不動産競売の魅力と注意点!知っておくべき基礎知識

query_builder 2026/09/03
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不動産競売は、通常の不動産売買とは異なる仕組みで不動産を取得する方法です。一般市場より低い金額で取得できる可能性がある一方、自由に室内を内見できないことが多い、占有者からの引渡しが必要になる場合がある、建物の不具合が見つかっても通常売買のような対応を期待しにくいなど、競売特有のリスクがあります。

また、「裁判所が売る物件だから安心」「BITで物件を見られるのでインターネットからそのまま入札できる」「最高額を入札すればすぐ所有者になれる」といった理解は正確ではありません。

現在、不動産競売の物件情報は裁判所の「BIT(不動産競売物件情報サイト)」で確認できますが、一般的な期間入札では、買受申出保証金を納付し、入札書などの必要書類を執行官室へ持参または郵送等で提出します。最高価買受申出人となった後も、売却許可決定が確定し、裁判所が指定する期限までに残代金を納付して初めて所有権を取得します。

本記事では、不動産競売の基本、メリット・デメリット、三点セットの見方、入札から代金納付までの流れ、占有者への対応、法律上の注意点まで順番に解説します。実在を確認できない「成功者の声」「失敗談」は事実として掲載せず、一般的に想定されるケースに置き換えて説明します。

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不動産競売とは何か?その基本を理解しよう

不動産競売は、通常の不動産会社を通じた売買とは仕組みが異なります。裁判所が関与する手続であり、買受希望者は公開された資料を確認したうえで、自ら入札金額を決めて参加します。

不動産競売の定義とその目的

不動産競売とは、債権者の申立てに基づき、裁判所が債務者等の不動産を差し押さえ、売却し、その売却代金を債権の回収に充てる手続です。


代表的なものとして、

担保不動産競売

住宅ローンの抵当権など、担保権を実行して不動産を売却する手続です。

強制競売

判決等の債務名義に基づいて、不動産を差し押さえて売却する手続です。

があります。


そのため、「住宅ローンを滞納した家だけが競売になる」というものではありません。

競売手続の主な目的は、債権者の債権回収です。一般の不動産売買のように、所有者が買主を選び、価格や引渡条件を自由に相談して売却する制度ではありません。


買受希望者は、裁判所が定めた売却条件に従って入札します。

競売物件は、戸建て住宅、マンション、土地、店舗、収益物件などさまざまです。ただし、競売だから一般市場には絶対に出ない特別な物件が必ず見つかるわけではありません。


また、競売で買い受けた不動産について、裁判所が通常の不動産会社のように鍵を引き渡したり、設備を修理したり、買受後のトラブルを仲介したりするわけではありません。

「裁判所が扱っているから物件状態まで保証されている」と考えないことが重要です。

不動産競売制度の現在

現在の不動産競売は、主として民事執行法と民事執行規則に基づいて行われています。


物件情報は、裁判所の不動産競売物件情報サイト「BIT」で確認できます。

BITでは、所在地、売却基準価額、買受可能価額、入札期間、開札期日などを検索できるほか、対象物件について「三点セット」を閲覧できる場合があります。


三点セットとは、一般に次の3つの資料です。

1. 物件明細書

買受人が引き継ぐことになる賃借権等の権利があるか、土地・建物の権利関係にどのような注意事項があるかなどを確認する重要な資料です。

2. 現況調査報告書

執行官が調査した土地・建物の状況、占有者、占有権原、写真などが記載されています。

3. 評価書

評価人が調査した物件の評価額、周辺環境、土地・建物の状況などが記載されています。


競売物件を検討するときは、物件情報サイトの一覧だけを見るのではなく、この三点セットを読むことが基本となります。

なお、BITによって物件情報の閲覧は大きく便利になっていますが、2026年9月時点の一般的な期間入札について「インターネット上でボタンを押して入札する仕組み」と理解するのは正確ではありません。


裁判所の現行案内では、買受申出保証金を納付したうえで、入札書や必要書類を執行官室へ持参するか、郵便等で送付する方法が案内されています。

手続方法や必要書類は事件を取り扱う裁判所によって確認が必要です。

なお、期間入札で適法な入札がなく売却されなかった物件については、「特別売却」が行われる場合があります。特別売却は、競争入札ではなく、裁判所が定めた期間内に買受けを申し出る方式です。


どの物件が特別売却の対象になるか、買受申出期間や方法は裁判所の公告・案内で確認します。

「一度不売になったから問題のある物件」と決めつけることはできませんが、なぜ入札がなかったのかを考えることは重要です。価格、占有、接道、建物状態、権利関係などを改めて確認しましょう。

不動産競売のメリットとデメリットを知る

競売物件には一般売買とは異なる価格形成や手続があります。価格だけを見るのではなく、通常売買との違いを理解したうえで判断しましょう。

競売物件購入のメリット

競売物件のメリットとして、一般市場で販売されている類似物件より低い金額で取得できる可能性があります。


競売の売却基準価額を定める際には、自由に内覧できないこと、引渡しが保証されていないこと、欠陥があっても通常売買と同じような救済を受けにくいことなど、競売特有の条件が「競売市場修正」として考慮される場合があります。


ただし、

売却基準価額が市場価格より低い
=実際の落札価格も必ず安い

という意味ではありません。


複数の買受希望者が高い金額で入札すれば、落札額が一般市場の価格に近づいたり、それを上回ったりする可能性もあります。

競売には「買受可能価額」が設定されています。


買受可能価額は、売却基準価額から20%相当額を控除した金額で、この金額以上で入札する必要があります。

例えば売却基準価額が1,000万円なら、買受可能価額は原則800万円です。

しかし、「800万円で買える」という意味ではありません。最も高い適法な入札をした人が最高価買受申出人となるのが基本です。


また、通常の仲介売買と異なり、裁判所の競売に直接参加して買い受ける場合は、不動産会社へ一般的な売買仲介手数料を支払う取引ではありません。


一方で、

  • 登録免許税

  • 残置物処分

  • 修繕

  • 引渡命令や強制執行に関する費用

  • マンションの滞納管理費等

  • 専門家へ調査を依頼する費用

などが必要になる可能性があります。


「仲介手数料がないから諸費用も少ない」とは限りません。

資金調達についても通常売買と違いがあります。

通常の中古住宅購入では、売買契約後に住宅ローン本審査を行い、売主と決済日を調整することが一般的です。


競売では、売却許可決定の確定後に裁判所から代金納付期限を指定されるため、買受人の都合だけで決済日を長期間延ばすことはできません。

金融機関によっては競売物件への融資を取り扱わない場合や、通常の住宅ローンとは異なる審査・手続が必要になる場合があります。


そのため、自己資金で購入しない場合には、

  • 競売物件でも融資可能か

  • いくらまで借りられる可能性があるか

  • 代金納付期限に間に合うか

  • 担保設定と所有権取得の手続きをどう行うか

を事前に確認しておきましょう。


資金の準備ができていない状態で高額入札をするのは大きなリスクがあります。

競売物件のデメリットと注意点

競売で最も注意したいことの一つが、通常の中古住宅のように売主の協力を得て自由に室内を内見できるとは限らないことです。

裁判所の現況調査報告書には写真や調査結果がありますが、調査後に建物状態が変化する可能性もあります。

また、壁内部、床下、屋根裏、給排水管など、資料だけでは確認できない部分もあります。


買受後に、

  • 雨漏り

  • シロアリ

  • 設備故障

  • 残置物

  • 建物の劣化

などが判明する可能性があります。


競売では、買い受けた物件に欠陥があっても、売却取消しや損害賠償が認められない場合が多く、認められる可能性がある場合でも法的手続が必要になることがあります。


そのため、「落札価格+購入諸費用」だけではなく、修繕予備費まで含めて資金計画を立てることが重要です。


もう一つ重要なのが権利関係です。

抵当権や差押登記などは、代金納付後、買受人が引き受けるものを除いて裁判所から抹消登記が嘱託されるのが原則です。


一方、売却後も効力が残り、買受人が引き継がなければならない賃借権等がある場合には、物件明細書へ記載されます。

「前所有者に借金があるから、その借金をすべて買主が引き継ぐ」ということではありません。


ただし、区分所有マンションでは、前所有者の滞納管理費・修繕積立金等について、買受人が管理組合から請求を受ける場合があります。三点セットに記載された滞納額が調査時点の金額で、その後増えている可能性もあるため注意が必要です。


占有者についても確認が必要です。

買受人が引き継ぐ権利を持たない旧所有者等が居住している場合でも、代金を納付した瞬間に自動的に退去するわけではありません。

任意に引渡しを受けられない場合には、不動産引渡命令や強制執行の手続が必要になることがあります。


不動産競売の流れと手続きの詳細

競売は、物件を見つけて金額を入力すれば購入できる仕組みではありません。入札前から代金納付まで複数の手続があります。

手続きのステップと必要な書類

一般的な期間入札の流れを整理すると、次のようになります。


1. BITなどで物件を探す

所在地、売却基準価額、入札期間等を確認します。

2. 三点セットを確認する

物件明細書、現況調査報告書、評価書を読みます。

特に、

  • 占有者

  • 買受人が負担する権利

  • 土地・建物の状況

  • 接道

  • 境界

  • 未登記建物

  • 管理費等の滞納

  • 評価上の減価要因

などを確認します。

3. 現地を外部から確認する

無断で敷地内へ入ったり、占有者へ強引に接触したりすることは避けます。

公道等から確認できる範囲で、周辺環境や建物外観を見ます。

4. 入札上限額を決める

周辺の通常売買価格、修繕費、残置物処分、占有者対応等を考えて決めます。

5. 買受申出保証金を用意する

保証金は、一般に売却基準価額の20%以上で、実際の事件では公告に記載された「買受申出保証額」を確認します。

6. 必要書類を提出する

東京地方裁判所の現行案内では、入札書、暴力団員等に該当しない旨の陳述書、入札保証金振込証明書、住民票等の添付書類が案内されています。


法人、共同入札、代理人による入札等では必要書類が異なります。

必要書類や様式は必ず事件を取り扱う裁判所の案内で確認しましょう。

また、一度提出した入札書は、原則として撤回したり金額を変更したりできません。


「他の入札状況を見て後から金額を上げる」という一般のオークションのような方法ではありません。

入札から落札後の流れ

期間入札が終了すると、開札期日に執行官が入札書を開封し、最高価買受申出人を決定します。


ただし、最高額の入札者になった時点で所有権を取得するわけではありません。

その後、裁判所が売却決定期日に売却を許可するかどうかを決定します。

売却許可決定には執行抗告ができる期間があり、確定するまで効力は確定しません。


売却許可決定が確定すると、裁判所から代金納付期限が指定されます。

買受人は、入札価額から既に提供した保証金を差し引いた残額を、指定された期限までに納付します。

代金を納付した時点で、買受人は不動産の所有権を取得します。


その後、裁判所書記官が法務局へ、

  • 買受人への所有権移転登記

  • 原則として消滅する抵当権・差押登記等の抹消登記

を嘱託します。


通常売買のように売主と買主が売買契約書を締結し、売主から登記申請をする流れとは異なります。

また、買受人は所有権移転登記に必要となる登録免許税等を負担します。

指定期限までに代金を納付しなければ、買受けの資格を失い、原則として保証金も返還されません。


住宅ローン等を利用したい場合は、落札後に初めて金融機関を探すのではなく、短期間で代金を準備できるか事前に金融機関へ相談しておく必要があります。

所有権を取得しても、旧所有者等から建物を引き渡してもらえるとは限りません。


一定の場合には、代金納付後、裁判所へ「不動産引渡命令」を申し立てることができます。

また、所有権取得と「実際に自由に使える状態になること」は別です。

代金納付によって所有権を取得しても、旧所有者の荷物が大量に残っている場合があります。


残置物は、所有権を取得したからといって内容を確認せず直ちにすべて処分してよいとは限らず、状況によって所有者の確認や法的対応が必要になることがあります。


特に旧所有者や占有者とのやり取りが難しい場合は、自己判断で強制的に排除せず、弁護士や執行手続に詳しい専門家へ確認した方が安全です。

競売購入では、「所有権取得日=入居開始日」と想定せず、引渡し・残置物整理・修繕に必要な期間も資金計画へ含めましょう。


申立期間は通常、代金納付日から6か月以内です。一定の明渡猶予が認められる占有者については9か月以内となる場合があります。

実体験談:競売物件購入の成功と失敗

不動産競売の成功例や失敗例を知ることは、非常に有益です。実際に競売を利用して物件を手に入れた方々の体験を通して、競売で注意すべきポイントを学びましょう。

価格だけで判断しなかったケース

売却基準価額が900万円、買受可能価額が720万円の戸建てがあったとします。

周辺の中古戸建てが1,200万円前後で売り出されているため、「800万円ならかなり安い」と考えるかもしれません。


しかし三点セットを確認すると、

  • 建物が長期間空き家

  • 室内に多数の残置物

  • 給湯設備の使用状況不明

  • 雨漏りの形跡

  • 旧所有者が占有中

と記載されていたとします。


この場合、

落札金額800万円
+ 登録免許税等
+ 残置物処分
+ 修繕費
+ 引渡しに必要な費用

まで含めて考える必要があります。


仮に修繕や残置物処分に300万円かかれば、取得総額は1,100万円を超える可能性があります。

さらに引渡しまで時間がかかれば、すぐに入居・賃貸できない場合があります。

一方、一般市場で1,200万円の住宅が、売主による設備確認や一定の契約条件付きで購入できるのであれば、競売との差額が必ずしも大きいとは限りません。

競売では「落札価格」ではなく「利用できる状態にするまでの総費用」で比較することが重要です。


入札前には、固定資産税評価額も確認できる範囲で把握しておくと、その後の費用を考える参考になります。

競売で買い受ける場合も、所有権移転登記に伴う登録免許税等が必要です。裁判所が登記を嘱託するからといって、登記関係費用まで裁判所が負担するわけではありません。


また、購入後は固定資産税等の保有コストも発生します。

投資目的であれば、修繕して賃貸開始するまでの期間にも、税金・管理費・保険料等が発生する可能性があります。

入札額を決める際は、取得時だけでなく「保有開始後の費用」も含めて計算しておきましょう。

失敗から学ぶ、落札後の後悔

区分所有マンションを競売で購入するケースです。


入札時の三点セットに、管理費・修繕積立金の滞納が記載されていたとします。

競売でマンションを買い受けた場合、前所有者の滞納管理費等について管理組合から買受人へ請求されることがあります。


しかも、三点セットに記載されている滞納額は調査時点の金額です。

調査から代金納付まで期間があるため、その後の管理費等が加算されている可能性があります。


そのほか、

  • 室内残置物

  • 鍵交換

  • 設備交換

  • 管理規約上必要な手続

  • 引渡し

  • リフォーム

などの費用も考えます。


競売物件では、購入前に売主へ「この設備は壊れていたら直してください」と条件交渉することはできません。

そのため、判断できない部分については、ある程度の予備費を確保する必要があります。

また、入札競争が激しくなったときに「ここまで調査したのだから絶対に買いたい」と考えて上限額を超えて入札することも避けたいところです。

入札前に総予算から逆算して上限額を決め、その金額を超えた場合は見送る判断も重要です。

不動産競売参加者におすすめの準備と心得

競売では、通常売買以上に買受希望者自身が資料を読み、リスクを判断する必要があります。

事前準備と情報収集の重要性

物件を検討するときは、まず三点セットを読みます。

特に物件明細書は、「買受人が負担することとなる他人の権利」の有無を確認するために重要です。


現況調査報告書では、占有者、建物状態、写真などを確認します。

評価書では、評価額だけでなく、

  • 接道

  • 土地形状

  • 法令上の制限

  • 周辺環境

  • 建物状態

  • 評価上の減価

などを読みます。


BIT上の図面には、電子化の過程で縮尺が正確ではない場合や、一部図面が省略されている場合があります。

図面を印刷して定規で測れば正確な距離が分かる、とは限りません。

必要に応じて登記事項証明書、公図、地積測量図等も確認します。

競売だからといって、接道、再建築、農地、未登記建物などの不動産上の問題がなくなるわけではありません。


例えば農地では、法令上取得資格等が制限されることがあり、裁判所が買受申出人の資格を制限する場合があります。


地方の戸建てでは、

  • 浄化槽

  • 井戸

  • 私道

  • 山林・農地

  • 境界

  • 越境

  • 未登記建物

なども確認しておきたいところです。


株式会社Wakkaでは、通常の中古住宅や空き家の売買でも、このような土地・建物・権利関係を整理してから取引を進めることを重視しています。競売物件を検討する場合にも、競売価格だけでなく、その後に通常の不動産として利用・売却できる状態かを見ることが重要です。

競売での注意点とトラブル回避法

まず、現地調査の方法に注意します。


競売物件であっても、落札前は買受希望者の所有物ではありません。

勝手に敷地へ入り、建物内を見たり、残置物を触ったりすることはできません。


現地は公道などから確認し、三点セットと照らし合わせます。

次に、占有関係を確認します。

物件明細書に買受人が引き受けなければならない賃借権等が記載されていれば、その内容を理解したうえで入札する必要があります。

引渡命令を利用できる占有者であっても、「代金を払えば裁判所がすぐ空室にしてくれる」という制度ではありません。


引渡命令の申立て、確定、必要に応じた強制執行には時間と費用がかかります。

また、鍵の引渡しについて裁判所が仲介するわけではありません。

買受後に鍵が手に入らず、交換が必要になる可能性も考えておきます。

資金面では、入札保証金だけでなく、残代金を期限内に準備できることが前提です。


入札してから住宅ローンが使えるか考えるのでは遅い場合があります。

金融機関によって競売物件への融資方針は異なるため、融資を利用する予定なら必ず事前相談が必要です。

法律やルールを確認して競売へ参加する

不動産競売は、主として民事執行法・民事執行規則に基づく裁判手続です。通常の不動産売買とは異なるルールがあります。

不動産競売に関連する法律概説

不動産競売の中心となる法律は「民事執行法」です。


民事執行法では、強制執行、担保権の実行としての競売などについて定めています。

不動産競売では、

  • 売却基準価額

  • 買受可能価額

  • 売却方法

  • 売却許可

  • 代金納付

  • 所有権取得

  • 引渡命令

などが法令に基づいて進められます。


具体的な入札手続については、民事執行規則や各裁判所の案内も確認します。

不動産登記についても通常売買とは流れが異なります。

買受人が代金を納付して所有権を取得すると、裁判所書記官が法務局へ所有権移転登記等を嘱託します。


したがって、一般的な売買のように、売主と買主が司法書士へ共同申請を依頼する仕組みとは異なります。

ただし、買受人は登録免許税など登記に必要な費用を負担します。

買受後の占有者との紛争、建物の欠陥、権利関係などで法的問題が発生した場合は、弁護士へ相談すべきケースがあります。


不動産会社が法律紛争の代理交渉や訴訟代理を行うことはできません。


入札ルールと資格制限を確認する

競売は「誰でも必ず自由に参加できる」とは限りません。

原則として広く買受申出ができますが、債務者自身は買受けの申出をすることができません。


また、法令上取得が制限されている不動産については、買受申出人に一定の資格が必要となる場合があります。


さらに、現在の制度では、暴力団員等による買受けを防止するため、入札時に「暴力団員等に該当しない旨の陳述書」等の提出が必要です。

書類の提出漏れや重大な記載不備があると、入札が無効になる場合があります。

入札金額についても注意が必要です。


買受可能価額未満の入札はできません。

また、一度提出した期間入札の入札書は、原則として撤回・変更できません。

「金額を書き間違えたので訂正したい」ということが簡単にできる手続ではないため、提出前に十分確認しましょう。


共同で入札する場合には、事前に執行官の許可が必要となる取扱いがあります。

法人、代理人、宅地建物取引業者などでも必要な添付書類が異なるため、必ず当該裁判所の最新案内を確認します。


「以前別の裁判所で参加したときと同じ書類でよい」と思い込まないことが重要です。

不動産競売の情報提供とデジタル化

不動産競売ではインターネットによる情報提供が進んでいます。一方、情報公開のデジタル化と入札手続そのもののオンライン化は分けて考える必要があります。

BITを活用した競売物件の情報収集

BITでは、全国の多くの不動産競売物件について、

  • 所在地

  • 売却基準価額

  • 買受可能価額

  • 入札期間

  • 開札日

  • 売却スケジュール

  • 三点セット

などを確認できます。


そのため、以前より遠方の競売情報を探しやすくなっています。

ただし、BITに掲載されている情報だけで購入判断が完結するとは限りません。

BIT上の三点セットについては、一部図面等が省略されている場合や、電子化によって図面の縮尺が正確ではない場合があります。


また、現況調査報告書は調査時点の状況です。

その後、

  • 建物がさらに劣化した

  • 占有者が変わった

  • 管理費等の滞納額が増えた

といった変化が生じる可能性があります。


最新の事件情報や訂正情報も確認しましょう。

そして重要なのが入札方法です。


2026年9月時点のBITの現行案内では、一般的な期間入札について、保証金を振り込み、入札書等を執行官室へ持参または郵便等で提出する方法が案内されています。


したがって、「全国の競売物件へインターネット上から電子入札できるようになった」という記載は避ける必要があります。

将来制度が変更される可能性はありますが、参加時点の裁判所案内を確認することが基本です。

競売市場を見るときの注意点

競売市場について、「都市部では価格が上昇する」「人口移動によって競売需要が必ず増える」などと一律に予測することはできません。


競売の落札価格は、

  • 立地

  • 物件状態

  • 占有関係

  • 権利関係

  • 売却基準価額

  • 参加者数

  • 通常市場の価格

  • 融資環境

などによって変わります。


同じ地域でも、占有者がいない住宅と、引渡しに課題がある住宅では入札額が大きく異なる可能性があります。

また、競売物件数についても景気だけで単純に予測できるものではありません。

住宅ローン返済、企業倒産、税金の滞納、債権回収、任意売却の成立状況など複数の要因があります。


競売を投資として検討する場合も、「競売だから値上がり益が出やすい」「安く買ってリフォームすれば必ず利益が出る」という考え方は避けましょう。


再販売する場合には、

落札価格
+ 取得費用
+ 滞納管理費等
+ 修繕・残置物費用
+ 保有費用
+ 売却費用

まで計算する必要があります。


自宅として購入する場合は、さらに入居までの期間や住宅ローン利用の可否も重要です。

競売参加前に専門家と確認したいこと

競売では買受希望者自身の判断が重要ですが、すべてを一人で判断しなければならないわけではありません。分野ごとに必要な専門家へ確認する方法があります。

競売物件を判断するためのポイント

競売物件を検討する場合、まず通常市場での価格と比較します。

不動産会社へ周辺の売出価格や成約事例等を確認することで、落札上限額を考える材料になります。

ただし、不動産会社が競売の売却許可を保証したり、裁判所に代わって権利関係を確定したりできるわけではありません。


法律上の権利関係や占有者との紛争について判断が必要な場合は弁護士、登記内容について専門的な確認が必要な場合は司法書士、境界や土地の測量・未登記建物等については土地家屋調査士など、それぞれの専門分野へ相談します。

建物の状態については建築士や施工会社等へ相談する方法もありますが、競売前に自由な内部調査ができない場合には調査範囲に限界があります。


株式会社Wakkaでは、不動産会社として空き家、中古住宅、土地、相続不動産などの査定・売却相談に対応し、必要に応じて専門家と役割を分けて問題を整理することを重視しています。

競売になる前の所有者側からの相談であれば、残債や差押え等の状況によって、通常売却や任意売却を検討できる場合もあります。


住宅ローンの返済が難しい、督促が届いている、差押えが心配という場合には、競売開始を待つのではなく、金融機関、不動産会社、必要に応じて弁護士等へ早めに相談することが重要です。


南部町との空き家対策に関する協定においても、空き家を長期間放置して問題が大きくなる前に、管理・売却・活用へつなげることが重要な考え方となります。

初めて競売へ参加する場合の考え方

初めて不動産競売へ参加する場合、最も重要なのは「安く買うこと」だけを目標にしないことです。


まず、

1. 三点セットを読む

物件明細書、現況調査報告書、評価書を一つずつ確認します。

2. 現地周辺を確認する

無断で敷地内へ立ち入らず、公道等から建物外観・周辺環境を確認します。

3. 通常市場の価格を調べる

競売価格だけでなく、周辺の中古住宅や土地価格と比較します。

4. 追加費用を想定する

修繕、残置物、滞納管理費、引渡し、登記税等を考えます。

5. 資金調達を確認する

残代金を裁判所の期限までに納付できるか確認します。

6. 入札上限額を決める

競争が激しくても上限を超えないようにします。

7. 分からない権利関係は専門家へ確認する

「たぶん大丈夫」で入札しないことが重要です。


競売は、一般の不動産取引では得られない物件を取得できる可能性がある一方、買受人側に求められる調査と判断の範囲が大きい取引です。


最高価買受申出人になった後も、売却許可決定、代金納付、登記、引渡しという手続が続きます。

また、買受後に建物の不具合や占有問題が見つかっても、裁判所が通常の売主のように解決してくれる制度ではありません。


競売物件の魅力を生かすためには、

安さ
+ 権利関係
+ 建物状態
+ 占有
+ 追加費用
+ 資金調達
+ 将来の利用方法

を総合的に確認することが重要です。


自宅として購入する場合も、投資目的で購入する場合も、「落札できる金額」ではなく「問題が起きても対応できる金額」を基準に考えましょう。

一方、空き家を所有している側で、住宅ローン・税金・管理費等の負担から競売が心配な場合には、できるだけ早い段階で状況を整理することが大切です。


株式会社Wakkaでは、南部町との空き家対策に関する協定も踏まえ、空き家や相続不動産について、問題を放置せず次の選択肢へつなげるための不動産実務を重視しています。

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