界とは限りません。
必要に応じて土地家屋調査士へ相談します。
道路
見た目では道路でも、建築基準法上の道路なのか、町道なのか、私道なのかなどを確認します。
建替えの可否については都市計画区域、道路の種類、接道状況などを個別に確認する必要があります。
水路・越境
地方の古い住宅では、敷地付近に水路や法定外公共物があったり、屋根・樹木・配管などが隣地へ越境していたりすることがあります。
上下水道・浄化槽
上水道の引込み、排水方法、浄化槽の有無や状態などを確認します。
「以前住んでいたから今も問題なく使える」とは限らないため、長期間空き家だった場合は特に確認が必要です。
農地
敷地と一緒に田や畑を所有している場合には注意が必要です。
登記地目が「田」「畑」である土地の権利移転や転用には、農地法第3条や第5条などに基づく許可・届出が関係する場合があります。
必要な手続きは土地の区域、現況、取得後の利用目的などによって異なります。
「農地が付いているから売れない」と決めつけるのではなく、住宅部分と農地部分を分けて整理します。
6-2.残置物・雨漏り・シロアリなどは隠さず整理する
中古住宅の売買では、建物が古いこと自体より、売主・買主双方が物件状態を正しく把握しているかが重要です。
例えば、
雨漏り
シロアリ
床の腐食
給湯器故障
水道管の不具合
浄化槽の状態
増築
未登記部分
越境
過去の火災や重大な損傷
など、売主が把握している事項は不動産会社へ伝えてください。
「言ったら売れなくなるのでは」と隠す方が、引渡し後の契約トラブルにつながる可能性があります。
中古住宅では「契約不適合責任」という考え方があります。
簡単に言えば、引き渡された不動産が売買契約で定めた種類・品質・数量等に適合していなかった場合に問題となる売主の責任です。
古い空き家であることを理由に、常に売主がすべての修理責任を負うわけではありません。
逆に「古家なので何があっても一切責任を負わない」と単純に考えるのも適切ではありません。
どの設備を売買対象にするのか、どの不具合を確認済みとするのか、どこまで売主が責任を負うのかを契約内容として整理することが重要です。
残置物についても同様です。
家具や家電を売主が全撤去して引き渡す方法もあれば、買主が必要とする物を残したうえで、双方合意した内容で引き渡す方法もあります。
ただし、買主の承諾なく大量の残置物を残して引き渡すことはできません。
7.身延町の空き家にかかる費用・補助・税金
7-1.仲介手数料・解体・登記などの費用
空き家売却では、売却価格だけでなく、売却するまでにいくら費用がかかるか確認しておきます。
物件によって、
仲介手数料
相続登記
住所変更登記
抵当権抹消
建物表題登記
測量
分筆
残置物撤去
修繕
解体
売買契約書の印紙税
などが発生する可能性があります。
すべての物件に必要なわけではありません。
例えば境界確定が不要な条件で売却できることもあります。
そのため、「売る前に全部やる」のではなく、不動産会社による調査後に必要なものを選別する方が合理的です。
800万円以下の不動産は仲介手数料の特例に注意
2024年7月1日から、低廉な空家等の媒介報酬の特例が拡充されています。
売買価格800万円以下の宅地・建物については、不動産会社が媒介業務に要する費用を勘案し、依頼者一方から受け取れる仲介手数料について、通常の計算による上限を超えて、30万円+消費税=税込33万円まで受領できる場合があります。
ただし、800万円以下なら自動的に33万円になるという意味ではありません。
媒介契約の締結にあたり、上限の範囲内で報酬額を事前に説明し、依頼者と合意することが必要です。
地方の低価格帯の空き家では、この特例が適用されるケースもあるため、媒介契約前に仲介手数料を確認しておきましょう。
身延町には購入者側の支援制度もある
2026年4月1日から、身延町では新しい「定住祝金」が設けられています。
その中には、一定の要件を満たして空き家バンク制度を利用して物件を購入した方を対象とする空き家バンク物件購入祝金・1軒20万円があります。
一定の子どもがいる世帯には加算制度も設けられています。
これは売主へ支給される補助金ではありません。
しかし、購入希望者側の支援制度があることは、空き家バンクを利用するか考える際の一つの材料になります。
また、身延町の例規には一定の要件を満たす危険空家等の解体費を補助する制度も設けられています。
ただし、通常の古家を解体すれば誰でも利用できる制度ではありません。対象となる空き家の条件、工事業者、申請時期、予算等が関係するため、工事契約や着工をする前に必ず身延町建設課へ現在の適用可否を確認することが重要です。
「補助金があるから先に解体する」のではなく、「販売方法を決める→補助対象を確認する→解体の必要性を判断する」という順序で考えましょう。
7-2.譲渡所得税と相続空き家の3,000万円特別控除
空き家を売却して利益が出た場合には、譲渡所得に対する税金が発生する可能性があります。
基本的には、
売却金額-取得費-譲渡費用-適用できる特別控除
によって課税される譲渡所得を計算します。
2026年中の一般的な土地・建物の売却で、売却した年の1月1日時点の所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得となり、原則として所得税15%・住民税5%に復興特別所得税が加わります。
一般に実効税率は約20.315%です。
所有期間が5年以下の短期譲渡所得では、所得税30%・住民税9%に復興特別所得税が加わり、一般に約39.63%となります。
ただし、相続した不動産については、相続した日から所有期間を数えるわけではありません。
原則として、亡くなった方の取得時期を相続人が引き継ぎます。
取得費についても、原則として被相続人が購入した際の購入代金等を基礎として計算します。
そのため、
「今年相続したから短期譲渡所得になる」
とは限りません。
また、昔購入した実家では売買契約書が見つからず、取得費が分からないことがあります。
取得費が分からない場合などは、一定の場合に売却金額の5%を概算取得費として計算できます。
ただし、概算取得費が小さくなると課税譲渡所得が大きくなることがあるため、売却前に古い契約書、領収書、建築関係書類などを探しておくことをおすすめします。
相続した空き家には3,000万円特別控除が利用できる場合がある
一定の要件を満たす相続空き家については、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」を利用できる可能性があります。
2026年8月時点では、制度の対象期間は2027年12月31日までの一定の譲渡です。
要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
ただし、2024年1月1日以後の譲渡で、対象となる家屋・敷地を取得した相続人が3人以上いる場合には、1人当たりの控除上限は2,000万円です。
主な要件として、
原則として1981年5月31日以前に建築された家屋である
区分所有建物ではない
相続開始直前に原則として被相続人以外に居住者がいなかった
相続後、一定の事業・貸付け・居住などに使用していない
相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する
売却代金が1億円以下
などがあります。
さらに2024年以後の譲渡では、一定の要件のもと、売却後に買主側等で耐震改修または取壊しを行い、譲渡年の翌年2月15日までに要件を満たす方法も対象となっています。
したがって、
「相続した空き家なら3,000万円まで税金がかからない」
という制度ではありません。
税務特例が利用できるかどうかで手取り額が大きく変わる可能性があるため、対象になりそうな場合は売買契約を締結する前から税理士等へ確認することをおすすめします。
8.身延町の空き家を今後どうするか決める方法
8-1.相談先を問題ごとに使い分ける
空き家について困ったとき、「誰に相談すればよいのか分からない」ということがあります。
問題ごとに整理すると分かりやすくなります。
身延町役場
身延町の空家対策全般については建設課、空き家・土地バンクについては企画政策課田舎くらし推進担当が窓口です。
行政制度、空き家バンク、町の補助制度などは町へ確認します。
不動産会社
いくらで売れそうか
現況のまま販売できるか
片付け・修繕・解体が必要か
どのような買主を想定するか
どの販売方法が適しているか
といった不動産流通について相談します。
司法書士
相続登記
所有権保存登記
所有権移転登記
抵当権抹消
住所・氏名変更登記
など権利に関する登記を扱います。
土地家屋調査士
建物表題登記
建物の増築等に伴う変更登記
土地分筆
地積更正
境界
測量
などを扱います。
税理士
譲渡所得税
相続税
相続空き家の3,000万円特別控除
取得費
税務申告
などについて相談します。
弁護士
相続人同士で争いがある、所有権や境界を巡って法的紛争になっているなどの場合に、交渉・訴訟を含む法律問題を扱います。
株式会社Wakkaでは、すべてを自社で処理するのではなく、まず不動産として問題を整理し、必要に応じてそれぞれの専門家へつなぐことを重視しています。
8-2.最初に作るべき「空き家整理表」
身延町の空き家について何から始めればよいか分からない場合は、まず次の10項目だけ確認してみてください。
1.現在の登記名義人は誰か
2.所有者は存命か、相続が発生しているか
3.今後家族が使う予定はあるか
4.最後に建物へ入ったのはいつか
5.雨漏りや建物破損がないか
6.家具・家電・荷物はどれくらい残っているか
7.土地に農地や山林が含まれていないか
8.固定資産税はいくらかかっているか
9.売る、貸す、残すのうち現在の希望は何か
10.いつまでに方向性を決めたいか
全部分からなくても問題ありません。
「分からない」ということ自体が確認事項になります。
例えば、
「建物登記があるか分からない」
のであれば登記事項を確認します。
「農地かどうか分からない」
のであれば地目や現況を調べます。
「いくらで売れるか分からない」
のであれば査定します。
「修理した方がよいか分からない」
のであれば現況売却と修繕後売却を比較します。
つまり、空き家問題を一度にすべて解決しようとする必要はありません。
分からないことを一つずつ明確にしていけば、次に何をすればよいかが見えてきます。
まとめ|身延町の空き家は「売る・残す」の前に問題点を整理する
身延町の空き家について「どうすればいい?」と悩んでいる場合、最初に売却を決断する必要はありません。
まず、
誰の不動産なのか
相続登記は終わっているのか
建物はどのような状態なのか
管理を続けられるのか
将来家族が利用するのか
を整理します。
そのうえで、
売却する
賃貸する
管理しながら残す
空き家バンクを利用する
解体して土地として活用する
といった選択肢を比較します。
特に身延町で空き家・土地バンクを検討する場合には注意があります。
現在の身延町の制度では、空き家について一定の登録条件が定められており、設置要綱上、民間事業者による売却・賃貸を目的とするものは「空き家」の定義から除外されています。
そのため、一般の不動産会社へ販売を依頼して広告を開始した後で空き家バンクを追加するという考え方ではなく、販売開始前にどのルートを使うのか確認することが大切です。
一方で、相続登記や建物登記、農地、境界、残置物などの問題がある場合には、空き家バンクへ登録するか一般市場で売却するかを考える前に、まず物件の状態を整理した方がよいケースがあります。
身延町の空き家問題は、「売れるか・売れないか」という二択ではありません。
例えば、
「相続登記をすれば売却できる」
「未登記建物を整理すれば販売できる」
「残置物を一部撤去すれば内覧しやすくなる」
「農地部分を整理すれば買主を探せる」
「今は売らず管理を続ける」
など、問題を分解することで別の選択肢が見えてくることがあります。
株式会社Wakkaは、山梨県南部町を拠点に、身延町の不動産売却、空き家、相続不動産、古家、農地付き住宅、未登記建物などの相談にも対応しています。
南部町との空き家対策に関する協定で取り組んでいるように、空き家を単に「売却物件」として見るのではなく、
相続
管理
登記
建物
土地
残置物
売却・活用
を順番に整理し、次の選択肢につなげることを重視しています。
売却すると決まっていなくても構いません。
「身延町に実家があるが、この先どうすればよいのか分からない」
「相続したが登記も片付けも何もしていない」
「空き家バンクと不動産会社のどちらに相談すればよいか分からない」
という段階から、まず現在の状況を整理してみましょう。
空き家は、時間が経てば自然に問題が解決する不動産ではありません。
一方で、慌てて解体したり、大きな費用をかけてリフォームしたりする必要もありません。
最初に必要なのは、お金をかけることではなく、現状を知ることです。
そのうえで、その空き家に合った売却、管理、活用方法を考えることが、遠回りに見えて最も重要な第一歩になります。
株式会社Wakka
〒409-2217
山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
TEL:0556-64-8064
株式会社Wakka
住所:山梨県南巨摩郡南部町本郷6507
電話番号:0556-64-8064
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